22 Side.リース 2
「…ふむ、どうやらアリス様がフラグを立てたようですね…。」
異常事態を示す警告音が、監視室に鳴り響いている。
どうやら原初の惑星で異常が発生したようだ。
画面を見る限り、創造主様の予知通りのようですね…。
(創造主様、異常事態です。 転移者達がこの惑星に次々と出現しております)
《ふむ…、漸くそこまで技術を発達させることが出来た世界が誕生したか……》
(対処方法は以前言っていたように…?)
《あぁ…、全ての転移者達の居場所を捕捉し、監視しておけ……》
(畏まりました、創造主様)
創造主様の思念を受け、即座に配下達に命令を下す。
「全ての転移者達を捕捉し、監視しなさい。
こちらに来るようであれば即座に報告するように」
「「「「「了解しました、我らが統率者」」」」」
(創造主様が世界の支配者となって随分立ちますが、漸くここまで技術が発達するほどに長生きする世界が出てきましたか……)
創造主様曰く、全ての世界は原初の惑星の派生世界なのだそうです。
原初の惑星より細胞分裂のように分離し、一部を受け継いだ世界として生誕し、世界の寿命が尽きたら再び生まれ直す。
それを繰り返し世界の寿命が尽きる前に、人類の技術がここに影響を及ぼすようになるまで、随分永いことかかりました…。
(創造主様、ここに来る転移者達は、予定通り世界樹内部までお通ししてよろしいのですね?)
《この惑星に来れるようになるほどに技術を発達させたんだ…。それぐらいのご褒美はあげても構わないとも……》
(しかしたかがゲームでこの惑星に来ることが可能になるなど…、創造主様から事前に聞いておらねばとても信じられません……)
《全ての世界の魂の起源はここにある…。 この世界を模倣し、繋がりが出来るほどのものにするまでに技術が発達するのは…、初期の惑星の寿命ではとても無理だろうからね……》
(もはや無量大数を何度数えたやもしれません…。 途中から数えるのを放棄してしまいましたし……)
《この水準まで進歩するのに…、永いこと待ったからね…。 うまくいけば退屈を持て余している皆の慰めにはなるだろう……》
特に四天龍の方々など、退屈を持て余していたでしょうからね…。
商人以外でここまで来るものなどいませんでしたし…。
(では引き続き業務を続行します…)
《あぁ…、よろしく頼む……》
(それと…)
《何だい…?》
(どうかアリス様に褒賞をお与えください)
《……何故そこでアリスの名が出るんだい…?》
(アリス様がフラグを立てたために起こったようなので……)
《…わかった……》
(ありがとうございます)
アリス様には何時も苦労をかけておりますからね…。
定期的に創造主様ご自身に労っていただかなくては…。
※ ※ ※
「ヘクチッ!」
「どうしたのー? お姉さまー」
「…誰かが噂でもしてたのかしら……」
「リースあたりが何かしたんじゃないー?」
「まさか……」
そして茶会の後、驚きと困惑が混じった顔でクレスより褒賞を受け取るアリスの姿があった…。
※用語解説:世界樹
原初の惑星に聳え立つ大樹。
クレスと眷属達の住処。
世界樹の天辺付近に空中要塞が、海底にある世界樹の根っこに覆われるように海底都市が、世界樹に寄り集まるようにできた海上の陸地に城塞がある。




