21 Side.アリス 2
独特な気配が、知覚範囲内に出現する。
どうやらシメールが、無事に帰ってきたようだ。
「問題はなかったみたいね」
「シメールとエクスタシスとカーシモラルの三人で問題が在ったら、それこそ一大事だよー」
諜報に長けた者、魅了する術に長けた者、殺戮に長けた者がそろえば、まぁ一般的な世界消滅の危機は容易く対処できるか。
「今度こそのんびりできるといいのだけど……」
「この前も同じこといって今回の騒動だったしー、あまり期待できないんじゃなーい?」
勘弁してほしい…。
妹の勘は、どうでもいいところでもよく当たるのだ…。
「ならせめて、心の準備だけはしておきましょう……」
「あっ、これは何かあるの確定ですねー……」
妹の言葉を聞き流し、紅茶を啜る。
覚悟が出来ていれば、割とどうにでもなるものなのだ。
「あ、そーそー。 今度エクスタシス達と一緒に大宴会をやるんだけどー、お姉さまも一緒にどう?」
「ぶふぅっ!!」
唐突な妹の言葉に、飲んでいた紅茶を盛大に吹き出す。
覚悟が出来ていても、どうにもならないものはある…。
「もー汚いなー」
「いきなり何を言うのよ!?」
「何をってー、ナニを?」
「そういうのはいいから!!」
(全くこの子は……)
前々からあの淫乱と計画してたわね…。
「私は参加しないわよ。 凄く疲れるもの」
「そうだよねー。 お姉さまが一番酒乱だもんねー」
妹の言葉に、私は無言で返す。
何を言っても墓穴を掘るだけだと理解しているからだ。
実際嘘ではないから、否定する材料もない…。
だけど、そうね…。
久々に思いっきり甘えるのも……、って違う違う違う!
危うく脳内色情花畑になるところだった。
「別に我慢しなくてもいいと思うけどなー」
「言わなくても解ってるでしょうに……」
「皆も気にしないだろうし、気にしなくてもいいと思うけどなー」
一度スイッチが入ると、暫く戻ってこれなくなる…。
あの後正気に戻った時は、羞恥心で身体が燃え尽きるかと思ったほどだ…。
だから、やるならクレスと二人っきりの時に……、って違う違う違う!!
駄目だ…、今の状態では平静に物事を考えることなど出来そうもない…。
再び紅茶を啜り、心を落ち着けることにする。




