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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第四章   闇を払う者たち
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第十話   混乱(錯綜する想い)

第十話   混乱(錯綜する想い)


「・・・行ったか。油断も隙もないな。」

「む、やはり居たのか?」

「気配が消えたのでまさかと思ったが気づいたのを読まれたようだ。」

「やれやれ、どれだけのことが出来るんだ?巫女の僕達は。」

「あの子達なら”王子”を締め上げることが出来るだろうな。」

「本気で諦めるのですか?」

「シンディーに言われたんだよ。今のままではじり貧になるだけだってな。ならば対抗できるだけの戦力を整えろとそのための基盤は出来ていると。」

「ほう、でどうしろと?」


「新たに国を興す。」






 ちょっと欲張りすぎましたね。でもナナさんの様子がおかしいって話だから早く帰って調べてみないと。

 定食屋に着くともうみんな食べ終わって待っていました。

「しゅ、帰っても食べれる。用事あるんだろ。」お持ち帰りパックを差し出す。

「シャールちゃんありがとう。」

 紅くなってそっぽを向きました。可愛いし良く気が付きそうですね。

「しゅぅー・・・」

 抱きしめて撫でながら、スズネに問う。

「緊急の情報があるんだけど、お母様に連絡が取れない?」






「もういいから!もうきれいになってるから!痛いんでしょう?我慢しなくて良いんだからねゆっくり休んでないとだめだよう。」

「あらあらエミリーちゃん、さわっちゃだめですよ、ほらまっかになっちゃったじゃないですか。すぐに洗わないと取れなくなっちゃうよ。」

「ボクのことは良いからナナさんしっかりしてよう、もう汚れてなんかいないです。綺麗な手ですよぉ。これはナナさんの血ですから汚くなんてないですよすぐに治してあげますからじっとしていてください。ユークお願い!」「ハイです。」

 治療と洗浄を行うけど朝からもう三回目だよ。

 たぶん感情に任せて沢山の人を殺してしまったのがショックだったんだろう。

 ボクも同じことをしてしまったらおかしくなってたかもしれない。

 シンディーちゃんはシンディーちゃんで、ナナさんに行った魔法が結局彼女の力を弱めるだけの効果しかなかったことがわかり、頭からシーツを被ってうなっています。

 ナナさんが正気に戻っていたときに、”なの何とか”があればこの事態は回避できたと言っていました。

 ・・・ナナさんも本当に余裕がなくなってるみたいで本来言動一つとっても周りに気遣っていたのが一切遠慮なく事実を告げていきます。


 あの修繕魔法の本来の使い方はあらゆる物の修復で人体に有効であるかどうかの記述はなかったのですが、恐らく神経の接続をしたままでは激痛によりショック死もあり得るので試した人が記録を残さなかったと思われます。

 前のナナさんなら治癒魔法のスペシャリストの二人の前でいきなり披露するなんてことはしなかったはずなんだけど。


「さあ綺麗になったから、ベットに戻りましょうね。大丈夫ボクが着いててあげるからね。」

「うん」半べそで大人しく従うナナさん。でもしばらくしたらまた同じことを繰り返しちゃうんだろうな。





 しばらくしたらアスカちゃんがお昼ご飯を持って来てくれました。アスカちゃんの手作りです・・・この頃は我慢できるレベルになりました。

 みんなでぼそぼそと食事です。エフィちゃんは一端帰ってガイル(ちっ!)と相談するそうです。たぶんあれ(○○野郎)にもつかえるはず。


 その間にアスカちゃんはナナさんの検診です。もし心の病ならアスカちゃんの力で何とかなるはず。


「え、なんで?そんな!・・・・この方は人ですか?ああ、なるほど見たことのない魂の形、私には魂が見えません。いえ、見えないくらい澄んでいて捉えられません。・・・・せめて私の声だけでも聞いてもらえれば・・・あ、元凶に聞くように言わせれば何とかなるかも。」

 元凶?何の話?ナナさんて普通の人間のはずじゃなかったの?

「止めて!またナナに服従の魔法を掛けるつもり?もうナナを傷つけないで!」

 シンディーちゃんの泣き声が響いた。

「シンディーちゃん気付いていたの?」

「ナナが止めなかったらわたしが息の根を止めていました。そうすればナナも解放されるはずだったのに・・・」

 何の話?ボクとユークはついて行けず、おいて行かれてます。

 ナナさんは呪いか何かが掛かっているてこと?

「でもウチの声を聞いてくれたら全部打ち消せるのよそうなればナナさんは解放されるはず。」

「だめなの。すでにあの魔法は彼女の性格にまで食い込んでいる。たとえ彼女のこころの封印が解かれても、あいつに隷属するのは止められないの。」

「・・・それでも今のナナさんを放っておくわけにはいかないの。だからお願いやらせて。」

「・・・任せるわ。私はもうナナに何もしてあげられない。してはいけないのかもしれない。彼女も何か大いなる力の代行者だったのかもしれないから。」

「え?何のこと?ナナさんていったい何者なんですか?」

「空から墜ちてきた人。もしかしたら天使様かその一族の方かもしれない。わたしはそう思っている。」

 ・・・・えっとつまり天使様と精霊様が一緒に居たってこと?

「なるほど誰も知らない人種な訳ですね。しかも精霊様の力は通じない。じゃあウチの力も直接は聞かない(・・・・)って言うことですね。」

「エミリー、マルゼークを呼んで遠話すればすぐに来るから。」

「・・・・『マルゼークさんこちらに来てもらえませんか?すぐに!!』・・・彼なんですね。ナナさんに呪いを掛けたのは。」

「本人は効果を知らなくて後から気が付いたらしいがな。」

「マルちゃん来るの?たいへん!キチンと綺麗にしないとまだまだ汚れが落ちてないのに・・・」

「だから汚れてないんだってば!もう良いからちゃんと座って待っていようね。」

 ボクはあいつを見損なった。もっとしっかりした人だと思っていたのに。

 自分のしたことの責任も取れないなんて、ちゃんとナナさんを受け止めてあげないなんて。ただでさえ精神的に不安定なのに放置したまま何もしてあげてないなんて。ナナさん可愛そう。




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