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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第四章   闇を払う者たち
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第七話   動き出す事態(壊れた心)

第七話   動き出す事態(壊れた心)



「あれナナさんは?」頼まれたジャンクフードを並べながら不在に気付いたボク。

「何か用事があるって飛び出していったけど?」

「筋肉に何かあったかな?」

 え、まさか?!

「あーないない。あいつに何かあったのってあんた達の囮になったときぐらいよ。」

 慌てて気配を探る。ああまた物陰から覗いているんだな。ん、空間に歪み?あ、ナナさんの方に?いや気付かずに開いたんだ、やば!

「せんせーこっちお願い、ボク応援に行ってくる。ナナさんの方に来た!たぶん一人で大丈夫。」

「おう行ってこいこっちが済んだら連絡するよ。」駆け出すボク。

(強化)(加速)軽く(慣性減少)・・(風の守り熱の守り)隠せ(光学迷彩:遮光)(魔力隠蔽結界)天駈ける(空中走破)。」

「よく見とけよ、あれが賢者クラスの多重詠唱だ。意味を憶えることが出来れば賢者に昇格できるぞ。がんばれよ。」






 あれは誰??


 どす黒い赤と鮮やかな縁取りの塊の散乱する薄暗い路地裏。

 ただ一人立ち尽くす見慣れた後ろ姿。ただその身も紅く染まり小刻みに震えている。笑っているの?


 悲鳴が喉の奥から、お腹からも何かこみ上げてきそうになり、両手で口を塞ぎました。気持ち悪い、怖い。


 つま先で弄っていたものを踏みつぶすと、振り向きもせず語り出す。

「ねえ、エミリーちゃん、この人達変なこと言うのよ・・・わたしがマル君の奴隷だって。助けてやるからついて来いって。嫌だって言ったら、あの伝令の子のことにも詳しそうだから連れて行くって。無理矢理連れて行こうとしたの。もうマル君には近寄らせないって。いやだって押したら首が取れちゃった・・・わたしのまるくんを馬鹿にするからいけないのに、みんなして襲ってくるから・・・・・だってみんなマル君の悪口を言うのよ、有ること無いこと・・・・わたしマル君に命令されたことなんて何も無いのよ!奴隷なら好きに命令してくれれば良いのに、好きに使えば良いのに何もしてくれないのよ。奴隷としても見てくれないのに・・・・一応プロポーズはしてくれたのにそれも責任感だけだったし、わたしがいつも迷惑を掛けているだけで・・・・」


 もう限界・・・端の方で嘔吐を繰り返すボクにかまわずナナさんは話し続けます。

 あれ?足下にいつもナナさんが抱いてる扉が落ちてる。

 らしくないよ・・・らしくない。ナナさんはこんなことする人じゃなかったはずだよ。



「ああ!私ったらこんなに汚しちゃってこんなんじゃあマル君やみんなにも嫌われてしまいますね。はやくからだをあらってきがえないと。こんなに汚い格好はみっともないですわね。たいへんたいへん。」


 小走りに寮の方に駈けだしていく。笑顔で。泣きながら・・・・あの扉を残したまま。



 駄目、まだ気絶できない。あの服の切れ端はこの国の軍服だ、証拠を残しては駄目、全ての痕跡を消さないと。「浄化の・・・」



 あれ?

 ボク気絶してた?ああ、マルせんせーのにおいがする、これってお姫様だっこかな。ただボクの上にあの扉がのせられているよ。顔が見られないのはちょっと残念、でも今は見られたくない泣いてるのが分かるもん。それにナナさんに知られたら・・・・うー、震えが止まらない。せんせーにしがみ着く。優しく背中を撫でてくれます。ナナさんが居なかったらボクはきっとマルゼークさんに夢中になってた、優しいし。

 ごめんナナさん我慢できない。

「せんせー、せんせー・・・・ナナさんが、ななさんが・・・、う・・・うえーーんナナさん、おかしくなっちゃったよー」


 いつものにやけた感じではなく沈鬱そうな顔。でも撫でる手は優しいの・・・安心できるの・・・・






 アスカさんの従姉妹、スズネさんは正気を取り戻したのでみんなでお食事となりました。

 

 このところ誰も用事を言ってこないので、今日は私からみんなのお世話をします。

 今日で貴族ともおさらばです。みんなといっしょの平民です。

 まあ賢者としては死んでないので身分の保障は出来ます。

 まだ聖者は認知されていませんから良くも悪くも・・・・



 食事をしながら情報交換です。

 ただ彼女はアスカが連れ去られたのを知って、命令無視で動いたため捕まったそうです。

 いまだアスカさんの翼から解放してもらえてない彼女は感極まったアスカに締め上げられていました。


 おかげで閑職に回され二重スパイとしても使えなくなってしまい、双方に影響はなかったらしいです。

 何度か情報を引き出そうと弄りまわされて、もうまともに考えることも出来なかったようで記憶が曖昧になっていたようです。

 体の方は気味悪がられて手を出されなかったそうです。姿だけはふつうにみえ、触っても気付かないぐらいです。

 例の王子が見聞して作り物だと明言して股間の一部を切られたそうです。今でも金属といろんな色のひもがむき出しになっています。

 

 巫女様がナナさんなら治せるかもと言っていました。・・・・シンディーちゃんのことが巫女様としか認識できなくなってしまいました。

 ちょっと寂しいです。せっかく友達だって言ってもらえたのに。でもこの方のためなら何でも出来ると断言できます。ユークもアスカちゃんもきっとそうでしょう。



 時間を掛ければ肉体再生でいくらか生体に戻せるかもしれないけど断られました。生殖能力がまだ再生できないのと“翼”の誇りを忘れたくないからと・・・・どちらもアスカさんが引き替えにしたものです。本当に悩まれてました。


 しばらくたった頃巫女様の様子がおかしくなってきました。それとアスカさん、ユークも落ち着かない様子です。何かに怯えた感じ・・・

 巫女様が怯える?何に?



「妙だね、あいつらと連絡が取れないんだが・・・よっぽど精神的に負荷が掛かっているかそれどころじゃないくらい逼迫しているか・・・」

友を知る(魔力探査:登録者限定)。」


 あれ、ここに居る知り合いは分かるのにマルルーク先生やナナさんの反応が見えません。エミリーさんの反応は小さくなっていますが、寮の方に移動しています。

「エミリーさんが寮に向かってるのは分かるんだけど、他の二人が見つからない。あと監視していた人たちはみんな散っていますね。逃げているのかな。」


 みんな様子がおかしい以上わたしが指揮を執らないと。

「とりあえず私は寮に行ってエミリーさんに話を聞いてきます。ガイルさんは家の方で待機していて。」

「心得ました、レディ。」

「巫女様達は、新しい子達にお洋服を用意してあげて。三人とも普通の服とかないでしょ?アンジェリカ導師も選ぶのを手伝ってあげてください。」

「あいよ、さってどんな可愛い格好が似合うかねえ、HAHAHA。」目配せで早く行けと言ってくださいました。


 新入り達を不安がらせないよう努めて優雅にその場をあとにする。


書きたいシーンが降りてきてるのにうまく文書化できません。とりあえず途中まで。



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