表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第四章   闇を払う者たち
50/61

第四話   かりそめの客(死して尚止まるもの) 

第四話   かりそめの客(死して尚止まるもの)   



 

「く!まだこちらの手が尽きたわけではありませんよ!これでどうです!」


 次に出てきたのは水たまり・・・・何これ?

「結構強い魔力を感じますが、あれ(・・)ですね。」

「あれですね、でも無視したらどうするつもりです?」


 執事長の笑顔が引き攣る・・・

 えっと・・・何が何だか分からないけど・・・

「とりあえず燃やす?」

「いえ、流石の簡単すぎるでしょう。もっと絶対的な力の差というものを教えてあげなければ駄目ということでしょう?執事さん。」

「いやわたしは・・・どうすれば任務を達成できるのでしょうか・・・」

 殆ど絶望的な顔をして怯えています。

「とりあえずこういうのはどうでしょう。」ナナさんに言われてみんなで相談。



「あの何を成されるので?」おそるおそるという感じで聞いてくる雑用係いえ、執事さんでしたね。

「取り合えず、化学物質を合成して反応を見てみるぐらいですねとりあえずやってみますね。。」


「「合成!界面活性剤」「脱水剤」「酸化剤」強塩基性剤」


 程なくひからびたスライムを元に対処法をいろいろと議論する。乾燥剤を大量に振りかけるのが効果的と結論を出した。

「ちゃんと効果的な魔法と召喚相手の弱点とかは把握してないと駄目だよ。」

 小さくなって反省る執事。

「良いですか?家人として主を守るにはちゃんと敵勢力を分析した上で主をいさめないと勤まらないんですよ。」

「申し訳ありませんがあなたのご主人様は諫めさせていただきます。私達の大切な友達を・・・・とにかくあなた自身は何をしたいかはっきりもう一度考えてみてくださいその上で戦うならこちらも受けます。」


 頭を抱え座り込む男をよそに先に進む。



 屋敷の中枢、家族の住まうとおぼしき辺りまで来ると、二匹の魔獣が守る部屋があった。額に紅い宝石を埋め込まれた毒蛇と全身を長いトゲで覆われた豪猪やまあらし

「なんですかあれ針だらけですね。」

「ああ、豪猪ですね。魔獣としては大人しい方ですが、怒らすと結構危険です。普段は山岳部の荒れ地に住んでいて、虫や小動物を食べていますが敵に合うと」バスン!!・・・ビイィィィィン

 ユークちゃんのローブが壁に縫い付けられました。針は細かく振動して甲高い音を立てています。

「と、まあこんなふうに矢のように撃ってきますので気をつけてね。」

「早く言ってくださいいよ-。」

 今は大きなローブを着ている彼女が一番大きく見えたのでしょうか、彼女に狙いをつけて斉射の構えです。

 ささやかなおかげで直撃を免れましたが、ボクやナナさんだと綺麗に串刺しでしたよ、二つとも。

 返しがついているため絡まって取れないみたいです。

「ちゃんと盾か対空防御呪(飛び道具無効化呪文)ぐらいは掛けときなさい。」

「え?かけてなかったの?」

「さっき掛けてもらっていたのが切れていたのを忘れてました。」

 やれやれ。じゃあさっきからしつこく撃ってきてるこの子を黙らせましょうか。


 蛇は自分の吐いた毒で死んでました。アスカちゃんが毒を吐き出したとき風の結界で閉じ込めて、死ぬのを待ってからナナさんが毒の中和をしています。やはり蛇は自分の毒でも死ぬものなんですね。



 ゆっくりと扉を開けた先には寝室のようでした。

 部屋は結構広く大きなクローゼットやソファーのセット一角には簡易的なシャワーの設備もあります。

 

 そして一番奥にとても大きなベットがあり、そこに一人の少女が座っていました。


「エフェちゃん!!」

 飛び出そうとするユークちゃんをナナさんがローブごと掴みあげて引き留める。


「あなた方はこの体の子のお知り合いの方ですね。」


 とても悲しそうな顔のエフィちゃん・・・・の中の人。

 この屋敷の人が使うのと同じような赤い石が額に埋め込まれています。


「この子はエフィさんというのですか・・・皆さんとはどのようなご関係でしょうか?」


 皆の視線が鋭くなる。ユークちゃんが叫ぶ。

「貴方誰ですか?!出て行ってください!エフェの体から出ていって!」


「申し訳ありません。自分ではどうにも出来ないのです。それに彼女の魂はもう・・・」

「すでにそれは知っています。だからこそ彼女を連れて帰りたかったのです。」


「そこまで大切な方だったんですね。・・・・旦那様にもそのような方が居ればこのようなことにならなかったものを・・・」


「悪いけどあなたにも消えてもらいますよ。かりそめの客は疾く旅立つのが定め、命亡き者は大地に戻るのみ。」


「お願いします。それに出来うるなら旦那様にも安らぎを。もう悲しみをまき散らすのはおやめくださいと。他のものを不幸にしても自身の幸福にはならないと。」


 手を組み何かに祈るように目を閉じる少女。

「出来ればこの子のことを教えてもらえませんか?自分は何も知らされていませんでしたので。旦那様のこだわりで、乙女なのは知っていますが。ああ、危ないところでしたがまだ辱めを受けては居ません。なんとか守りました。死んでからであっても忍びなかったので。」


 ボクたちは彼女のことを語った。

 万感を込め、彼女に贈る言葉とともに。








 それから四日後、ベルナーク子爵家より正式にエフェメラルダの死亡が報じられた。

 これによりベルナーク家の正当な血縁は途切れることとなり、傍系に名は継がれたが、現子爵は引退。

 以後身近なものを連れ辺境に移り住んだという。


さてその頃マル君は・・・どうなったでしょう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ