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私は精霊ではありませんよ   作者: lassh-leyline
第四章   闇を払う者たち
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第二話   届かぬ声(潰えた想い)

第二話   届かぬ声(潰えた想い)



 私は何に成りたかったんでしょうか・・・


 毎日雑用に追われ、学業に追われ、家では貴族としての行儀作法と慌ただしい生活を送り、ようやく解放された矢先・・・

 私はこれで終わりなんですね。


 後悔?いいえ、私は自分が出来ることを一生懸命したのです。私がしなければいけないことをしただけです。

 心残り?それは沢山あります。みんなともっといろいろ研究したかった。せっかく勉強したんだから舞踏会にも行ってみたかった。素敵な恋いも結婚も・・・・

 せめてもの救いは綺麗な体のままでいけることかな。みんなみたいに生きたまま焼かれたら私には耐えれません、あ、死んじゃったら一緒か。


 ああ、何がしたかったんだろう。みんなの反対を押し切って学校に通わせてもらって、内緒で魔法学校に入って、このために貯めたお小遣いで魔法学園に受験して、沢山本を読んで勉強して、べっとのうえからのばしたてをつかんでもらって、うごけないあたちのあたまをなでて・・・


ああ、わたしは・・・・・








「え?エフィが家に帰ってないって?」

 アンジェリカ導師の頭にしがみついたままエミリーが問い返す。何故かあそこが一番安心するそうです。

「昨日の昼に迷宮から出てからの足取りが掴めないそうだ。護衛の者は皆死んでいたらしい。」

 学園の外でのことなので情報が伝わってこなかったらしい。

「せ、先生エフィちゃんは無事でしょうか・・・・」

 とても辛そうな顔で私達を見回す先生。

「あ、いや分かったすまんせめて冥福をな・・・」

 え?まだ何も聞いてないし言ってないのに?え?何みんな納得しているんですか?

「ちょっと、みんな・・・・」

シンディーちゃんが泣いています。

 立っているのがやっとという感じですナナさんがそれに付き添いアスカさんは翼を広げまるで誰かの声を聞いているよう。もしかしてエフィの魂に呼びかけてるの?

 本当にもう駄目なの?

 エフィちゃん・・・・いつも一生懸命なエフィちゃん、誰にも優しいエフィちゃん、絶対に嫌って言わなかったエフィちゃん、半分な私でも隔たり無く接してくれたエフィちゃん、いつも家では貴族のお勉強が大変だって笑っていたエフィちゃん、学園の勉強はいつも早めに来てからしていたエフィちゃん、そしていつも一緒に居てくれたエフィちゃん。とても死んでしまったとは思えません。

 でも・・・巫女様の力もアスカさんの力も知っている私は・・・・後ろから抱きしめられて気が付きました。気を失いかけていたようです。

「おい、みんなどうしちゃったんだよ。まだボクたちにも出来ることがあるだろ?・・・せめてボクらの、家族の所に返してあげようよ欠片になってても独りぼっちは駄目だよ。せめてみんなで送ってあげようよ、でないとあの子も泣いちゃうよ・・・ぐふ、う、う、ううぇーーん。」

 エミリーさんに先を越されてしまいました。

 こうなっては宥め役になって泣くどころでは無くなってしまいます。いいでしょう、ならば全て終わるまで私は泣きません。たとえどんなことが起きようとしっかりと受け止めます。だから待っててエフィ、きっと迎えに行きます。


 動き出した私達は早かった。

 といってもマルゼーク先生が下調べをしていました。

 どうやらエフィを連れ去ったのは、赤月の幹部の一人で“伯爵”と呼ばれている人のようです。

 彼の特徴は処女と半死半生です。エミリーとアスカは彼の手によるものと考えられています。


 処女を生け贄として純潔の証を破ることを起動条件とし被害者に火炎魔法を浴びせかける。そのため贄の少女も陰部を焼かれ、死んでもおかしくないほどの傷を負わせることとなります。

 実際六割はその場で亡くなり三割は一年以内に自殺か介護の者に命を絶たれる。生き残りの殆どが一生寝たきりとなる。

 見目麗しい乙女ばかりが被害に遭うそうです。エフィもそんな犠牲者になってしまったのでしょうか?


 幾つかのアジトのうちから幾つかの候補が挙がりましたが、あっさり割れました。

 建物の屋根に遺書が書かれていました。その遺書は特殊なインクと書き方で特定の角度と距離でないと読めなくなっています。ナナさんの公開した光学処理の応用例です。明らかにアスカさん宛てのメッセージです。実際に屋根や書いた文字も確認せずにこれだけのものを書けるのはさすがです。

 アスカさんが泣きながらもっと早く見付けられていればと悔やんでいます。

マルゼーク先生が、

「そろそろ本気で勝ち込みを掛けるぞ。俺は知り合いと一緒に周りを囲む。場合によっては何匹か泳がせるために逃がすが、内部に関しては好きなだけ暴れてこい。本当はおれも行きたかったがここは先を考え後詰めに回る。怪我するんじゃないぞ。」

「だれにいってるのよ、あんまり威張れないけどあとから見て引いちゃやですからね。」

「おう・・・・良いか準備はできているな?じゃあ行ってこい!」

「「「「「後悔なんかさせてやらない!!本気の怒り見せてあげます!!」」」」」


爆音が鳴り響き、マルゼークが地面を転がっていった。


 いまだに感じたことのない感情がわき起こってきます。たぶん自分ではどこにもならなくなっています。これがバーサーク状態というのでしょう。だんだん複雑なことを考えるのが面倒になってきました。早く敵を倒したい敵はどこ誰が敵なの・・・・・



名前持ちの最初の犠牲者が出てしまいました。切れたみんながどうなるかは次話で。


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