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紀子さんの小さな事件簿  作者: 田舎娘
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 6 紀子さんは、昔を回顧します。

◎紀子さん、ザマアミロです。(免許取り立て)

  紀子さん、若葉マークをつけて暗い田舎道を走ってます。

  田舎道なのに前に普通乗用車、後ろは大型トラック。

  紀子さんは真ん中を走ってます。でも、前の車がおかしいのです。

  あまりにゆっくりすぎるスピードです。

  追い越そうと思っても追い越しさせてくれません。

  後ろからは「プップー」とトラックのクラクションが鳴ってます。

  紀子さん初心者マークです。

  どうしていいか運転しながらオロオロしてます。

  紀子さん、思い出します。誰に聞いたか忘れました。

  「後ろの車が抜かしたそうだったら、ウインカーを出して先に行ってもら 

  え。」

  実施しました。途端、追いかけるトラック。逃げる乗用車。

  コメディーみたいでした。紀子さんも、思わず追いかけたくなりました。

  ザマアミロです。


◎紀子さん、警察官の運動神経に驚きです。(20歳ぐらいの時)

  紀子さんのお姉様が当て逃げされました。警察にも通報したそうです。

  野次馬根性で見物に行きました。現場は、下り坂の終わりです。

  後ろの右折車にバンパーを当てられました。右折車は、逃走。 

  警察の現場検証です。お姉様の車は道路にあります。

  ちゃんと誘導もされているのに、下り坂だから目視も充分なのに、

  あろうことか一台の車が警察官をめがけて突っ込んできました。

  「あー、危ない。」誰もが思いました。

  「バンッ!」警察官は、逃げられず、車のフロントにダイブ。

  怪我は有りません。運転手はお小言をいただき、おとがめなしでした。

  咄嗟に車を回避した警察官の判断に脱帽です。

  でも、突っ込んできた車にはお友達の搭乗者が居ました。

  「お前、何トチ狂っんだよ。」と言っていたそうです。

  きっと、今でも言われ続けているだろう。そう思う紀子さんです。


◎紀子さんち、バイクを盗まれます。(中学生時代)

  紀子さんの実家は、母屋があり

  その奥に車やバイクが置いてある納屋がありました。

  もちろん鍵なんてありません。オープン仕様です。

  紀子さん、夏の暑い最中、午睡を貪っていました。

  そんななか、バイクのエンジン音を聞きました。

  お母様がどっかにお出かけね。と思いました。

  しばらくすると、お母様は車で帰ってきました。

  「???。バイクで出かけたのは?」

  バイクは音と共に消えてしまったようです。

  バイク泥棒は、納屋からエンジンをかけ堂々と

  紀子さんの御昼寝姿を横目に目的を達成したのです。

  それ以来、車にもバイクにも自転車にすら鍵をかけるようになりました。

  防犯意識が高まった事件でした。


◎紀子さん、借りたものはちゃんと返しましょう。(20年位前)

  知人の息子さんが、自転車の窃盗で補導されたそうです。

  その息子さん、自分の自転車を盗まれ犯行に及んだらしいです。

  気持ちは、分かりますが……。

  それを聞いていた若者が、

  「チャリは、万人の共通財産です。」

  のたまいます。さらに。

  「あれは、借りるんです。盗んではいません。」

  自分勝手な持論を披露してます。

  「借りたのなら返さないとね。借用者は書いたの。

        どこにいつ返しときます。って相手に言ったの。」

  若者は、『なるほど』と言ってそっぽを向いてしまいました。

  紀子さんはさらに言います。

  「借りたものは、ちゃんと返しましょうね。」


◎紀子さん、竹の子は母校の思い出です。(中学生時代)

  中学は自転車通学可でした。簡単な屋根付き置き場もありました。

  そこに季節になると竹の子が顔を出します。

  顔を出した竹の子は大事にされ、自転車は端に追いやられました。

  ある日、校内放送があります。

  「今日の給食の中に筍が入ってます。味わいましょう。」

  自転車置き場の竹の子を美味しくいただきました。

  自転車を端に追いやられた持ち主は、

  「こいつかー。」と言いながらより味わっていたようです。

  紀子さんもそのお仲間でした。

  今では、信じられないお話です。

  でも、筍は一切れぐらいしか入っていませんでした。残念です。


◎紀子さん、お茶でも思い出します。(中学生時代)

  2学期になると、全校生徒にある宿題が課されられます。

  「お茶の葉を摘んでくること。(手のひらに乗るぐらい)」

  当時は、隣との境界にお茶の木を植えている御宅がいっぱいありました。

  みんな慣れたもので、お茶の木のある家にあたりをつけます。

  生徒のいない家も理解していて、お願いすると摘ませていただけます。

  一種の恒例行事でした。

  ある日、校内放送があります。

  「今日は、生徒の皆さんが摘んできたお茶が出来上がりました。

   みんなで美味しく頂きましょう。」

  後のお茶は、職員の方々でいただきていたようです。

  今では、信じられないお話です。

  でも、お茶は一回しか出ませんでした。生徒の労働で集めた葉っぱです。

  「もっと飲ませろ~。」

  もっと飲みたかった紀子さんです。

 

◎紀子さん、図画工作は不得意です。(中学生時代)

  立体だこを作る授業がありました。材料は学校の裏の林から調達です。

  基本形を教わり、自分の好きな形でOKです。

  最低基準は、飛ぶことです。

  気にいらなければ、林からいつでも調達できます。

  好きな子は張り切って、要となる篠を吟味してます。

  紀子さん得意ではありません。最低限でクリアーを目指します。

  愚痴りながら林に入りました。出来上がったのは、お察しです。

  今では、信じられないお話です。

  「器用さや才能の差があるのだから、材料位平等にして……。

      不平等反対。」

 

◎紀子さん、料理実習です。(中学生時代)

  料理実習は楽しみな授業でした。材料の調達は班の話し合いです。

  ある生徒は、小松菜。こっちの生徒はジャガイモとか。

  家にあるものを各自持参します。

  何もない生徒は、お米とか小麦粉とかになりました。

  学校で用意する物は、肉類とかの傷みやすいものです。

  なんの疑問もなく用意しましたが、後で珍しいことだと知りました。

  でも、おもしろい思い出で今も面白がっています。良い思い出です。

  今では、信じられないお話です。

  でも、微妙に出来上がった量に差がありました。こんもりとちんまり。

  紀子さん、いっぱい食べたかったのに……。


◎紀子さん、結果オーライです。(娘さんの高校時代)

  娘さんの高校は、お弁当持参でした。

  ある日のお弁当の事です。娘さんがお弁当の入っている袋を開けると、

  「何、これー。」

  娘さんは、思わず叫んでしまったそうです。

  お弁当袋から出てきたのは、あるドーナッツ屋の紙袋でした。

  「まさか?」

  とは思いつつ、袋を覗くとまさかの物が入っていました。

  娘さんは、美味しくドーナッツを平らげました。

  娘さんは、お友達に高校時代の思い出としてお話すると、

  大うけするそうです。

  紀子さん、全く覚えていません。忘れています。

  「笑い話になってるから、結果オーライね。」




読んでいただいて、ありがとうございます。

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