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紀子さんの小さな事件簿  作者: 田舎娘
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3/4

3 紀子さんのエピソードは加速します。

◎紀子さん、納得です。(オレオレ詐欺最盛時)

  旦那様の会社でプリプリ怒っている人がいました。

  「親がオレオレ詐欺にあって。」

  それは、それは。気の毒です。でも、

  「俺の親は、息子が痴漢をやるような人間と思ってるんだよ。」

  怒りは、詐欺にあったことより、両親に信頼されていなかったことへの

  怒りだったようです。一同、「なるほど。」

  紀子さんの旦那様が、笑って話してくれました。

  紀子さんも、納得してしまいました。


◎紀子さん、息子さんがオレオレ詐欺にあいます。(オレオレ詐欺最盛時)

  紀子さんの息子さん、ちょっと読みづらい漢字を使います。

  「もしもし、おれ××。あの……。……。」

  小さい声で、聞き取り悪いです。何度も聞きなおします。

  息子さん、やっと、自分のことだと気づきます。

  でも、××ではなく**と読みます。

  とうとう教えてしまいました。

  「××とは読まないんだよねー。」

  途端、電話は切れたそうです。

  「おれ、自分で自分のオレオレ詐欺に遭遇しちゃった。」

  紀子さんの息子さん、笑って報告してくれました。


◎紀子さん、無言電話です。(高校時代)

  紀子さんの高校時代は携帯電話は普及してませんでした。

  紀子さん、電話が鳴ったので急いで出ます。

  「・・・・・・。」

  何も言いません。紀子さんも何も言いません。

  「・・・・・・。」

  時々、かかってきました。無言電話。

  家族会議です。

  「誰かに一目惚れして、勇気ある電話だけど声が出せない。」

  「えー。私は、でたからちがうのー。」

  「姉の私は、まだ無言電話にあえてないから、わたし?」

  「お母さんかも?」

  母の一言に静寂が広がります。父は、お茶を吹き出します。

  家族会議は自然消滅です。

  ある日、紀子さんは、無言電話に遭遇します。すかさず、大声で、

  「おねえちゃ~ん、きたよー。例のでんわー。」

  ドタバタと姉が駆け寄ります。電話は切れていました。

  それ以来、無言電話はたずねてきませんでした。

  紀子さん、何の御用だったのかしら。と、今でも思います。


◎紀子さん、どっちか迷います。(架空請求最盛時)

  紀子さん、携帯電話を忘れて外出します。

  「おい、電話があったぞ。」

  まさかの出会い系サイトの請求です。代わりにでた旦那様

  「たった二日で十五萬円だあ。高いだろう。女房に聞いてかけ直すわ。」

  文句を言ってくれたようです。

  紀子さん、電話をかけます。

  「警察としては、事件になる前だと動けないんです。

  でも、使用したなら 使用料は払いましょう。」

  「消費センターでは、見覚えがあっても、払ってはいけません。」

  紀子さん、見覚えはありませんから、電話もかけませんでした。

  でも、どっちを信用したらいいのでしょうか。

  紀子さん、迷いました。


◎紀子さん、旦那様を殺していたかも(~現在)

  紀子さんの旦那様と旦那様のお父様。

  名前は字も読み方も違うのですが、同じ読み方もできます。

  「○○さん、いらっしゃいますか。」

  お父様の名前でした。セールスの電話です。

  「○○は、亡くなっております。」

  すぐに電話は切れます。

  何回も、何年も続きました。

  ふと、もしかして○○って、

  紀子さん、ずっと、旦那様を亡き者にしていたかも。それでも、

  「○○さん、いらっしゃいますか。」

  「○○は、亡くなっております。」

  紀子さん、この会話を続けます。

  「だって、○○はお父様の名前だもの。」


◎紀子さん、切れました。(子供の受験期)

  紀子さん、電話を取る度、げんなりです。

  大体がセールスの電話です。それも、塾などの子供関係です。

  「△△さんのお母様ですか。」

  「違います。うちに△△はおりません。」

  「中学生のお子さんがいらっしゃいますよね。」

  結構しつこいです。

  「居ますけど、△△ではありません。」

  「なんとお読みするんですか。」

  「名前を間違える方との話はききません。」

  紀子さん、切れました。


◎紀子さん、聞いてみたいものです。(現在)

  紀子さん、またもやセールスの電話を取りました。ネット関係です。

  「ご自宅は、一戸建てですかマンションですか。」

  なぜ、個人情報を電話の向こうの見ず知らずの人に

  教えなければならないんでしょう。

  「なぜ、答えなければならないんでしょうか。」

  プツン。形勢不利だと、挨拶もなしに電話を切られます。

  紀子さん、逆に聞きたいです。

  「詐欺まがいな仕事をしてて、何も感じないの」

  いつか聞いてやろうと思う紀子さんです。


◎紀子さん、第六感はないはずです。

  紀子さん、至って平々凡々です。

  実家に遊びに行きました。叔母様達も集まってました。偶然です。

    【翌朝、祖父が亡くなりました。】

  叔母様と電話をしていましたら、急に泣き出しました。

  父が急激に弱っているようです。

  母は、連絡するほどではなかったらしいのですが、

  次の休日に行くことにしました。

    【次の日、父が危篤の報がありました。】

  義母から初めて義父が検査入院をしたと電話がありました。

  これまで、入院しても連絡はありませんでした。

  紀子さん、旦那様に病院へ行くよう勧めました。

    【その夜、亡くなりました。】

  何か、普通と違うと思ったら、行動しようと思った紀子さんです。


◎紀子さん、光を見ました。(中学生時代)

  紀子さん、二階で就寝です。階段の途中、光が見えました。

  丁度我が家のお墓のあたりです。紀子さんの気のせいではありません。

  車に乗り込み調査開始です。段々と近づきます。

  ですが、すぐに引き返します。

  お墓の近くに養鶏場があります。

  そこの明かりが反射していただけでした。

  理由が判明して、ぐっすり眠れた紀子さんです。


◎紀子さん、広辞苑を毎日活用してます。(結婚後15年くらい)

  紀子さん、娘さんに質問されました。

  「この広辞苑、置くとこ、間違ってるよね。」

  広辞苑は洗濯機の上に鎮座してます。

  「洗濯機が調子悪いの。」

  「なぜに広辞苑?」

  洗濯機は電源のスイッチが押しても元に戻ってしまいます。

  押し続ければ洗濯OKです。そこで広辞苑です。

  「なぜに広辞苑?」

  家の中で、洗濯機の上に乗り重くてスイッチを押せるもの。

  広辞苑って、知識を教えてくれるだけでなく、

  便利グッズでもあったんですね。

  「家は、絶対広辞苑の使い方を違ってる。」

  紀子さん、娘さんのつぶやきに、笑みで答えました。


読んで頂いてありがとうございます。



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