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紀子さんの小さな事件簿  作者: 田舎娘
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4/4

4 紀子さんは、まだまだ健在です。

◎紀子さん、深夜が好きです。(子供が幼少期)

  紀子さん、夜型です。だから、朝が苦手です。旦那様に

  「起きられないんだから、早く寝ろ。」

  と、怒られます。でも、

  子供を寝かしつけ、旦那様を寝かしつけた後からが

  紀子さんの、紀子さんだけの静かな時間です。手放せません。

  紀子さん、深夜が好きなのは、今もです。


◎紀子さん、宇宙と交信です。(二十歳過ぎてから現在)

  ある時から、耳の中で音がしだしました。

  それは、「ビー」っもあれば、「ヴィー」だったりいろいろです。

  蝉のような鳴き声もあります。突然なりだします。

  紀子さん、宇宙の交信と命名しました。

  ある日、耳鼻科へ診療に行きました。

  「耳鳴りは?」

  「あれこれ、しかじか。」

  宇宙からの交信とは言えません。

  「うん。耳鳴りだね。耳に反響するような耳鳴りでなければ大丈夫。」

  紀子さん、未知との遭遇をあきらめました。


◎紀子さん、処世術を学びます。(第一子出産時)

  紀子さん、娘さんを出産しました。

  病室には他の人の旦那様も我が子を見に現れます。

  その時、年配の女性の看護師さんが、

  「まあ、お父さんそっくりねー。」と言っていました。

  紀子さんには、似ているとは思えませんでした。

  その看護師さんは言います。

  「母親はね。自分の子だと100%信じられるけど、父親は違うのよ。

   だから、そっくりって言われれば嬉しいのよ。

   似ていなくてもそう言ってあげなさい。」

  紀子さん、なるほど。

  それ以降、赤ちゃんの誉め言葉は

  「お父さんにそっくりね。」になりました。


◎紀子さん、息子さんの成長に感激です。(息子さんが幼稚園の頃)

  本日、雨です。同じマンションの子が二人、遊びに来ました。

  遊ぶ様子を家事をしながら聞いています。

  「お前は、あっちに行ってろ。」

  不穏な言葉が聞こえてきました。お前って、息子さんのことのようです。

  紀子さん、うちに遊びに来て、なんてことを。ちょっと、怒ってます。

  息子さんのピンチに口をだそうとしたら、なんと

  「お母さんは、あっち行ってて。」

  涙いっぱい溜めて拒否されました。二人は、帰ってしまいました。

  紀子さん、五歳の子が、

  自分で事態を乗り越えようとしたことに驚きです。

  「こうして、成長していくんだなあ。」

  紀子さん、息子さんの成長に感激しました。



◎紀子さん、ちょっと喪失感です。(子供が大学時代)

  紀子さんと旦那様、結構口喧嘩が多いみたいです。

  喧嘩が始まると、

  子供たちがサッサと自室に行ってしまうことに気が付きました。

  時には、味方をしてほしいのに……。

  「どうして、部屋にこもるのよ。」

  紀子さん、子供たちに文句たれます。

  「だって、巻き添えは嫌だし。」

  もっともです。でも……。

  子供は、常に母親の味方だと思い込んでました。

  紀子さん、ちょっと、喪失感に苛まれてます。


◎紀子さん、忘れられません。(子供が大学時代)

  息子さんが大きくなり、憎まれ口をたたきます。

  「小さい頃は、『おかあた~ん、大好き』って、

   抱きついてきたくせに。」

  「あたりまえだろ。小さい頃は、みんな母親が好きなの。

  小さい時に嫌われている母親なんて、とんでもない親だよ。」

  正論です。でも、

  紀子さん、『おかあた~ん、大好き』が忘れられません。

    

◎紀子さん、猫ちゃんと就寝です。(子供が大学時代~現在)

  ある日の夜。紀子さん具合が悪く、トイレにこもっています。

  旦那様も子供たちも、チラッとトイレを覗いて就寝してます。

  優しい言葉を期待しているわけでは、無いけど……。

  トイレを抱える紀子さんに、

  「ニャ~。」

  心配そうに声を掛けてくれるのは、愛しい猫ちゃんだけでした。

  紀子さん、猫ちゃんを抱きしめ、お休みです。


◎紀子さん、癒されてます。(現在)

  紀子さん、ある木の実が嫌いです。

  それなのに、旦那様が、その木を買ってきました。

  「私、それ嫌い。」

  旦那様、驚いてます。

  でも、庭に植えました。

  その木の植えたところは、リビングから良く見える場所です。

  翌年から、ある時期になると、

  可愛い小鳥さんたちが集まる木になっていました。

  紀子さん、その光景にちょっと、癒されてます。


◎紀子さん、ひまわりです。(現在)

  紀子さん、リビングから見えるところに、ひまわりを植えました。

  背の高いひまわりでは、台風で倒れそうなので、背の低いひまわりです。

  見事、咲きました。小鳥もうれしそうに周りを飛んでます。

  それを眺めて、悦に浸っていました。

  「種もいっぱい採れそうだから、来年も期待できるわね。」

  そろそろ、種を集めようとしました。

  なんと……。ひまわりの種は、全て空でした。

  「あの小鳥たちの……。」

  種の殻が見事に所狭しと、ひまわりの足元にびっしりです。

  ちょっと、悲しいけれど、

  「小鳥たちが、美味しく食べていたから、いいか。」

  でも、

  紀子さん、それ以降、ひまわりは植えていません。


◎紀子さん、気付きました。(現在)

  紀子さん、結構一人が好きです。人に気を遣うのが億劫です。

  ですが、紀子さんのお仕事は、接客業でした。

  「お金が関わると、出来るのよ。その分、私生活では、面倒くさい。」

  「現金ね。」

  と、言われていました。

  どうしてかと疑問に思っていました。

  だって、紀子さん、ファミレスとか大好きです。

  一人が好きなら家に閉じこもっていればいいんです。

  あるコマーシャルで解決しました。

  『一人が好きだけど、孤独は嫌い。』

  これです。

  紀子さん、自分の気持ちに気付きました。


◎紀子さん、便利なのに不便って、どうなんでしょう。

                     (週休二日になった頃~現在)

  紀子さん、サービス業は、休日営業すべきと思っています。

  特に、お役所関係。銀行もです。

  週休三日でもいいから、休日営業すべきです。

  あるいは、シフト制にして対応してもらいたいものです。

  今は、ネットも利用できますが、出来ない人はどうなるのでしょうか。

  ネットが苦手な人は、四苦八苦して、

  便利なのに不便って、どうなんでしょう。

  紀子さんは、思うのです。

  






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