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手術の話

今年に入って3度目の手術でした。自分ではなく母がですが。


今回の病院はわたしも入院した事のある病院である。次男の出産時だったが、あの頃と病棟は変わっていない。つまり古い。

現在、少しずつ建て替えているのでそのうち綺麗になるのだろうが、何しろ古いせいなのか隣のベッドとの距離が近い。荷物を整えていたら、向かいのベッドのおばあさんのつぶやく声が呪文のように聞こえていた。

「自分なんてもう生きていても仕方ない。はよぅあちらへいきたい、迎えにきて欲しい」


と言うようなことをぶつぶつと呟き続けるのだった。

ちょっと怖いので、声を遮るためにテレビカード買ってこようか?と、母に尋ねたほどだ。



++


カテーテル手術で入院した病院は新しく、部屋も綺麗で広かった。

ついでに付き添いとか面会とか時間が決まっているとはいえ緩くて、寧ろ付き添ってあげて欲しいと言われたくらいなのだが、今回の病院は面会時間が1日30分と決められていてしかも同行2名のみ。

誰かと行く予定は夫以外はないけれど、弟は来るだけで片道2時間ほどかかるので来なくていいよと言っておいた。母は弟に来て欲しがっていたが彼には仕事がある。


ステージ1で転移もなく、切り取る部分も最小で済む手術。予定時間は2時間だ。麻酔を考慮しても2時間半。早めに病院へ行って、先生からの連絡を待った。Apple Watchとスマホで、かかってきた電話は逃がさない体制を整えた。


待機場所は一階エレベーターホール前の椅子に決めた。手術室は2階なのだ。

一階の椅子に座り2時間以上待機した。いつ連絡が来ても良いように。すぐに手術室へ行けるように。


その間に、左隣に座ったマダムが徐に焼きそばパンを食べ始めても、右隣に座ったお兄さんがコンビニコーヒーを飲み始めても、動じなかった。病院独特のニオイが緩和される気がしたのだ。

すぐそばにコンビニがあって時間的にお昼だからどんどん人が入っていく。そして駐車場へはこのエレベーターホール前を通らねばいけないので、とにかく人の流れが多い。

車椅子の人、ベッドを押す看護師さんたち、妊婦さん、ギプスの人、老若男女が通り過ぎてゆく。

そんな人たちをぼうっと眺めて、先生からかかってくるであろう電話を待っていた。


漸く12:30に電話があり、いまどこ?って聞かれた。待ち合わせしてる人みたいだ。

一階のエレベーターホールにいますと答えたら、2階の手術室へあがってきてと言われた。


++


「今なら触り放題だよ」と言われ手袋を渡された。母に触れるのに何故?と考えていたら、触らされたのは切り取った患部だった!

疾患のある部分はカチカチだった。あと、色々と説明されたけれど、なかなか衝撃的で、あの感触は忘れられないだろうなあと思う。


写真を撮ってもいいよと言われたけれどご辞退させていただいた。見せる人いないし。

なんとなくだけど、夫も弟も見たくないだろうと思う。血やそういう切り取った部位を怖がる男性は多い。そういったところ、女性の方が強いと思う。が、他人に見せるわけにもいかない、息子達も嫌がるだろう。


そうやって患部の確認をさせるのは、医療ミスを懸念する患者対策なのかなと思った。確実に患部を取りましたと目視させることで、納得させるのかもしれない。

母の場合は諸々の検査で転移が認められなかったので、そこだけを切れば良かったから、親指の第一関節くらいの癌を少し大きめに切り取ったのを確認して、なんかちょっとホッとした。


今日はICUで明日は病棟に戻る。

明日から行ける時は30分でも顔を見に行ってあげよう。







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