表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
通りすがりの陰陽師2  作者: チャーハン・神代
72/109

七十二、格が違う

「…優菜、か?」


 ウチの呟きに、狐は口元に手を置いてクスリと微笑んだ。


〈ふむ。上手くいった様じゃな。…何を鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をしておる。わらわは正真正銘、紡殿のよく知る慶雲寺優菜じゃ。〉


「…またむちゃくちゃなチート陰陽術開発しよって。」


 状況を理解したウチは、そう言って苦笑いした。


「で?どう事情が変わったんや?」


〈紡殿も薄々は勘付いておろう。あの化け蛇…どうやらわらわにしか倒せぬらしい。少々残念じゃが、怨念集めはお預けじゃ。〉


「ふん…。それで?どうするんや?」


 笑みを浮かべてそう尋ねると、優菜は愉快そうにウチへ微笑み返した。


〈決まっておる。こんな楽しいお遊びの当事者になれるなど…願ったり叶ったりじゃ。〉


 優菜は腕を持ち上げ、暴れ回る大蛇を囲む様に狐火を放った。


『馬鹿め!それは私には効かぬと…。!?』


 大蛇は自分の出した炎で、再び狐火を呑み込もうとしたが、狐火は逆に赤い炎を呑み込み、一回りも二回りも大きくなった。

 その様子を見て、優菜はニヤリと笑みを浮かべる。


〈何を驚いておる。術者がわらわに変わったのだから、わらわの力が上回ることなど当たり前じゃろう。〉


『な…に?』


〈蛇よ。わらわはここ最近、もっと駒が欲しいと思っておったのじゃ。わらわの命に忠実に従う駒がの。丁度良い機会に現れてくれたこと、感謝する。〉


『駒…だと?』


 青白い炎の中で、苦しみ悶えながら大蛇は必死に抵抗する。


〈無駄じゃ。やめておけ。お主の炎では、才蔵の炎を上回ることはできん。〉


『何を…つい先刻の出来事を否定する気か!』


〈それは選ばれし陰陽師の制限があるが故。お主の赤き炎は…せいぜい1800K。才蔵のこの青き炎は、およそ16000K。お主が先程言った様に、格が違うのじゃよ。〉


『なっ…。』


〈わらわがこやつを手放さぬのは、戦闘能力、知力、適応能力が非常に優れておるからじゃ。私が使えぬ駒を、わざわざ数十年たもとに置いておくように見えるか?〉


『ひっ…!』


〈祓い給い、清め給え。〉


 炎に囲まれ逃げられなくなった大蛇に向かい、悪そうな笑みを浮かべた優菜が手をかざす。


〈神ながら護り給い、幸え給え。〉


 優菜の掌の前に五芒星の描かれた円が浮かび上がり、現れた五芒星がぐるぐると回転する。


〈六根清浄。〉


 五芒星の印が光り彼女の手の中に、不思議な形をした水晶が現れる。


〈急急如律令!〉


 ドッという衝撃と共に、五芒星の描かれた円が大蛇へと飛んでいく。


『ッ…ギャァァァアアア!!!!!!』


 叫び声と共に大蛇は爆散し、キラキラと光を放ちながら、空を覆っていた黒雲を払い退けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ