百四、ディスプレイ越しの再会
「じゃーん!!」
泣き疲れていつの間にか寝てしまっていた日の翌日、茉恋さん、風磨さん、仙太郎さんが当番を交代しにやってきた。
割と大きめのテレビを、小脇に携えて。
「…あの、茉恋さん。なんでテレビ?」
「だってこれからここにいる時間、もっと長くなるだろ?寝る前とか見れたらみんな喜ぶかな〜なんて。」
そう言って茉恋さんは、得意げに笑った。
気持ちは嬉しい…ケドいくらなんでもデカすぎでは?稼いでるから凡人と金銭が違うのだろうか。ここの神社感どんどん無くなってきてるし。あ、いや、ていうかそもそも…。
「茉恋さん、ここってそもそも電波入るんですか?」
「その辺は優那さんが色々やってくれて、電波入るようにしてくれたから大丈夫!観れるよ!!」
「あの人一体何者ですか!?」
「えっと…、テレビ置くのここでいいですかね?」
私の驚きを軽くスルーして、重そうなテレビを顔色一つ変えずに片手で持ち、部屋の隅に行っていた風磨さんがそう尋ねた。
横にいる仙太郎さんは、「余計なものを…。」とぶつぶつ呟いている。
「あ、いいよ。そこにして。」
「あれ、風磨さんコードとかも繋げなくていいんですか?」
「うん?あぁ、そうみたいだよ。凄いよねぇ、優那さん。僕もあれくらいなんでもできたらいいのになぁ…。」
ちょっぴり切なそうな顔をして、風磨さんがテレビの電源を入れる。
『ーーが最期の時を迎えたとされる空印寺。最近、この近辺にゲリラ的に現れる、よく当たるとネット上で話題の占い師と、当番組はコンタクトをとることに成功した。』
朝の情報番組が映し出され、リポーターと仮面で顔を覆い隠した女性がやりとりをしている。女性の目の前にある簡易テーブルの上には、大きな水晶玉が置かれており、いかにもと言った雰囲気の空間が画面の向こうに広がっていた。
「へぇ。今時いるんだねぇ…こんなベッタベタな感じの占…。」
ーーガタンッ。
「えっ…?」
「そんなはずは…でも間違いない。…しかし…っ。」
興味なさ気にしていた仙太郎さんが、突然テレビに駆け寄り、画面を食い入るように見つめている。
「あの…どうかしました?」
風磨さんが心配そうに仙太郎さんの顔を覗き込んだ。
「母上…?」
「「「えっ?」」」
「…仮面で大部分隠れてはいるが…この目鼻立ち。いや…。しかし…他人の空似にしてはあまりにも…。」」
仙太郎さんが肩を震わせ、私たちの方へ向き直る。
「この占い師は…私の母だ。」
「「「…えぇぇぇぇええ!?」」」
シンクロした3人の驚きの声が、陰陽神社と秋の空に響き渡った。




