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百一、笑う猫
『…ふぅん?そう、あの子の忘れ形見が…。』
夜の闇に包まれた屋敷のとある一室。蝋燭の小さな灯りにぼんやりと照らされ、やけに肩の露出度が高い着物を着た女が、妖艶に笑った。
『面白いことになりそうね…。ねぇ、あなたもそう思わない?』
目の前で頭を垂れる人影に、女は甘えるようにしなだれかかる。
ただその女には、普通の人間と異なる点がいくつかあった。頭部にピンと立ったもふもふの耳、わくわくしているかのようにくねらせている長い尾、そして暗がりでも鋭く光っている眼光。
『それじゃあ…たぁっぷり可愛がってあげなくちゃね。』
女はねっとりと絡みつくようにそう言い、ペロリと舌なめずりをした。




