↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/106

恵まれた環境?

 開始の合図の直後、ユウナは俺たちに打ったのと同じ魔法を放ち、対戦相手を一瞬で戦闘不能にさせた。観客からしてもユウナの手元が光ったくらいの印象なのではないだろうか? あの魔法はえげつなく早いから、一般の人たちには到底見えないだろう。


「今日一の大歓声だね。ユウナすっごい目立ってるけど…………」


「いいんじゃないか、ユウナが目立つ分には俺たちに影響はないだろ?」


 ユウナはこの大歓声に興味もないのか、さっさと待機場のほうへと引っ込んでいった。やばい早く迎えに行かないと怒られる。まさかこんなに速攻勝負がつくと思わなったから一回帰ってきたんだよな。


「それじゃ、ユウナを迎えに行ってくるわ」


「センヤさんがユウナをおんぶして帰ってくるところを観客に見られたりしたら大騒ぎになるかもしれませんね。頑張ってください」


 言われてみれば、今の試合で注目を浴びたユウナをおんぶして帰ってくるとなると、俺まで目立ってしまう。何がユウナが目立つ分には俺たちには関係ないだ。超関係あるじゃん。それでも迎えに行かないわけにはいかないのでとりあえず俺は急いで待機場へと向かった。




「遅いわよ、なんでここで待ってなかったのよ」


「まさかこんな早いとは思わなかったんだよ。別にいいだろ、ちゃんと迎えに来てるんだから」


「まあ、いいわ。私は今の試合で疲れたから早く戻りたいわ」


 俺はユウナをおんぶし、できるだけ一目につかないように急いで戻った。


「おい、あれさっきの女の子じゃねぇか。なんでおんぶされてるんだ?」


「ほんとだ、あれ見ろよ。こんな堂々とイチャイチャするなんてやるなあいつら」


「なんだよ、あの男は。うらやましすぎるだろ」


 誰にも見つからずに帰れるわけもなく呆気なく観客たちに見つかってしまった。別にイチャイチャしてるわけじゃないんだけど…………確かにユウナはかわいいが、性格があれだからな。それに体力なさすぎるし。


「ちょっと、センヤ何見つかってんのよ。早く行きなさい」


「無茶言うなよ。この会場にどれだけの人が集まってると思ってるんだ」


 ユウナに文句を言われながらもなんとかテリアたちもとへ帰還することに成功した。


「ユウナほんとにすごかったよ。対戦相手の冒険者が可愛そう、なにもする暇もなかったもんね」


「当然よ、でも少しでも早く試合を終わらせたかったからってつい大人げないことをしちゃったわ」


 大人げないとかいうレベルの話じゃないだろ。対戦相手のがり勉メガネの冒険者絶対何が起きたかわかってないぞ。気がついたら医務室とかかわいそうだろ。


「見ろよ、あれ。さっきの男四人も女の子侍らせてるぜ。かっ、いいご身分なこった」


「しかもあれモエナ姫じゃないか。一国の姫まで手を出してるとかえげつねぇな」


「うらやましすぎるだろ」


 めんどくさいって、誰がこの四人を侍らせてるだよ…………俺なんて迷惑かけられっぱなしだぞ。どれだけ俺が振り回されてるか知ってほしいもんだ。この大会だって出る気まったくなかったっていうのに。


「そうですよ、センヤさんはこんな美少女を四人も連れて、もっと幸せそうにしてください。どれだけの幸運だと思ってるんですか?」


「知るかそんなこと。俺が望んでこの状況を生み出したわけじゃないんだから」


 美少女なのは認めるが今の状況が幸せかと言うとそれは違うだろ。おんぶ以外に大したイベントも起きてねぇよ。俺は確実に美少女をおんぶできるということよりもでかいデメリットを負ってるはずだ。


「侍らせてるっていい方が気にくわないわね。まるで私たちがセンヤよりも下みたいじゃない」


「よそから見たらそう見えるんじゃないかな。対して気にすることもないと思うよ」


「私は姫なんだから、もっともっと特別扱いしてくれていいからねっ!!」


 モエナだけ意味わからないことを言ってるんだが…………今回もモエナのために優勝しようとしてるだろ。


「なにはともあれこれで全員一回戦突破ですね。二回戦も気を抜かずに頑張りましょう。この調子でいけば全員が各ブロックを勝ち残るのも夢じゃありませんよ」


「どうだろうね、一緒のブロックにSランク冒険者が居なかったら可能性はあると思うけど…………次ちょっと確かめてくるよ」


 俺とユウナ以外はSランク冒険者と当たった時点で厳しいもんな。かくいう俺たちもあのしょぼいのしか知らないからな。Sランクの上位ともなれば化物みたいな強さのはずだ。できれば当たりたくないな。


「私は誰が相手だろうと負けないわよ。Sランク冒険者なんて関係ないわ」


「私もそういえたらいいんですが正直荷が重いです。できれば当たらないよう祈ります」


「心配するな、テリアが負けても俺が敵を取ってやるよ」


 まあ、テリアがやられたりしたら本当に試合に乱入するかもしれないがな。それか、そいつと当たったときに勢い余ってやっちゃうかも。


「でも、今回の大会には二人しかSランク冒険者は出場してないみたいだから勝ち残らないとそうそう当たることは無いよ」


「私は戦ってみたいかも、どれくらい通用するか気になるし」


 モエナは向上心があっていいな。俺がモエナの立場なら絶対に戦いたくないわ。




 結局この日は誰もSランク冒険者とは当たることなく、無事三回戦までを終えることができた。明日でブロックの勝者が決まり、最終日で決勝トーナメント、さらに統一の優勝決定戦が行われる。ほんとにこの三日は忙しすぎるな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。