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祝勝会

「いやー、全員が三回戦突破出来てほんとによかったです。この調子ならブロックを突破するのも夢じゃありませんよ」


 テリアの言う通り、まさか本当に全員が初日を生き残れるとは思っていなかった。テリアなんて下手したら一回戦で負けるかもと心配してたのに、蓋を開けてみればこの結果だ。やっぱり俺たちのパーティはかなりのレベルだったんだな。


「当然よ、まだ初日よ。負けるわけにはいかないわ」


「ユウナはそうかもしれないけど、私たちからしてみれば十分頑張ったほうだよ。運もよかったかもしれないけど…………でも明日からはこうはいかないね。勝ち残ればそれだけ強い冒険者と当たることになるから」


 うーん、明日でブロックの勝者を決めるんだから、相当強い冒険者ばかりになるだろうな。やっぱりその辺になってくるとAランク以上の人だらけなのだろうか?


「みんなはまだいいよぉ。私のブロックなんてSランク冒険者がいるんだよ。私は確実に明日消えちゃう…………センヤ、敵は取ってね」


「頑張れば何とかなるかもしれないだろ、戦う前からあきらめるなよ」


 モエナがこんなに弱気なのはかなり珍しい気がする。ていうかモエナのブロックにSランク冒険者いたんだ。そうなると、あと一人どこかのブロックにいるってことだな。やっぱり決勝トーナメントまで行けば当たるんだろうな。頑張ろう。


「そうです、まだ負けると決まったわけではありません。ここで勝てばモエナの実力はSランク冒険者と同等以上と言うことになりますから。私たちのパーティの宣伝にももってこいです」


「いや、実際厳しいと思うよ。私たちなんてセンヤが軽く倒したジェラにすら勝てないと思うから。ジェラ以外のSランク冒険者なんて当然無理もいいとこかな」


「なによ、あんたたちは。そんなもの気にしなくていいのよ。ぼこぼこにすればこっちの勝ちなんだから」


 ユウナはあほか、実力で負けてるのにどうやってぼこぼこにするんだよ。返り討ちに遭うだけだわ。


「うん、私も頑張るよ。私、今回は負けられないしね」


 もしそのSランク冒険者がそのまま優勝すればモエナはそいつのパーティに入るかもしれないということか。それはモエナも複雑な気持ちになるだろう。心配しなくても俺かユウナが優勝してやるよ。




 城へ帰りつくと、入り口の門で大勢のメイドと執事が出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ、今日は皆さんが、いえ、特にモエナ様が三回戦を突破したことを我々一同心から喜んでおります。なので今日は特別に豪勢な料理を用意しております。どうぞ」


 一番年齢のいってそうな、執事の一人がそういった。

 豪勢な料理か、それは楽しみだな。


「いい心がけです、明日も豪勢にお願いします」


「気が利くじゃない、褒めてあげるわ」


 だからこの二人は毎度何様なんだよ。びっくりするわ!!




 その後執事が言っていた通りの豪勢な食事を食べながら俺たちは明日の大会のことについて話すことにした。


「センヤさんとユウナは突破確実として、私たちのほうのブロックには有力な冒険者はいましたか?」


「そうだね、私とテリアのブロックにもAランク冒険者はいるけど、何とかなるくらいかな」


 やっぱりAランク冒険者は倒せないとブロックの突破は厳しそうだ。ナチュラルに俺たちにプレッシャーをかけてくるのやめろよ、明日胃に来たりしたらどうするんだ。


「テリアは相手の強さがどれくらいかわかるんじゃなかったの? 大会に出てる冒険者全員を見れば勝てるかなんて一瞬でわかるじゃない」


「あんなに大勢の人がいるところだと疲れるんですよ、それに私は自己強化に魔力を回さないといけませんから無駄に消費をしている余裕はありません」


 相手の力を測るのは無駄ではない気がするけど…………。まあ、どうせ戦うことには違いないし、知る必要はないのかもな。戦法なんかが知れるんならともかく、漠然とした強さだけ分かっても意味がないのかもしれない。


「私も全試合を見ているほど暇ではありませんから、把握していない冒険者が多いんですよ」


「テリアは出店でいろいろ買ってるからだろうが。弁当持ってきたのに結局なんか無駄に買ってたしな」


「あんなにお店が出ているのに行かないなんて選択肢はありませんよ。どちらかと言えばお店を出してる人が悪いんです」


 それはあまりにも無茶苦茶すぎる。ユウナとモエナもまともに試合を見ているとも思えないし、こうなれば頼りになるのはルリだけだな。


「ルリはちゃんと試合見てたよな? どうだ、やばそうなやつはいたか?」


「ごめん、自分の試合のことばかり考えててそこまでの余裕はなかったんだ」


 おう、これは駄目な奴だ。今日一日会場にいたが誰一人情報収集していなかったようである。


「そういうセンヤはちゃんと見てんでしょうね?」


「俺を誰だと思ってるんだ。毎回毎回どっちの試合を見ようか悩んでたら試合終わってたよ」


 自分で言ってて恥ずかしい。あまりにもあほすぎる。俺人のこと言えるような立場じゃないなこれ。さっきまで偉そうに聞いたりしてほんとにごめんなさい。


「対戦相手のことなんて調べても意味ないですよ、明日も今日と同じように頑張っていきましょう」


「そうだな、本気で戦えば大丈夫だよな」


 結局何の対策を立てることもできず作戦会議は終了した。明日の俺、頑張れ。

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