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ちょっと待ってくれよ

 王都へと戻ってきた俺たちはまずギルドを目指した。本当はすぐにでも横になりたいところだが、クエストを達成したことで、王都へ留まる理由もなくなったのでさっさと報告を終わらせておく必要がある。


「この金貨どうしますか? ギルドに渡したらお金に交換してくれるんでしょうか?」


「どうなんだろう? 私も初めてだから、ちょっと分からないや」


「ここはギルドの本部よ、なんでも換金してくれるでしょ。このまま持ってても特に意味はないし、とりあえず金貨の話をしてみればいいんじゃないかしら」


 このまま手元に持っていたところで、お金として使えるわけではない。それならば早く、お金に交換してもらったほうがいいのは納得だな。



 ギルドへ着いた俺たちは受付のお姉さんにクエストを達成したことを報告することにした。


「ギルドマスターからのクエストを達成したんですけど」


「チームセンヤの皆さんですか、早かったですね。もっと時間がかかるものかと思っていました。ギルドマスターに確認を取りますので、少々お待ちください」


 いつものようにギルドマスターの部屋に通された。この部屋ってこんなに頻繁に入るものなのか?


「早かったのう。まさか二日で攻略を終わらせてしまうとは驚きじゃ」


「昨日は違うクエストに行ってたので、ダンジョンに行ったのは今日だけです」


 テリアが一日で終わったものを二日かかったことにされるのは嫌なのか、しっかりと訂正していた。


「なんと!? あのダンジョンを一日でじゃと! まったく大したもんじゃわい。それで、魔王軍のモンスターは?」


「それならいませんでしたよ。十九階層が最下層でした」


 テリアは驚いているギルドマスターのことは気にせず、どんどん内容を報告していっている。


「あの巨大ギガマンティスは倒したか? エンペラーゴーレムに比べれば雑魚モンスターじゃったから伝えんでもよいかと思って伝えてなかったんじゃが」


「あれはやばかったです。ユウナとセンヤさんが居なかったら死んでました」


 エンペラーゴーレムがいくら強かろうと関係ないだろ。あいつも明らかに他のモンスターとはレベルが違ったぞ。本当に俺とユウナが居なかったらどうなってたことか…………でも俺とユウナがパーティから離れることは無いと思うけど。


「あれはおかしいわ。追加報酬をもらわなくちゃ割に合わない」


「まあまあ、それにしても魔王軍のモンスターはいなかったのじゃな。これでひとまず安心じゃな。ギガマンティスはちゃんと討伐したんじゃな?」


「当たり前よ、再生能力を持ってたけど、消し炭にしてあげたわ」


 ユウナが完全に自分の手柄みたいに言っているがユウナは最後の後始末をしただけだろうが。今回は俺が倒したようなもんじゃないか。


「あいつにはほんとに困っておってな、いくつものパーティがあいつに壊滅させられたもんじゃ。しょうがないのう。報酬はたっぷり払ってやるわい」


「ありがとうございます。それと最下層に宝箱があって中に大量の金貨が入っていたんですけど、これはギルドで換金してもらえるんですか?」


 これで報酬はもらえることになったが、確かに金貨のほうはどうなんだろうか?


「どれ、ちょっと見せてもらってもよいか?」


「これです、どうぞ」


 テリアが自分の収納魔法から一枚金貨を取り出し、ギルドマスターに手渡した。


「これは!! とんでもないものがあのダンジョンにあったもんじゃ。これは初代国王が初めて作った金貨じゃわい。わしも実物を見るのは初めてじゃ」


 そんなにすごいものなのか? これはひょっとしていきなり億万長者になっちゃうやつか? そうなったらわざわざ危険なクエストに行く必要もなくなるな。


「一枚いくらぐらいになりますか? ざっと千枚は持ってますけど」


「そんなに持っておるのか? ギルドの手にはおえんのう。それこそ国王に直接渡したほうがよさそうじゃわい」


 国王に買い取ってもらうということか? そんなことしてんのか? でもこれは初代国王が作った金貨と言うことだし、今の国王にも無関係と言うわけではないな。


「そうですか。それなら国王のところに持っていってみるしかないですね。それでは失礼します」


「ちょっと待つのじゃ、おぬしたち冒険者の頂点を決める大会には興味はないかのう。もうすぐ王都で開催されるのじゃが…………」


 大会だって、そんなもんまでやってるのか冒険者は。暇にもほどがあるだろ。


「なにか商品とかはもらえるんですか?」


「当たり前じゃ。優勝したものには個人と所属しているパーティにも報酬が出ることになるぞ」


 個人だけじゃなくパーティにまで出るのか。それだとパーティメンバーの誰が優勝したとしてもメリットはあるな。ユウナに任せとけば優勝してくれそうだけど。


「それなら、私たちのパーティからはユウナとセンヤさんに出場してもらいましょう。二人で一位と二位を獲得してもらえば報酬も大量です」


「それなのじゃが、魔法戦とそれ以外では別でな、最後に二つの優勝者が戦うことになるのじゃ。つまり二人が戦うことになったとしても統一の優勝決定戦じゃな」


「それは好都合ですよ。すべての優勝をもらっていきましょう」


 勝手に出る流れになっているが普通にめんどくさい。ユウナだけでも十分報酬もらえそうだけど。


「私は嫌よ、そんな面倒なこと」


「俺もだ、全然出たくない」


 嫌がる俺たちのほうをテリアは一度見ると、まったく知らんぷりをし、


「それでは二人のエントリーお願いします」


 それだけ言うと、取り消そうとする俺とユウナを引っ張って部屋の外に連れ出した。いくら報酬がもらえるからって強引すぎるだろ。

 

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