それ俺たちの手柄だよな
朝、目が覚めると俺の布団の中にユウナが…………とかいうイベントは普通に発生していなかった。
今日はいつも通りの時間に起きれたのでユウナよりも先に起きることができた。最近は寝坊しがちだったから、久々にちゃんと起きれたような気がする。
まだスースーと寝息を穏やかな寝息を立てて眠っているユウナに目が行った。ユウナの寝顔をまともに見る機会って今までほとんどなかったな、そういえば。普通はそんな機会ないんだろうが…………。それにしてもこいつはやっぱり美人なんだよな。おっと、あんまり見てたらばれたときが怖い。このあたりでやめて起こそう。
「ユウナ、起きろー。早くクエストでも行こうぜ」
「…………ふぇ」
どこから出しているのかよくわからない声を出したかと思うと、ゆっくりと体を起き上がらせた。
「もう朝なの? まだ眠たいわ」
「しっかりしろよ。家自体を買えるくらいにはお金はたまっただろうけど、もっとためればそれだけいい家が買えるだろ」
「そうだけど…………ふぅ、わかったわよ。準備するから廊下出てて」
廊下で待つこと数分。
「準備できたわ、それじゃあ行くわよ」
「思ったよりも早いな。とりあえずテリアたちのほうに行くか。俺がいきなり入ったりしたらまずいだろうからユウナ頼む」
「仕方ないわね。ちょっと待ってなさい」
ユウナは自分の部屋に入るが如く、まったく気にするそぶりも見せず入っていった。
はあ、なかなか出てこないな。もしかして全員寝てたのか? 突っ立って待ってるの退屈だな。
「まさか三人とも寝てるとは…………おかげで起こすのに苦労したわ。まったく朝くらい一人で起きれるようになりなさいよ」
出てきたと思ったら、三人に向かって説教している。ついさっき俺に起こされてただろうが。本当に調子のいいやつだ。
「今日はどうする? やっぱりクエストに行くか?」
「クエストに行こう。私ずっとあこがれてたんだ。ついに私もクエストに行く日が来たよ。あー、楽しみだなぁ」
「モエナがこう言ってるがいいか?」
三人もクエストに行くつもりだったのか、何の文句も出なかった。まあ、ほかにすることもないだろうしな。
「じゃあ、飯を食ってギルドに行くか」
今日はモエナの初クエスト記念日となった。ここはクリアしていい思い出にしてあげたいな。今まで失敗したことないからそんなに心配しなくてもいいが。
少し久しぶりにギルドに入ると、内装がなんか豪華になっていた。明らかにこれは変わっている。前までは受付カウンターも使い込まれ年季の入った木製だったのが、新品に変わっている。ほかのところもそうだ。ピカピカしている。俺たちが王都へ行っている間に何があったんだ? ただ単に改装しただけか?
「すごいですね。いつの間にかすごく綺麗になってます」
「ギルドって意外にお金持ってるもんね。こんな金があるんなら私たちに報酬払ってもよかったんじゃない?」
「ほんとだね。そんなふうには見えなかったけどね」
モエナ以外の三人も気が付いたようだ。これだけ盛大に変わっていたら流石に気づくだろうが。
「どうしたんですかこれ? お金かかったんじゃないですか?」
気になり、クエストを選ぶ前に受付のお姉さんに聞きに行った。
「あ、チームセンヤの皆さんじゃありませんか。もう王都から戻ったんですね。えーと、この内装についてですよね…………実はエンペラーゴーレムを倒したことでフォーリスからギルドに対して謝礼が出たんですよ。そのお金で思いっきりやっちゃいました」
「俺たちフォーリスから報酬なんてもらってませんよ」
「国王からもらったじゃないですか。ギルドには国王からではなくフォーリスから出たわけですよ」
おかしい、俺たち以外はエンペラーゴーレムと戦ってすらいないはず、それなのに報酬が出るだと…………。俺たちは冒険者だからそこのおおもとであるギルドにもってことか? それにしてもそのお金で内装をやりかえるとか……もう少し、ここのギルドからも報酬もらってもいいんじゃないか俺たち。
「おかしいでしょ、私たちが倒したのよ」
「そうです、ユウナの魔法で倒したんです」
「まあまあ、そんなこと言っても仕方ないよ」
ユウナとテリアは予想通りの反応だな。ルリは止めて偉いぞ。それとモエナは楽しそうにクエストを選んでいる、びっくりするほどマイペースだ。
「もうやめとけって、そんなこと言ってるよりクエストで稼いだほうがよっぽどいいだろ」
「そうだよ、二人とも」
お姉さんも困っている様子なので、仕方なく俺も二人の鎮静化を計った。
「今度こんなことしたらギルドごと吹っ飛ばすから」
「私も手を貸しますよユウナ」
「なに馬鹿なこと言ってんだよ。ほら、モエナがクエスト選んできたみたいだぞ」
モエナがクエストの紙を持ってこっちに駆け寄ってきた。うん、すごい笑顔。そんなにクエストに行けるのがうれしいんだろうか。
「私このクエスト受けたいな。いいでしょ?」
そういってモエナは俺たちにクエストの紙を見せてきた。




