モエナ正式加入
「そういえばモエナってなんで冒険者なんてなろうと思ったんだ?」
「大した理由はないよ。強いて言うなら楽しそうだったからだね。私はいつも立派な王女になるための習い事ばかりさせられてたから……」
習い事漬けの毎日は確かにつらいだろうな。息抜きみたいなもんか。
「そんなことよりもモエナは強いんでしょうね? 王女っていうくらいなんだから」
「当たり前だよ。王家の血筋の力を見せてあげるから」
王家の血筋か……これは期待していいのか? あの親を見てしまった今だと不安しかないんが…………。
「そうなると、ルリは相変わらず私たちのパーティのお荷物ですね。頑張ってくださいよ」
「テリアよりも戦闘でなら役に立つんだから私も!!」
「そうよ、テリア。ルリは私をおんぶしてクエストの目的地に運ぶというとても重要な任務があるのよ」
それはフォローになっているのだろうか? おんぶ以外では使えないみたいじゃん。
「ギルドが見えてきたな。これで王都するべきことはすべて終わりか」
「おー、あれが王都のギルドなのね。私入るの初めてだよーー」
モエナは一人だけすごいテンションではしゃいでいる。無邪気で可愛いな。他の三人とは違う可愛さだ。
モエナはそのままギルドへ入り、中を見渡してまたもやはしゃいでいる。この王女様はもうちょっと目立たないようにしてくれないもんか。歩いているときから、通行人たちの視線が気になって仕方なかったていうのに…………ギルドの中でも注目を集めるのはよしてほしいもんだ。
「えーと、どこに行けば冒険者登録ができるの? あっち? それともあっちかな?」
「あそこだぞ。あのカウンターのところ」
「ありがとう、さっそく行ってくる」
キョロキョロと探していたのは受付だったのか。先に勝手にいかないでほしいな。モエナに何かあったら俺の命が危ないし…………。
ほかの三人はまったり椅子に座ってくつろいでやがるんだが……お前らも来いよ。心の中で毒づきながら俺はすぐに後を追いかけた。
「冒険者登録がしたいんだけど」
「あ、姫様ではありませんか。はい、わかりました。この冒険者カードに手をかざしてみてください」
それだけでできるんだ、とモエナと感心していた。
横でその光景を見守っていると、お姉さんが俺に耳打ちしてきた。
「ギルドマスターからの伝言です。絶対に姫様を危険な目に合わせるんじゃないぞ、だそうです。ギルドにまでとばっちりが来るかもしれないですから。まあ、大変でしょうが頑張ってください」
「もう何回言われたかわかりませんよ、そのセリフ。任せてください。俺たちのパーティ意外と強いんで」
あのギルドマスターもしつこいな。国王ともいい勝負じゃないか?
「文字が浮かび上がって来るよ。これが私のステータスなの? すごい!! これで私も冒険者の一員だよね?」
「俺もそれをやったときはびっくりしたもんだ。このカードハイテクすぎるよな」
俺たちが雑談をしている間に、お姉さんがモエナのカードの確認をしている。これでモエナのステータスがわかるのか。すごい高いまでは望まないが、びっくりするほど低いのはやめてくれ。クエストに連れて行くのが難しくなるから。
「すごいです!! 姫様のステータス!! すべてのステータスが軒並み高いです。いや、高いなんてものではないです。これが王家の血筋時の力ですか」
「ほら言ったでしょ。王家の血筋はすごいんだから!! これで私もモンスターと戦えるよね?」
「ちなみにどれくらいの数値ですか? すべてのステータスが俺やユウナクラスですか?」
高いなんてもんじゃないとか、どういうことだよ。俺とユウナを合わせたようなステータスなら俺たちもルリと同じ扱いになってしまう。生き残るのはテリアだけだ。
「そうですね、私は二人のステータスを知りませんからなんとも言えませんが……初心者でこのステータスは化物じみてます。これからステータスが成長していくと考えると恐ろしいですね」
「そういえば俺の冒険者カード見せてなかったですね。どうぞ」
ユウナはギルドマスターに見せてたが俺はよく考えたらだれにも見せてないな。と言うことは実際の俺のステータス知ってるのはフォーリスのギルドのお姉さんだけだな。あ、ルリにも見せてたわ。悪い、忘れてて。
「はい? これは偽造カードではないですよね?」
「ルリにもそれ言われましたよ。そんなわけないじゃないですか」
先ほどのモエナのカードを見たときの驚き方とは一線を画している。ギルドマスターもユウナのカード見たときすごい驚いてたもんな。
「すべてのステータスがセンヤさん並みの人なんていてたまりませんよ。あなたは規格外すぎます。これじゃSランクになったばかりのジェラさんでは勝てませんよ。相手が悪かったとしか言えませんね。かわいそうに」
「そんなにすごいの? センヤって? 悔しいなぁ、私がパーティで一番になる予定だったのに」
ジェラが可哀そうとかどんだけやばいんだ俺は? それに俺のステータスを見てたるりはなんであんなに心配したてたんだよ? ほかの人にステータス見せてもらう機会がなかったのか? それにしても普通に日ごろの戦闘見てればある程度分かるようになると思うんだが…………やっぱりルリはポンコツなのか?
「モエナだってすごいんだからいいじゃないか。俺は魔法は全く使えないんだしな」
「そうなの? だったら魔法は私が一番よね?」
いやそれはないと思うな。ユウナよりやばい奴なんていてたまるか。あの大して本気で打ってなさそうな魔法でいつも一発で仕留めるんだからな。
「一回ユウナの魔法を見てみたほうがいいぞ。あいつはマジでやばいから」
「それじゃ、私はいらない子なんじゃ…………」
「そんなわけないだろ、俺たちのパーティにすべてのステータスが高い奴なんていないぞ。ルリでさえ、魔法のほうはあんまりみたいだし、俺とユウナに関してはほかが終わってるからな。あとテリアはサポート特化だし」
危うく機嫌を損ねてしまうところだった。俺が急いでフォローを入れたおかげで割も普通にしている。
「そんなことより俺たちのパーティに加入しないとな。お願いします」
「わかりました。こちらでやっておきます。また来てくださいね」
話を早く終わらせるように、お姉さんにパーティ加入のほうはお願いして三人がいるほうに向かった。
「終わったぞ。これからどうするんだ?」
「フォーリスに帰るわよ。すぐに行くからいいわね?」
どうやら、俺とモエナが登録に行っている間にこれからの予定を決めておいたようだ。これで王都ともお別れか、モエナがいることだしまたすぐに来ることになりそうだがな。




