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駄目王様

「それにしてもまさかパーティに王女様を加えることになるとはね。これからどうなるんだろう?」


「大丈夫よ、ルリのやることは変わらないから。今まで通り私のおんぶ係として頑張るのよ」


 一体ルリはいつになったらおんぶ係を卒業できるのだろうか? ユウナが体力をつけることなんてあるのか? まあ、かわいそうだが俺との決闘に負けてるからな、ルリも。


「王女様を加えて俺たちのパーティも五人になるな。テリアと会った時にはまさかこんな人数になるとは思っても見なかったわ」


 気が付けばまた一人美少女がパーティに参加するんだもんな。前の世界じゃ、こんなのありえなかったし。転生もしてみるもんだ。




 暫く雑談をしながら歩いていると、いつの間にか城の前まで着いていた。


 城の入り口へ近づくと、門番をしている騎士の一人が話しかけてきた。


「あ、チームセンヤの皆さんですね。姫様の準備ならもう完了しているはずです。どうぞ、謁見の間まで行ってみてください」


「ありがとうございます。普通に入っていいんですか?」


「そりゃ、姫様が入るパーティの皆さんですし、この城の中なんて顔パスですよ」


 早くも王女様を仲間にした恩恵が……。まさか王城に顔パスで入れるようになるとか…………でもこんなのよく考えたらほとんど意味ないよな。


「なんか偉くなった気分ですね。城を自由に出入りできるなんてすごい人みたいです」


「まあ、初めからこの待遇が私に対しては正しかったのだけどね」


 テリアは発想がおこちゃまだな。ユウナに関しては相変わらずの傲慢さだ。


「失礼します」


 謁見の間へと着いたが、流石に無言で入るのはどうかと思い、職員室に入るような感じで入った。


「チッ! ちゃんと来たのか」


「ちょっとパパ!! 失礼でしょ。もうっ、昨日から機嫌が悪いけどどうしたの?」


 何やってるんだか……あの国王はほんとに親ばかだな。しかも昨日から機嫌が悪いとか子供かよ。大人なんだから自分の言ったことには責任持てよな。しかも娘に叱られて、余計に駄目さが増している。こんなところ、国民の人たちには見せられないな。暴動が起きかねない。


「よく来たな。本当に……まだ間に合うぞ、いいのか? うちの娘をパーティに入れたりなんかしたらきっと大変だぞ?」


「なんてこと言うの? もうたとえ嫌だって言われても私の権限で入れてもらうんだからねっ!!」


 これ以上醜態をさらすのはやめてくれ国王様……。王女様はもうパーティに入る気満々だしな。確かに王女様直々に命令でもされたら入れないわけにもいかないし、もう詰んでるんですよ。


「そんなに嫌だったんならなんで決闘なんてしたんですか? 負けたらどうするつもりだったんですか?」


「そんなこと言ってもだ……俺は冒険者でもないからエンペラーゴーレムを倒したとか言われてもピンとこない。だから冒険者最高ランクのSランクなら勝てるとぶっちゃけ思ってたんだよな。ギルドマスターの話をもう少しまともに聞いとくんだった…………」


 実際俺もエンペラーゴーレムがどのくらいのやばさかいまいちわかってないけどな。Aランクのルリが歯が立たなかったことを考えるとやっぱりSランク冒険者じゃないと倒せなかったのかな?


「私もまさか本当にSランク冒険者に勝っちゃうなんて思ってなかったしね。負けてても何とかパパを説得するつもりだったし」


「俺もSランク冒険者がパンチ一発で倒せるとは思ってなかったけどな」


 そう考えるとほかのSランク冒険者も大したことないのか? そんなわけないか。ジェラはまだなったばかりって言ってたし、他のやつらはもっと規格外の強さなんだろう。


「そういえばまだ自己紹介してなかったね。私はモエナ・ランジニア。名前で呼んでね。これからはパーティの仲間なんだから」


「よろしくモエナ。俺のことは知ってると思うがセンヤだ」


「私はユウナよ。よろしくね」


「テリアです。よろしくお願いします」


「ルリです。一応Aランク冒険者なんだよ」


 よかった。ユウナもテリアも普通に自己紹介してる。何かやらかすんじゃないか不安だったんだぞ。いきなり生意気な態度取りそうだし、特にユウナ。せめて、国王の前ではやめてくれよ。


「ううぅー、ほんとに少しでも困ったことがあったらパパに言うんだぞ。特にそこのセンヤに何かされたりしたら、すぐに知らせるんだ。我が国の総戦力でぶっ殺しに行くから。それと一週間に一回は帰ってくるんだぞ」


 そんなことで、国の戦力を動かすな!! もしそうなったら、ユウナの魔法で撃退してやる。


「年に一回は帰ってくるようにするね」


「そんな……俺を殺すつもりか? そんなにモエナと会わなかったら俺は……俺はーー!!」


 もうやめてやれよ。国王の精神力はマイナスに達してるぞ。


「それじゃ、行ってくるね。パパ」


「待ってくれーー!!」


「パパは無視して行こっ」


 後ろで泣きながら叫んでいる国王を完全に無視した俺たちはそのまま城を後にした。


「私ギルドに行きたい。まだ冒険者登録もしてないしね」


「そうだな。まずはギルドだな。パーティ加入申請もしなくちゃいけないし」


 こうしてモエナをパーティに加えた俺たちはとりあえずギルドへ行くことになった。

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