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誘蛾灯
ブーン
家に帰る途中毎日通る自動販売機がある
そこで俺はいつも同じコーヒーを買う
プルタブを開け一口飲む
ほっと息をついて前を見ると誘蛾灯の光が灯っていた
そこにはバタバタと大きな蛾が一匹
光の周りを飛び回っている
これも毎日見る光景だった
俺はしばらくその蛾を眺めていた
何度も飛んで光にぶつかっているようだった
それでもまた光へ向かっていく
ふと自分もあの蛾と似たようなものだなと思い至る
毎日終電まで仕事をして帰り
毎日同じ自動販売機で毎日同じコーヒーを買う
そして明日もきっと同じことをする
俺は蛾を窮地の友を見るような目で眺めた
「お互い、大変だな」
そう呟いてコーヒーをもう一口飲んだ
明日もまた会おうと軽く手を振って帰路に着いた




