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散文駄文まとめ  作者: 甲斐利右衛門
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8/19

誘蛾灯

ブーン


家に帰る途中毎日通る自動販売機がある、そこで俺はいつも同じコーヒーを買う。


プルタブを開け一口飲む、ほっと息をついて前を見ると誘蛾灯の光が灯っていた。


そこにはバタバタと大きな蛾が一匹、光の周りを飛び回っている。


これも毎日見る光景だった。


俺はしばらくその蛾を眺めていた、何度も飛んで光にぶつかっているようだった。


それでもまた光へ向かっていく。


ふと自分もあの蛾と似たようなものだなと思い至る。


毎日終電まで仕事をして帰り、毎日同じ自動販売機で毎日同じコーヒーを買う。


そして明日もきっと同じことをする、俺は蛾を窮地の友を見るような目で眺めた。


「お互い、大変だな」


そう呟いてコーヒーをもう一口飲んだ、明日もまた会おうと軽く手を振って帰路に着いた。

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