↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
散文駄文まとめ  作者: 甲斐利右衛門
PR
68/75

美しいものを

あなたにとっての美しさは?


あたしは美しいものが好きだ

それは80のババアになったって変わりやしない


黄昏に染まった青い海も

紅葉に染まった緑の森も

夜空に咲いてた火の花も


あたしを好きだと言ってくれた

あたしを置いていったあの人の頬の色も


美しいものは何も見た目だけじゃない

あり方や心根やそういったものも含めて美しいのだ


だからあたしはこの生き方が終わってしまう前に

この世界で最も美しいものを探しに行くことにした


世界各地を訪れさまざまなものに触れた

そのあり方を考え心根に触れ、探し続けた


そして最後に美しいと思ったものは

すべてを見て回ったあと帰ってきた自宅にあった


それは探しに行く前の朝

あの人に供えたスターチスの花だった。


花瓶の水はとっくに干上がり

花としての命は尽きている


それでもあの鮮やかな色だけは失われていなかった

あたしはその枯れない花を見つめた


そこには確かに命があった

命が尽きたあとにも残る美しさがあった


あの人が好きだった花

途絶えることのない記憶に

そっと寄り添うように咲く花


美しいものはそれだけでいいものだ

あたしはそれを見つけられた


80年と5年が経ってようやく見つけられた

その事実があるだけで


それだけで、あたしは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。