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終わらない男
正解はない
今日の昼前世界に終わりが来るそうだ
そんな話がテレビから流れてきた
どうやら隕石が降ってくるらしい
日曜に隕石とかタイミングが悪いだろ
僕は天井から垂れ下がった麻縄に目を向けた
「今じゃねーよ、馬鹿が」
僕が本当に助けてほしかった時には
何も起きなかったくせに
こんなになってから
みんな一緒に終わりますだなんて
まったくもって笑えない
昼まではもう一時間もないだろう
外では住民たちが家から出て空を見上げている
僕も自宅のマンションの屋上へ上がった
空を見上げるとそこには確かに
大きな隕石が浮かんでいた
残念だ
本当に残念だ
こんな結末は望んでなかった
僕はただ楽になりたかっただけだ
自由になりたかっただけなのに
終わりだと思ったのにな
僕は屋上から一歩、二歩と足を踏み出した
だが重力は僕に味方してくれない
僕の身体は落ちることなく
そのまま空中を歩いていく
そしてふと下の階に目を向けた
ベランダで何かがゆらゆらと揺れている
それは間違いなく僕自身だった
僕はそれを見ながら最後に愚痴を一つ漏らした
「くそったれ」




