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雲
ふわふわと
空に浮かんだ雲を食べてしまったあの時から
僕は何を食べても味がしないと思うようになった
仙人は霞を食べて生きていると聞いたことがある
味がしないものを食べて楽しいのだろうか
それにしても僕が食べたあの雲は
いったいどんな形をしていただろう
記憶の中の雲はふわふわと形を変えるばかりで
何も答えてはくれない
きっと僕はもう二度とあの雲の形を
思い出すことができないのだろう
別にいいさ、それくらい
手に入らないものが手に入ることが
すべての人間にとって幸せなことだとは限らない
少なくとも僕にとっては酷く不幸なことだった
それだけの話だ




