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嘘つき
ニャーン
俺は悪党だ。
嘘つきで人を困らせるのが大好きなこの世で最も邪悪な男さ。
他人を騙し家族を騙し恋人や親友さえも騙して行方をくらます。
毎晩ベッドの中で俺に騙された奴らの顔を想像しては涙を流すほど笑い転げて寝る暇もないくらいだ。
そんな俺の様子が不思議なのか毎日飽きもせず一匹の黒猫が様子を見に来やがる。
そして俺の顔を一瞥すると退屈そうにあくびをしてその場に眠ってしまった。
まるで「無駄に元気だな」とでも言いたげな顔をしてやがった。
だけどまぁ、いろんな奴に顔を覚えられるなんて悪党冥利に尽きるってもんだろ?
覚えやすいように頭だってツルツルにしてある。
感謝してほしいくらいだぜ。
行きたいように道を進み休みたいときに休み、誰に何を言われようが自分の好きなように生きる。
やっぱり悪党の人生はこうでなくっちゃな。
黒猫が顔を起こしまた一度だけ俺を見る。
そして立ち上がりつまらなそうに帰っていった。
俺はそれを見てまた笑った。
まったくいつになったら微笑んでくれるのか。




