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散文駄文まとめ  作者: 甲斐利右衛門
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17/17

時計

ぽっぽー


僕の部屋には昔ながらの古時計がある。


振り子はカチカチと規則正しく音を鳴らし、一秒一秒がはっきりと聞こえてくる。


僕は昔この時計があまり好きではなかった。


子供の頃の僕は夜眠りにつこうとすると聞こえてくるその音が何より嫌だった。


暗闇の中でカチカチというその音だけが妙にはっきりと響いていた。


それはきっと嫌でも寝る時間が過ぎていくことを一秒ずつ思い知らされているような感覚になるからだ。


眠ろうとしても眠れないし目を閉じてもあのカチカチの音がずっと聞こえてきていた。


時間だけが平等に僕を置いて先へ進んでいく。


けれど大人になった今同じ時計の音を聞いていると少しだけ違って聞こえる。


一秒一秒を正確に迷いなく刻んでいる。


ただ、同じように時を刻んでいる。


時間に追われ何かに急かされどこへ向かえばいいのか分からなくなる僕をその音は静かに包んでくれているようだった。


昔はあれほど嫌いだった音が今は少しだけ心地いい。


もしかすると僕は時計の音が好きになったのではなくこの時計と仲直りしたのかもしれない。

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