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わたし、また彼氏ができました!  作者: みもざちゃん


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9/13

波乱のインターンシップ最終日!!!

小山梨沙こやまりさ:ルックスがまあまあ良くて、成績もそこそこ優秀な大学3年生。天真爛漫でとても優しいが、考え込みやすい性格。「ダジャレ、ビール、相撲」の3つが好きで中身がおっさんだと言われることも。すぐに彼氏ができてしまう。(ENFJ)

大森和也おおもりかずや:ルックスがまあまあ良くて、成績もそこそこ優秀な男子大学生。淡々とした性格で人によって態度を変えず、正直に物事を言う。クールに見えるが、実はあまりクールではない。梨沙に好意を持つ。(ISTP)

笹岡明音ささおかあかね:小学校から大学まで一緒の梨沙の親友。常に冷静で落ち着いている。すぐに彼氏ができる梨沙のことを心配している。(INTJ)

倉本七海くらもとななみ:梨沙と明音と大学時代に出会い、仲良くなった。ムードメーカーで明るい性格。すぐに彼氏ができる梨沙のことを羨ましく思っている。(ESFP)

川越雄太かわごえゆうた:和也の友達。梨沙とは高校が同じで、高校時代に片思いをしていた。盛り上げ役だが、周囲への気遣いができる性格。梨沙への気持ちがまだ残っている。(ESFJ)

松田有希まつだゆき:梨沙と同じクラスの友達。気が利くお姉さん体質で、サバサバしている性格。和也と小中学校が同じだった。(ISTJ)


ついにインターンシップ最終日を迎えた。私たちは佐藤太郎さん(教育支援事業部マネージャー斎藤さんが演じている架空の利用者さん)への最終的な支援方法をパワーポイントにまとめている。

「昨日の面談で佐藤さんが職場の上司に陰口を言われて毎日辛かったって教えてくれた時、俺めっちゃ嬉しかったんだよな。」

パソコンと睨めっこしながら雄太が口を開いた。

「辛かったことを共有してもらえるくらい、信頼関係を築けたんだなって。やりがいを感じたっていうか。」

「雄太の面談が良かったからじゃない?」

和也くんが彼の方を向いて言うと、彼は恥ずかしそうに笑った。

「すごく良かったよ!私、後ろで見てたけど、話を聞く姿勢と話を引き出す力がいつも凄かった。」

私の賞賛の声に雄太はさらに顔を赤くした。すると、ずっと集中して作業していた有希ちゃんが何かを思いついたように顔を輝かせた。

「午後のプレゼンの時に、それぞれ良かったことをリレー形式で伝え合うのはどう?面白そうじゃない?」

「いいじゃん。やろうよ。」

和也くんがすぐに賛同する。私と雄太も「いいね!」と何度も頷いた。

「じゃあ…私から雄太くん、雄太くんから梨沙ちゃん、梨沙ちゃんからかずくん、かずくんから私ね。」

「有希さん、決めるの早いな!どういう基準で決めたんだよ。」

雄太が欠かさずツッコむと、有希ちゃんは「異論ある?」と強気の表情。雄太は大きくかぶりを振った。

「そろそろ資料完成するよね?」

和也くんがお茶を飲みながら聞いた。私と雄太は頷いたが、有希ちゃんはまだ作業中だ。

「私、文字のズレとかすごい気になっちゃう人なんだよね。微調整してるからちょっと待ってて。」

「そうなんだ。逆にありがたいよ。」

私がお礼を言うと、彼女はまた集中モードに入った。

それからしばらくして、有希ちゃんが手を止めた。微調整が終わったようだ。

「よし!軽くリハーサルして、昼飯食いに行こうぜ!」

雄太の掛け声で私たちはすぐに発表の練習を始める。資料も上手くモニターに写り、私たち1人1人の説明も簡潔で分かりやすく話すことができた。お互いに褒め合う時に何を言うかは本番までのお楽しみだ。リハーサルも無事終了し、雄太と和也くんは部屋を出て行った。私も後に続いて行こうとすると、有希ちゃんに「梨沙ちゃん。」と名前を呼ばれた。私が振り向くと、彼女は笑顔を作った。

「お昼、一緒に食べよう。」

「…うん!もちろん!」

カフェテリアに着いて今日のメニューを見てみると、そこには最高のラインナップが並んでいた。

「えー!親子丼、エビチリ定食、担々麵!?どれにしよう…めっちゃ悩ましい!」

私が思わず飛び跳ねると、有希ちゃんは「落ち着いて。」と私をなだめる。結局、私は担々麵、有希ちゃんはエビチリ定食に決めた。私たちは顔を見合わせて、それから「いただきます!」と手を合わせた。

「やばい…めっちゃ美味しい!この辛さ、丁度いい!」

私が悶絶すると、有希ちゃんもご飯を頬張りながら何度も頷いた。

「エビチリも甘酸っぱくて最高だね。ここで食べるのも今日で最後か。」

有希ちゃんの言葉に私の気持ちは一気に沈んでしまう。

「そうだよね…今日が最後なんて信じられない。大変だったけど、あっという間だったな。」

「梨沙ちゃんと一緒で良かったよ。本当に。」

有希ちゃんはそう言うと、水を一口飲む。私が目をぱちくりさせていると、彼女は私に目を向けた。

「梨沙ちゃんはいつもこのチームにとっての緩衝材だったよ。私と和也くんは思ったことをすぐに言っちゃうし、雄太くんは感情的になりすぎる時がある。そういう時に、梨沙ちゃんが仲介人になってくれてすごく助かった。ありがとね。」

「有希ちゃん…。」

私が思わず泣きそうになると、彼女は眉間にシワを寄せた。

「ちょっと。泣くなら後でにしなよ。梨沙ちゃんはきっと帰りも泣くんだから。」

「だって…有希ちゃんがそんな風に思ってくれてたなんて知らなかったんだもん!」

上を向いて涙を乾かす私に、有希ちゃんは「そうなの?」と目を丸くした。

「でも、今そう言ってくれて分かったよ。こちらこそありがとうだね。」

私は少し照れくさくて、すぐに担々麵を啜った。有希ちゃんも大きなエビを口に放り込む。さっきよりも担々麵が美味しく感じられて私はまた「んー!」と叫ぶのだった。


「これからチームゆかりの事後報告発表会を始めます。よろしくお願いいたします!」

雄太の挨拶で私たちがお辞儀をすると、社員さんから大きな拍手が送られる。いよいよ発表本番だ。まず雄太が佐藤太郎さんについて、私たちが最初に考えた計画、面談の内容を説明した。それから私が面談を行ったときの佐藤さんの様子について、有希ちゃんが佐藤さんへの職業訓練サービスについて、和也くんが佐藤さんに合った企業との連携についてを話した。最後のまとめを私が言い終わると、雄太がすぐに手を叩いた。

「実はですね!まだ俺たちの発表は終わってないんです。最後に…メンバーからメンバーにこのインターンシップを通して良かったところをお互いにフィードバックする時間を頂きたいと思います。」

その言葉に社員さんからは「いいですね!」と賞賛の嵐が生まれた。有希ちゃんが小さく咳払いして、雄太の方を向いた。

「まずは私から雄太くんに。そうですね…雄太くんの良かったところはリーダーとしてチームを最後まで引っ張ってくれたことです。楽しい時もしんどい時も、雄太くんのおかげでチーム全体が明るくて力強くなれたと思います。お疲れ様でした。」

雄太は嬉しそうに笑って、有希ちゃんの背中を優しく叩いた。今度は雄太から私に向けてである。

「梨沙。梨沙はいつも強い共感力を持って、メンバーにも利用者さんにも寄り添ってくれて、すごく助かったぜ。その優しさはきっと誰にも負けない強みだと思う。3週間お疲れ様!」

私は恥ずかしくて雄太を直視できなかったが、「ありがとう。」とお礼を言った。それから体の向きを変えて、和也くんを見た。彼は相変わらずポーカーフェイスだった。

「和也くん、お疲れ様でした。和也くんは誰よりも客観的に物事を見れていて、分析力も凄かったと思います。人の心の変化にも気付いてくれたり、不意に優しい言葉を掛けてくれたり…。尊敬してます。」

私の言葉に彼はニコッと微笑んだ。体温が一気に上昇するのを感じて、私は思わず目を反らした。最後は和也くんから有希ちゃんへである。

「3週間、ありがとうございました。自分と向き合いながら真剣に仕事に取り組んでいたところがすごく良かったと思います。お疲れ様。」

「え…何か短くない?」

有希ちゃんが口を尖らすと、和也くんは「そう?」と首を傾げる。その様子に社員さんも私も雄太も吹き出した。それと同時に、社員さんがスタンディングオベーションをしてくれた。私たちは前を向いて深くお辞儀をした。

「『チームゆかり』のみなさん。発表の内容も、それぞれのコメントも本当に最高でした。ありがとうございました。ここまでよく頑張りましたね!」

林さんが私たちの前に立って笑顔を作った。各部署のマネージャーも前に出てきて、私たちをたくさん褒めてくださった。コンサルタント事業部マネージャーの湊崎さんは目に涙を浮かべながら和也くんに話している。

「梨沙さん。3週間、本当に素晴らしかったですよ。」

斎藤さんの言葉に私の胸が一気に熱くなる。

「ありがとうございました。斎藤さんのおかげで、業務内容だけじゃなくて働くことへの姿勢を学ばせて頂くことができました。斎藤さんにお会いできて良かったです。」

そう言いながら涙が溢れてくる。斎藤さんも目をウルウルさせながら私の背中を優しく擦った。

「梨沙さんなら今後もきっと大丈夫です。陰ながら応援しています。ぜひまた弊社に来てくださいね。社員としても、お待ちしていますよ。」

斎藤さんがウインクしたので、私は思わず笑った。ちらっと横を向くと、雄太も涙目になってマネージャーさんとお話しているのが見える。有希ちゃんと和也くんは…案の定、泣いていなかった。


「『チームゆかり』の3週間の健闘を称えて…かんぱーい!!!」

「かんぱーい!」

雄太の乾杯の音頭を合図に私たちはそれぞれのグラスを持ち上げた。

「私はビール、雄太はハイボール、和也くんはレモンサワー、有希ちゃんはワイン…。私たちってお酒の好みまでバラバラなんだね。」

私が笑いながら呟くと、和也くんが「その話は今はいいよ。」とバッサリ切った。私が彼を睨むと、有希ちゃんがワインを一口飲んで肩をすくめた。

「インターンシップが終わっても、かずくんは通常運転だ。何にも変わってないね。」

「変わらないよ。逆に3週間で性格変わったら怖くない?」

和也くんの言葉を無視して、今度は雄太が口を開いた。

「俺たち、本当によく頑張ったよ。最初は不安もあったけど、社員さんたちもめちゃくちゃ優しかったし、俺たちもお互いのことが深く知れたよな。」

「そうだね。メンバーのことも、あとは…自分自身についても気付きがあったと言うか。」

私が大きく頷くと、和也くんと有希ちゃんも納得した表情をしている。

「でも、最初は戸惑うよね。人のことを知るのも、自分のことを知るのも。」

「え、かずくんでも戸惑うことあるの?」

有希ちゃんが目を丸くして和也くんを見た。彼は「そりゃあ、あります。」と小さくため息をつく。私と雄太は2人のやり取りに吹き出した。

「有希さんと和也、最高の幼馴染だよな!これからも仲良くやっていけよ。」

雄太がニヤニヤしながら言うと、2人は苦笑した。そこまで仲良くしたくはないと言わんばかりの反応だ。

「俺はこれからも4人で集まりたいぜ。月1で定例会開くのはどう?」

「賛成!私もみんなと集まって話したい!」

私が雄太の提案に目を輝かせると、有希ちゃんは表情を明るくした。

「私も賛成。それを楽しみに頑張れそうだし。」

それに続いて、和也くんも頷いた。

「いいじゃん。4人で話すの楽しいからね。」

雄太は拳を上に突き上げて「よっしゃー!」と大喜びした。まるで小学生みたいだ。

「あのさ、やっぱり有希ちゃんはどうしても行かないといけないの?フランス。」

私が恐る恐る聞いてみると、彼女はワイングラスを空にして首を縦に振った。

「付き合いっていうのがあるから行かないといけないね。でも、今年で最後にするつもり。」

「最後にできるの?」

今度は和也くんが彼女を見る。彼女は首を大きく横に振り、それからはっきりした声で言った。

「最後にできるかというより、私が最後にしてみせる。」

「やっぱりかっこいいわ、有希さんは。」

雄太が言うと、有希ちゃんは一瞬固まった。私が目を見張ると、彼女の顔が一気に赤くなったのに気付いた。

「有希さんって芯が強いよな。自分をちゃんと持ってて、腹が据わってるところがかっこいいぜ。」

「そ…そんな、かっこいいなんて、別にそんなことないけど。」

明らかに有希ちゃんの様子がいつもと違う。私が雄太と有希ちゃんを交互に見ていると、いきなり和也くんが口を開いた。

「俺、お手洗い行ってくるわ。場所分からないから、梨沙も付いてきてくれない?」

「え…あ、いいけど。」

せっかく2人の様子を観察したかったのに…。私は仕方なく立ち上がり、和也くんと個室から廊下に出た。

「ちょっと、和也くん。お手洗いの場所くらい分か…。」

「梨沙。」

私の言葉を遮って、和也くんが声を出した。私が不機嫌な顔をすると、彼は少し考え込んでから小さく呟いた。

「また今度…2人で会わない?」

「…へ?」

日本語を話されているのに彼からの言葉がすっと入ってこない。あまりにも予想外で頭の整理がつかなかった。私が目を泳がせていると、彼は今度ははっきりした声を出した。

「俺と梨沙の2人で会わない?」

私は小さく深呼吸して、それからようやく返答した。

「べ…別にいいけど。急に…なんで?」

「ありがとう。理由は特にないね。」

相変わらず真顔で話す彼に私は口を尖らせた。

「特にない!?じゃあなんでわざわざ誘うの!」

「いいじゃん。梨沙、面白いもん。」

私がすごい剣幕で睨みつけると、彼はふふっと笑い出した。私の怒りはさらに火をつける。

「はあ!?人がこんなにイライラしてるのに何が面白いわけ?」

「だって、初めて見た顔だったから…。」

「もう!そうやって思ったことをすぐに言うんだから。まったく…和也くんは。」

私はそこまで言って、ハッとした。

「ていうか、お手洗いの場所分かってるんでしょ?もう私、戻るからね!バイバイ!」

「…あ、待って。」

後ろを振り向いた私の腕を和也くんの手が引き止めた。私の心臓の鼓動が一気に速くなる。驚いて後ろを向くと、彼は慌てて腕を離した。

「お手洗いの場所は分かってる。でも…楽しみにしてるね。梨沙と会うの。」

私は自分の顔が真っ赤になっているのを感じて、彼から目を反らした。

「わ…私も楽しみにしてる。連絡…ちょうだいね。」

そう言ってすぐに私は歩き始めた。蒸発してしまいそうな程に身体が熱くなって、彼の言葉が脳内で繰り返されている。私は小さく深呼吸をし、頬を強く叩いてから有希ちゃんと雄太の待つ個室へ入っていくのだった。


つづく

ご一読ありがとうございました❀(エピソード6が抜けていました…新たに追加したのでそちらもどうぞご覧ください!)

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