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宇宙の始まりを視る〜KEK一般公開潜入レポ2026  作者: 十一


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6/10

BelleⅡダンジョン最奥のお姫様

KEKに来たのなら必ず会いに行きたい、絶対的センター…それがBelleⅡ測定器です。

講演後、私が目指すべきはここ!なのです。


縦・横・高さが8メートル、総重量1400トンの巨大なBelle II測定器。光速まで加速した電子・陽電子ビームの衝突反応から生まれる様々な素粒子をとらえます。7種類の異なるセンサーによって、さまざまな素粒子の情報を詳しく測定することができます。(公式サイトより引用)


すごいでしょう?

さすがは絶対的センターです。

KEK最重要ダンジョンsuperKEKBの最奥に鎮座するお姫様…それがBelle Ⅱ。

Belleには「美しい」という意味もありますよね。

KEKはこのお姫様を守るお城でもあるのです…恐らく。


確か3年前の講演ではこのBelle Ⅱがメインでした。

この Belle Ⅱのメインセンサー(チェンバーだったかも)は 高価で繊細なお姫様なので、生まれ故郷の確かドイツから騎士(研究者さんのこと)が自らお迎えに上がったと聞きました。

その道中、騎士たちはエコノミー移動だが、お姫様はお姫様らしくファーストクラス。

もちろん、機内食も振舞われたとか。


さて、そんなお姫様への謁見は、近衛騎士(研究者さんのこと)の案内で行われます。

案内必須ではなく、自由に見てても良いけど、近衛騎士の説明付きが断然おススメ。

入口ロビーで模型での説明をして頂いた上での謁見です。


いつからか、カッコイイビームラインがコンクリートブロックで守り隠されてしまったので、その美しいお姿は半分くらいしか見られない。

それでも、何故か私はBelle Ⅱの御前に立つと頭が真っ白になってしまう。

「何か質問はありますか?」

騎士の声掛けに毎回答えられず、後からあれ聞いておけばよかった!を繰り返してきた。

今回も同じだ。

いっしょに回った謁見者たちもきっとそう。

ロビーでは元気だった野生のつくばのおっちゃんも、姫君の前では無言でそのお姿を撮影するのみ。

辛うじて「前はあのコンクリートなかったよね」と言うのが精いっぱい。

それにつけても本当それ。


そんな不完全燃焼の謁見者たちのための施設が、謁見場の向かいのBelle Ⅱ展示室である…多分。

Belle Ⅱ内部構造のレプリカらしきものが置いてあり、研究者さんたちが素朴な疑問から専門的な難問まで、なんでも答えてくださいます。

ビームラインの磁石たちは同じ強さ。

最後だけは超電導なので、ここでもやっぱりキンキンに冷えている。

素粒子たちは本当に寒いのが好きなのだ。


……楽しい…!


しかし、しかしである。

15:00からQUPでダイヤモンドで暗黒物質を探すなどという、面白そう過ぎて意味の分からないサイエンスカフェがある。

猫の謎解きのゴールもQUPだ。

ふと時計を見れば14:45。

またかよ、私!


「QUP!QUP!はどっちですか!?」

恥も外聞もない。

研究者さんに聞くにはあまりにも筋違いなことを言いながら走り出した。

今となってはどうでもいいのだが、私はずっと「キューアップ」とに呼んでいた。

「キューユーピー」が正解である。

今となってもどうでも良くないのだが、研究者さん、よく分かったな…天才だ。


それにしても私が電子や陽電子じゃなくて良かったと思う。

絶対とんでもないとこを走り回っていたことだろう。

この変な動きするやつはダークマターでは…?とか、物理界を混乱させていたかもしれない。

…などと妄想たくましくしている場合ではないのである。


日常生活では遅刻なんてしないのに!

ーーもはや誰も信じてくれないだろうな…。

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