第37話 花凛の本心
呼び出し音は鳴るのに、花凛は出ない…
頼む…花凛起きてくれ…
≪もしもぃ…≫
「花凛??オレ…寝てた?」
≪うん…あ…今…仕事…≫
「そっち、日曜だろ…お前今日仕事?」
≪え~あ、休み…?と思う…≫
ダメだ…なんか花凛、寝ぼけてる…神崎はこんな元気なのに…
「俺、今日羽田に三時ごろ着く便なんだ…その後ちょっと話できる?」
≪…………≫
「花凛?」
≪………はい≫
「おい、聞いてる??」
≪……はい……≫
「まぁいいや、また連絡する。LINEメッセージ入れるから見といて」
≪………かしこまりました…≫
はぁ…花凛ダメだ…昨日何時まで起きてたんだよ。
この時ふと、トーク履歴に”花凛がかけた”って言う通話通知がない事に気づく。
神崎は、俺が“サンフランシスコに行った次の日”だって言ってたよな?
でもトーク画面を見れば、俺が連絡したのが最後だ…
俺はフル回転で頭の中を整理する。
もしかして…梓…
俺の携帯、中見た??
もしそうなら、まずいな…一体どこまで見たんだろ…
何で暗証番号わかるんだよ…花凛の誕生日だぞ。梓知らないだろ??
顔認証にすればよかった!!
他のアプリは全部顔認証なのに…
でももし問いつめても、仕事の事もあるし厄介だ…
あいつとはこの前の事で、そうでなくても気まずいのに。
とりあえず、帰国して花凛に説明してそれからだ…
SNSも…なんか怪しいな…
そう思って調べてみると、自分がLINEニュースに!!
数日前のニュースだけど、”ゴールデンゲートブリッジで噂の美人秘書と”って…
「は?!この写真…誰が撮ったんだよ…」
見ればあの時、梓が俺に一瞬だけ抱きついた時の背中の写真が…
慌ててさっき、神崎がブーイングしてた画像をもう一度スライドしてみるけど、そこには載ってない…
何…どうなってるんだ…
よくわからない…
―――まさか一瞬載せて消した??
デジタルタトゥーって言葉、知らないのか!あいつ!
「あぁ…こんなんじゃ一緒に仕事できないよ。マジで勘弁して…」
どうしよう…佐田に相談しようか…
でも、こんな話なんて話せばいいんだ…
ここはとりあえず、花凛にちゃんと説明して、それからだ。
俺は、神崎からのメッセージをもう一回読み返す。
神崎は花凛の大親友だ。
花凛の絶対的味方でめっちゃ仲いいし、花凛の事大好きだもんな…
そりゃ、これだけ怒るのも無理はない…
でも…
花凛…俺の女の事で悩んでるって…
梓の声聞いて、ショックだった?
酔った勢いで、電話とか…
可愛すぎだろ♡
やばっ。どうしよう。何だかんだ花凛俺の事好きなんだな♡
早く東京帰りたい…
飛行機、3倍くらいの速さで飛んでくれないかな。
…って…
―――相楽氏、花凛に告ったから。私そっち応援するつもり。
花凛には幸せになってもらいたいし!――――
神崎のやつ…
お前、相楽と俺のどっちの友達なんだよ…
やっぱり相楽のやつ…花凛に気があったんだな。
あの目は、どう見てもそう見えたさ!
鈍感な花凛が、気づいてないだけだ…
俺達の間に割り込もうなんて、100万年早いんだよ!!
あぁ…飛行機5倍くらいの速さで、飛んでくれないかな…
その間に花凛が相楽とZoomしたら、どうするんだよ…
ヤキモキした俺を乗せて、飛行機は羽田空港へ向かっていた。




