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可哀想な母子

 所謂僕には霊感とうのがあって、人ならざる物が見えてしまう。だがそういった亡者よりもバイト先のB先輩の方がよっぽど怖かった。


 なぜなら血まみれの女と子供が敵意をもってB先輩にしがみついているのだ。恨み・憎悪そういった言葉では生易しいと感じる程だった。


 ある日、B先輩に呼び止められて「どうして俺を避けるんだ?」と聞かれ、結局僕が正直に話した。


「なーんだ!君も見えてるのか!」


 すると先輩は軽快に笑った。


「いやね、実はこいつらは俺が中坊の頃、やんちゃしてた時にうっかり轢いちゃった母子なんだよ。2人とも死んじゃったけど上手いことバレずに済んだんだ。だから俺はバレやしないかと不安だったんだけど2人とも何もしないから『幸せに生きて償いなさい』って言ってるんだと思ったんだ!きっと許してくれたんだ!」


 それを聞いたのが切っ掛けで僕はバイトを辞めた。


 それからしばらくして、先輩は事故死した。奥さんと子供も乗っていたがお亡くなりになったらしい。

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