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川遊び


 夏休みの少しの間、親の実家がある田舎に帰ることが例年の習慣になっていた。


 山に囲まれたド田舎で、絵に描いたようなつまらない場所だった。だから子供が夏によく遊ぶ場所といえば、専ら近所にあり唯一の浅い川だった。


 近所の子供たちとやる流れの穏やかな場所での冷たい水遊びは、夏の暑さで荒んだ俺たちの心を潤した。


 だが、そんな俺達でもお盆の間は川遊びをしなくなった。


 あるお盆の時の事だった。上流のほうで遊んでいると遠くの方から「おーい!おーい!」と男の子の声がした。みんながそちらを向くと裸の男の子が立ってこちらに向かって笑顔でおいでおいでをしていたのだ。


 その瞬間、みんなで川から出て一目散に逃げた。


 何故なら皆知っていたからだ。男の子の立っていた場所は知る人は知る、大人でも立てない底無しに深い場所だったからだ。


 以来、お盆の間は暗黙の了解として川遊びをしない。


 ただ皆が今時の水着を着ているのに、男の子はふんどしを履いていたのを見て「一体いつからいるんだろう」と話すがどうも大人に聞く気にはなれないでいる。

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