エピローグ
「本当に良かったのか?」
「ええ、魔欠石のことはどうにもなりませんが私は大事になりませんでしたから」
私とロベルト様とお兄様でいつか来たサンルームでお茶をしていた。
双子はお義父さんとお義母様とお庭で遊んでいるだろう。
お二人がお疲れにならないといいけど。
あの小さな魔獣たちを思い浮かべるとため息が出る。
申し訳ないと半ば諦めつつ、紅茶に砂糖を入れる。
心配してもしかたないので、今はバートリ一家の減刑について話に戻ろう。
貴族位はもちろん剥奪。死刑まではいかずそれでも炭鉱で働き賠償金を返していかなければいけない。
一家離散しなかったことは恩恵なのかもしれない。
兄がマカロンを食べながら何気なく言った。
「ディー、僕の世界一おっとりとした妹、それでいて世界一気丈な妹。君にしては珍しく怒って短絡的なことをしたね」
兄の一言にぎくりとなりつつ顔に出さないようにしながら素知らぬ顔で紅茶を飲む。
と言っても気づくのがお兄様だ。
答えるまで逃さないと目がいっている。
ため息が一つ溢れた。
「お兄様を馬鹿にされました……」
「あとは?」
「あとは私の旦那様をまるでアクセサリーのように見られたのが嫌でした」
「あとは?」
「……旦那様が昔のことを許せないのはわかっております。
でも、私以外の女に執着しているのは面白くなかったのです」
「…ルル。ああ、わたしのルルなんて可愛いことを言うんだ」
そういうとロベルト様は私を抱きよせ髪や頬にキスを降らせた。
満更でもない私は借りてきた猫のようにじっとする。
正面からコホンと咳払いが聞こえたのでキスの雨は止んだ。
「ねぇロッティ」
「だからロッティは止めろと言っている」
「それはこの際おいといて、まだ約束守れてないよねロッティ」
旦那様の顔色がサーと白くなっていく。
何を思ったのか私の足元に跪き、いやしがみつきが正しい。
半泣きになりながら訴えてきた。
「ルル、ルル。わたしのルル。離婚だけは絶対に嫌だ。死んでしまう!」
「じゃあさっさと結婚式あげて周りに、もうディアナ・リリーフロストではなくディアナ・ドラコニスて広めてくれないかなー」
お兄様はお菓子食べながら興味なさげに呆れながらロベルト様に言った。
ロベルト様は鬼気迫る顔を兄に向ける。
「そんな結婚式をあげるなど恐れ多い!
女神に人間と同列になれというのか!そんなことが許されていいわけない!
それにこれは自信を持って言えが、ルルの花嫁姿を見たらわたしは全身から色んな液体を撒き散らし死んでしまう!
式は大惨事に決まってる!」
「決まってないし、死なないし、馬鹿じゃないの?」
「わたしは大真面目だ」
「あーもう。ディーの気持ちは?どう思ってるの?」
そうか大真面目か。
旦那様の頭を撫でながら、兄にこくりと頷く。
「旦那様に死なれては困りますし」
「死なないから」
「いや死ぬ」
そんな良い顔で言わなくても、ふふ。ほんと
「しょうがない人」
「ルル私わたしのルル」
「あらあら」
「僕はいったい何を見せられているんだ。まったく。
これが国一番と噂の騎士様の姿か?
ねぇディー、本当にこんな情けない旦那でいいの?
まだ他にいいやついるんじゃない?」
「いえ、お兄様。
ロベルト様は私の初恋で最後の恋のお相手ですから」
情けない旦那様もかわいいですし。
これは言わないようにした。
「それにこの子からお父様を取り上げるのはやめてあげてください」
私はまだ膨らんでいないお腹を優しくさする。
旦那様は目を大きく見開いた。
私も爆美女の膝でヨシヨシされたい(たぶん疲れてる)
ロベルトはこの後からテンション上がりすぎてぶっ倒れます




