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お兄様、過保護過ぎるのでは?  作者: 蜂蜜
終わりよければなんとやら

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おい待て息子よ(ディーとロッティの思い出の茶会)

親ながら、こんなに無口で無愛想な子ども見たことないとおもわせる息子。

ロベルト・ドラコニス。

一人息子だが甘やかしてはいない。

そのせいなのか、年々無愛想になっている。

剣筋はよく将来を期待しているが、なにぶん人と付き合えない。

同世代のお友達もいない。

普通の子どもってどんなんだったか?

部下の子供たちは楽しそうに追いかけっこしてる中、この子は剣の素振りをしている。

これではいけないと社交シーズン狙い、王都に行く。

一人くらいどうにか気の合う者がいるはずだ。

どんな者でもいい、ロベルトが友を連れてきてくれるなら。


親の願いは叶わず、一年目は輪に入らず空を見てたし、二年目は黙々と一人菓子を食べてた。


自分を持ちすぎている。

他者に合わせるのが億劫でサボっているのだ。

そう言う結論が出た三年目。

それでも誰かと思う一心で、殿下のお友達を決めるお茶会に参加した。

殿下じゃなくてうちの子にも友達選んでくださいと言うのを心に留めて。


今回もだるそうに座っている息子を見ながら神に祈る。

どうか奇跡よ。


その願いが届いたのか、向かいに座る少女を見た瞬間息子がかわった。

嫌本当に別人だってくらいかわった。

気怠げな目はこれでもかってくらい開いている。

息子には大きい椅子にめんどくさそうに座って足をぷらぷらして遊んでいたのは、訓練でも見せたことないくらい背筋を伸ばし。

挙げ句の果てにどことなく生気のない顔だったのが頬を薔薇色に染め、口に微笑みを浮かべているのだ。


何年も見ていない息子の笑顔にこっちが驚いている中、それでも相手を確認する。

あー息子待て。

あんな美少女がお前を相手にはしない。

そこそこお前も綺麗な顔をしているが、中の上くらいだ。

それに気づけ、隣で女の子の兄が物凄く睨んでいるのを。

竜の血と神の血の先祖返り。

初めて会ったが、彼が噂のアドニス・リリーフロストなのだろう。

では神の愛し子の妹とはこの少女のことなのだろうとすぐに推測できた。

まぁ推測するまでもなく、人間でこれほどまで輝けるのは神の愛し子くらいだろう。


「おお女神」


待て息子、何初対面のお嬢さんを口説きにかかっているんだ。

ダメだぞ、相手が微笑んだからって勘違いしてはいけない。

社交辞令だと叫びたかったが、それどころではない。

出るは出るはそんな言葉どこで覚えたって聞きたいくらい熱い口説き文句。

隣のお兄ちゃんなんて目に入ってないだろうが、物凄く怒ってるぞ!

その横にいたゲルハルト・リリーフロストは相変わらずニヤついた顔でこっちを見てた。

俺の息子の奇行を楽しんでるな。

喋らなくてもうるさいやつだ。


「なのでわたしはあなたのだよ」


何がなのでかもうよくわからないがやめてくれ息子よ。

ニヤついた男にどっかいっけと念を送るが、視界の端の女の子が満更でもない顔してるのを見逃さなかった。

え?いいのかこんな奇行に全力疾走しいてる男で。


「ロッティ」

「まさかわたしではないよな」

「まさかだよ君は今日からロッティだ。

妹ばかりと話してないで僕とも喋ろうロッティ」

「嫌だ、わたしをそんな可愛い名前で呼ぶな」

「ロッティいいよねディー」

「そうですわね、おにいさま」

「ほらディーも良いねって言ってるよ」

「いやでも…うー」


さすが口から先に生まれた男の息子。

この息子を愛称で呼ぶまでいくとは!

さっきまで睨んでいたのが嘘のように楽しそうに息子と話してる。


「ふーん、ロッティあっちに行って見ないかい?

ディーも退屈してきただろう、探検してみよう」

「わたしは別に」

「なんだい、あんがいロッティはおくびょうなんだね。

ほらディーいこー」

「違うからな!まてわたしもいく!」


きゃっきゃと息子同年代の子と庭を駆け回ってる。

夢のようだと、一人その光景を噛み締めていた。


「ねぇ、久しぶりだねルドルフ。

一緒留学して以来かな。

君は白状だよね、あんなに仲良くしてたのに、会わなくなったら一切連絡くれないんだから」

「うるさいぞ、ゲルハルト。お前と仲良くした記憶などない」

「はは君これからいやでも仲良くなるさ。

なんせ、お宅の狼の先祖返りの息子さん私の娘にぞっこんじゃないか」

「今なんて言った」

「うちの娘にぞっこん?」

「いやそれは見れば誰もわかる。

そうじゃない、俺の息子がなんて?」

「何ってお宅の息子さん狼の先祖返りだろ」


なんだそれは?

竜の血は有名だ。神の血も稀だが数人あったことある。

大した特徴がないが精霊や妖精は隣の国でいっぱい見た。

他にも人魚の先祖返りや不死鳥の先祖返りも見たことある。

でも狼って何だ?


「またか君!

あれほど剣ばっかり振ってないで勉強しなさいって言っただろう。

留学先でも私がどれだけ君を助けてきたか」

「うるさいゲルハルト。

その狼の血とは何だ」


ぐちぐち言い出したので遮って話を進める。

こいつは長々説教するからな、強引なくらいでちょうど良い。


「何って、え?

君も入ってるよね狼の血。むしろ君も先祖返りだよ。

まさか私に言われるまで知らなかったなんてことは…その顔はあるね。

まぁそこまでこの国で有名な血ではないけど、自分のことくらい調べないかな」


気まずいので目を逸らす。

血がどうのなんてどうでも良いだろう。

食って寝って剣振ってれば大体うまくいくんだ。


「君にもう一度言うけど、多分言っても意味ないけど、せめて家族のことくらいは調べてやろうよ。

剣ばっかり振ってないで」


正論すぎてぐうの音も出ない。

だから昔からこいつが苦手なのだ。


「狼の血は、竜の血と同じで髪に出る色は銀髪だ。

髪色の濃さで血の濃さがわかり親から子に唯一継承される血だ。

早熟と集団の血でもある。

自分のやるべきことを早々に見つけ、集団でこそ輝く能力を持つ者が多い。

あと技の習得も速いね。

それで血を受け継いだ子は物心つくと主と自分の群れを作るんだ。

大人になれば血の感覚が薄くなり群れといのは意識しなくなり主が絶対的もなくなる。

君の場合は早くから王が主でそれに準ずることで群れだと思ったんだろうね。

その証拠に、王、あの頃は殿下を私が揶揄って遊んだら喧嘩になっただろう」

「ああ覚えてる。

今でも何故そこまでカッとなったのか覚えていない。

たいしたことではなかったはずだ。

ただどうしてもお前を殺したくなったすまない」

「良いよ。あれは序列を崩した私を君の血が許せなくておこしたことなのだから。

仕方ない」


殺されそうになったのに、ゲルハルトは許してくれた。

長年の蟠りが溶けて、気持ちがスッキリする。


「たぶん今スッキリしてるけど、それ血のせいだね。

やっと血の厳格な意識が薄れ私を群れの仲間という意識がなくなったのだろうさ」


そうなのだろうか?

まぁそう言うことにしておこう。


「で、君の息子だけど、同世代では自分が一番だと思ってたから群れ、人間でいう友達作らなかったんだろうね。

大体そう言う場合家族が群れのかわりになる。

そうなると君が主だ。

息子くんは子どもらしくなかっただろう。

属しているのが大人の群れだからね。

退屈でも属さないわけにはいかないんだ。

それに嫌そうでも君の言うことによく聞くだろう。

主の言葉は絶対だかね」


とてもよく当てはまる。

罰で素振り千回を言った時、泣きながらもこなした事もあった。

根性あるなと思っていたがあれは血のせいだったのか、悪いことした。


「それも終わりだね。今から聞かなくなるよ。

お宅の息子さん、うちの娘を一番に置いてしまったからね。

二番手は息子かな。

これからは親が何言っても聞かないよ。

今から子育てが始まるんだねー」

「何を言ってる」


子育てなら今もしている。


「まぁでもうちの娘の相手が君の息子で良かったよ。

うちの娘綺麗すぎるだろう。

竜の血のものでは嫉妬で何されたかわかんなかったし。

狼の血は脳筋で奥さんにデレデレなだけで、害はないからね」

「ふん」




と余裕を持って笑っていたのはここまでだった。

気怠けだが言うことをよく聞く息子はいなくなり、かわりに地面に寝転び回転し泣き叫びながら駄々をこねる息子が誕生した。

息子がやべー。

こんな息子見たことない。どうしたものか。


「いやだー嫌だーもっとあそぶー」

「もう遅いから帰ろう」

「いやだーわたしはまだアドニスとおいかけっこするんだー」


なるほど、これが子育てか。

息子の日頃の訓練の成果なのか暴れて抵抗され、抱えて帰るのも難しい。

ゲルハルトがこの光景を見ながらニヤついている。


「ほら、みんな見てるぞ」

「あそぶのー、かえらないー」


ゲルハルドの息子も娘も慣れたように見ている。

確かまだ娘がいたな。

なるほど、その娘はこんなかんじなのだろう。


「ロッティ」


ゲルハルトの息子の呼びかけに息子が止まる。

せっかくの芝が削れ息子の周りだけ丸く地面が見えてる。

息子やべーな。


「ロッティじゃない」

「それは良いとして、僕たちも今日はお腹すいたから帰るよ。

また明日遊ぼう。

明日うちに来たら良いよ」

「六つに鐘が鳴ったらで良い?」


元気に起き上がる息子やべーな、もう別息子だ。

そしてお邪魔するには朝が早すぎる。


「ロベルトそれは早すぎる」

「父さんに聞いてない」


急な反抗期におおっと怯んでしまう。


「じゃあ十三の鐘がなる頃にしよう。

僕も勉強しないといけないから」

「じゃあわたしもするそしたらもっと早くから遊べるだろう」


嘘だろ、本なんて剣の素振りの重しにしかしないくせに。


「うーん、ちょっと待ってね」


その言葉に素直に待ってる。

なるほど、血の影響はこんなにもあるのか。

ゲルハルトの言うように家族のことくらいは勉強すべきだな。

じゃないとこれから息子がただやばいやつになっても止めることができない。


ゲルハルトとその息子の話し合いが終わったらしい。


「明日は準備して明後日から僕の家に泊まりにおいで」

「ほんとか!」

「おじさまいいよね」

「ああ、でもお邪魔じゃないかな。

ロベルトは勉強嫌いだし」

「そう思ったらおいだすよ。

じゃあ明後日十の鐘が鳴る頃迎えにいくね」


おお、さすがゲルハルトの息子だ。

なかなか辛辣である。でも勉強も見てくれるなら助かる。

俺も勉強苦手なので教えても余計にわからなくするだけだったから。

それまでじっと見ていたゲルハルトの娘が、ロベルトの手をとる。

それだけで、真っ赤になったロベルトは本当に俺の知ってるロベルトなのだろうか。


「おとうさまのいうことはちゃんとおききになって。

おかあさまのいうこともですよ。

そしたらいっしょにいっぱいあそべますから」

「はい」


神の啓示を受けているようだが、見かねたお嬢さんが叱ってくれただけだ。でもありがたい。


リリーフロスト一家の馬車が見えなくなるまで必死に手を振っていた。


「じゃあ帰るか」

「うん、明日はとまるじゅんびして、明後日はおうちにいっていっぱいあそぶんだ」

「そうか。勉強の邪魔だけはするなよ」

「うん。邪魔だけはしない」


さっきより素直だ。

前の息子の素直さをままで、生き生きとした感じだ。

は!そうかお嬢さんが親の言うこと聞けって言ったからか。

ものすごくありがとうお嬢さん、敬意を込めて俺も女神と呼ぼう。


この後何度も女神!!と呼ぶことになるとは思いもしないし、このお茶会からかわった息子に、息子やべーが日に日に更新するとも思ってもいなかった。


開き直った俺は息子やべー日記を書くことにした。

どうせ何世代かしたら俺みたいな親が生まれる。

その時の子育ての役に立てばと思うのが三割。

あとは孫に見つかって笑われろと思うのが二割だ。


残りの五割は愛しい息子の成長を妻と見返して懐かしむためだ。


血の説明回パート2

ドラコニスなのに狼ってやりたかったけど、説明回だったのでやめました。


ちなみに孫はレイラが狼の血を継いでます。

なのでめっちゃ従姉妹や妹のお世話とリーダーやりたがります。

群れのボスはミネルバです。

めっちゃ言うこと聞きます。


ロッティママ出なかった。

クールビューティーでたいていのことには驚かなかったけど、かわった息子はついていけなくて旦那と一緒に息子やべーってなってる。

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