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お兄様、過保護過ぎるのでは?  作者: 蜂蜜
蝶は光を求めた

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3 ねぇお二人さん

兄が話を通したのだろう。

あの日ギルを連れ帰った時と変わらず、両親には「そうかわかった」とあっけない承諾をもらった。

お兄様はお兄様で


「ねえお二人さん、どっちも幸せになるんだよ」


とパーティーの前にそう優しく私達に言って準備に戻られた。

目頭があつくなる。

私が思っている以上に家族は私に甘いのかもしれない。



婚約パーティーは呼べるだけ呼んだ。

兄がいいと言ったからもあるが、ギルは私のって知らしめたい欲が爆発したせいでもある。


「エレーナ様おめでとうございますわ」

「レベッカ様ありがとうございます」

「さすがアドニス様ですわ。

私も影ながら二人の行く末を案じておりましたの。

こう言っては失礼にあたるのだけど身分的なものがその、ね。

でも二人はそれを乗り越えられましたわ。

愛ですわね」


それからもレベッカ様は二人の愛のなせる技だと褒めちぎってくださった。

たぶん半分本気で半分大袈裟に。

そうやって率先して祝うことで横槍を入れにくくしてくれているのだ。ありがたいことだ。

ただ私あまりにもお兄様お兄様と褒めるので私のお兄様なのにと少し嫉妬してしうまう。


レベッカ様とわかれ、ある程度お客の相手をしていると、遅れてお姉様夫婦がやってきた。

夫婦で祝いの言葉をもらい、お姉様は私、ギルはロベルト様と会話する。


「せっかくの門出だというのに遅れてごめんなさいね」

「いえ、お姉様も悪阻が酷い中申し訳ありません」

「悪阻は嬉しくて飛んでいってしまったわ。

ふふ、本当におめでとう」


化粧で誤魔化せないほど顔色が悪いので、一旦ソファーに移動する。

果実水を持ってきてもらい、一口飲み姉に手渡す。


「ありがとう」

「お姉様、今更なのですが、お義兄様との出会いを聞いてもいいですか」

「あら、恋のお話?ふふ姉妹でそういうの憧れていたの。

でもいざとなると少し恥ずかしいわね」


と少女のように頬を染める姉は美しく神秘的だった。


「ルルわたしのルルなんて綺麗なんだ」


そう言ってロベルト様は姉を膝に乗せキスを送り始めた。

あっ、なんかもうお腹いっぱいになってきたかもしれない。

態度がいつもと真逆の義兄に若干引き気味に尋ねる。


「あのお義兄様いつもと…多少、いえだいぶ姉への態度が違うような」

「ああ、もうすぐ子が生まれるだろう。わたしも成長しようと思ってな」


それは果たして成長なのだろうか。

横目でギルに視線を送るが、そっとそらされた。

だよね。違うよね。

目で会話している間に姉が語り始めた。


「あれは私が5歳の頃お茶会で目の前に素敵な方がいたの、そうロベルト様よ。

目があって微笑まれて私ドギマギしてしまって」

「あの日のことは忘れたことはない。

わたしの方が先にルルに恋をしたんだ」

「あら私がさきですわ」

「拗ねる君も愛らしいね。じゃあ同時でいいかい」


私達は何を見せられているのだろう。

藪蛇をつついた気がして、遠い目を二人でする。


「こらこら主役を捕まえて何をしているのかな」


お兄様〜!!

呆れた顔をした兄をこんなにも頼もしく思ったことはない。


「ルルの素晴らしさをどうしても聞きたいというので語っている」


兄は私達を横目で見たので力いっぱい首を横に振る。

大きなため息のあと兄は眉間を揉んだ。


「君はどこに向かっているんだいロッティ」

「ロッティと呼ぶなと言っている」

「それはまた今度聞くとしてロッティ。

その、たぶん君なりに成長?したんだよね?

じゃあ結婚式できるだろう」

「いやそれはまだ無理だ。心臓が口から出て死ぬ」


いい顔でロベルト様は言い切った。

何言ってんだこの人。ああもう何これ。

もういってもいいかな。

ギルと顔を見合わせる。


「死なないよ、口から心臓も出ません。何言ってんの」


兄は呆れをこして哀れなものを見るようにロベルト様を見た。

ですよね、お兄様。

ゆっくり抜け出そうとすると、横目で兄がこちらを見るが、こちらには何も言われない。

ロベルト様の言葉に冷めた返しをしていた。

これはもう行けと言うことなので遠慮なくその場をあとにした。



とりあえず一通り挨拶を終え、休息のために二人でバルコニーに出る。

街の灯りに負けないくらい星が輝いていた。


「なぁ、エレーナ、俺もお義兄さんみたいに愛を四六時中、囁いた方がいいか?」


ギルは何を学習したのか、怖いこと言い出した。

私は首を横にふる。


「四六時中はちょっと」

「そうか」


どこかほっとしていたが少ししょんぼりしていた。

そんな顔しないでほしい。

ギルの肩に頭を乗せる。


婚約が決まってから私達の距離はグッと近づいた。

それまで心の距離は近くても物理的距離は遠かった。

手さえ触れない日のほうが圧倒的に多く、触れてしまえば子供ながらに悪いことをしている気持ちが大きかった。

私の半身なのに触れ合えないのが苦しくて寂しかった。


でも触れ合える今はパズルのピースがピッタリはまるような、呼吸をするのと同じような、昔から当たり前のようになった。


「でも夜寝る前はささやいて欲しいかも。

私もギルにいっぱい伝えたい」

「ああ、もちろん」


星空の下、私達はどちらからともなく、唇を重ねた。

誰も咎められないキスは甘い味がした。


二人一緒ならどこへだってなんだってできるけど、周りから何か言われたって跳ね返すけど。

やっぱり祝福されるのは嬉しい。

頬に冷たいものがあたる。


「ギル泣いてるの」

「エレーナも泣いてるぞ」


二人して泣き笑いする。

それは安堵からなのか、嬉しいからなのかわからないけど、もうどっちでもよくなって見つめあってまたキスをした。


ギルバートは心の中で時々エレーナを天使様と呼んでいて

ロベルトは妻が女神だと信じて疑はない。

ギルもロッティと若干同じ属性(*゜▽゜)ノ

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