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第十三話 「今日はここまでします」

「ユウ、大丈夫?」


「なんとか....」


「無理はしないでね」


「はい.....」


 少しだけ沈黙。

 ダンジョンの奥を見つめる。

 暗い通路がまだ続いている。


「.....このまま奥、行きます?」


 自分でも少しだけ迷いながら聞く。

 ミオは少しだけ考えて――


「今日はやめとこ」


「.....ですよね」


 ホッとする。

「賢い」

「引き際大事」

「初心者はそれでいい」


「ちゃんと帰るのも大事だから」


「.....はい」


「それに」


 ミオが少し笑い、


「もう十分”当たり”引いてるし」


「確かに.....」


 苦笑する。


「じゃあ、戻ろっか」


「はい!」


 帰り道。

 さっきまでの緊張が嘘みたいに少し静かだ。


「.....なんかあっという間でしたね」


「集中してるとね」


「でも、楽しかったです」


「うん、わかる」


 ミオも軽く頷く。

 その時。

「アーカイブ回るなこれ」

「切り抜き確定」

「バズってる」


「.....ほんとですかね」


「多分ね」


 ミオがさらっと言う。


「今のは普通に良かったよ」


「.....ありがとうございます」


 少し照れる。

 出口が見えてきた。

 外の光が見えてくる。


「.....あー」


 外に出た瞬間。


「生き返る.....」


「大げさ」


「いや、マジですって」


 二人で少し笑う。


「じゃあ配信ここで切ろっか」


「ですね」


 カメラに向かって。


「今日はありがとうございました」


「また次もがんばります」


配信を終了し、静かになる。


「.....終わった」


「お疲れさま」


「お疲れ様です!」


 軽く頭を下げる。

 少しの沈黙がある。


「.....また行く?」


 ミオがふと聞く。


「え?」


「ダンジョン」


「.....行きたいです」


 少し迷いながらも、即答だった。

 ミオが少しだけ笑う。


「いいね、じゃあまた今度」


「はい!」


 ミオと別れた。

 一人になり、スマホを取り出す。


「.....どれくらい増えてるかな」


 画面を見る。

 登録者数。


「.....1200......え、まだ増えてる.....」


 思わず笑う。

 通知も止まらない。


「なんかすごいことになってきたな」


 少しだけ空を見上げる。


「.....もっと行けるな」


 小さく呟いた。

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