通信
この世界では情報の伝達が遅い、連絡手段が口頭以外ほぼ無いからだ。
「偵察を出すとして、連絡はどうするんです?」
父に聞いてみると、口頭しかないとの事。
「携帯電話や無線が無いからね~しょうがないよ、信号弾を使うにしても、内容までは伝わらないし」
「伝書鳩や伝書犬でも使う?」
「いや、実際使ってる」
「冗談で言ったのに、実際動物に任せて上手く伝わるの?」
「運が良ければね」
その程度だった。
「ギルドは独自の“通信手段”を持ってるらしいけど」
「秘密なの?」
「国として聞き出す訳には、いけないしね」
「では、個人として聞いてくる」
「いや、駄目だよ、そんな事しちゃ」
「大丈夫、秘密なのか有るのか無いのか、聞くだけだから」
ギルドに移動してハンソンに聞いてみた。
「ハンソンさん、通信装置て有るの?」
「いきなり何の話だ?」
「ギルドには、独自の通信手段が有るらしいて聞いてね、秘密なの?」
「秘密だ」
「て事は、ココにも有るんだ?」
「無い」
「え?」
「高価な物らしくてな、数も限られてるらしい、大体ココに有れば、お前がギルド本部に行く時に手紙なんて持たせずに使ってるて」
「ちなみに、ハンソンさんは、見た事は?」
「無い・・・・・」
「もしかして、王都て辺境の田舎?他の冒険者も居ないし」
「・・・・・そうだな、まだ出来て間もないギルドだからしかたない」
話をしていると、ハンソンさんが落ち込み始めた。
冒険者が居ない事やギルドとしての規模の小さい事は禁句らしい。
「どうして、通信装置の事を聞いてきたんだ?」
「いや、もし秘密にしているんなら、理由と自分が似たような物を作っても良いかどうか聞きたくてね」
「作るのか?」
「作ろうかなと、駄目かな?」
「いや、ギルドのは秘密だが、自分で作ったのは作った個人の自由だが、作れるのか?」
「作りたいけど、作れるとは限らないですよ」
「ま~普通の物作りはそうだけど、お前なら作りかねん」
ハンソンさんにジト目で言われ、愛想笑いで誤魔化す。
「そういえば、お前達が作ったゴーレム自動車だったか?商人達が欲しがってたぞ、俺の所にも何件か売ってくれるように頼んできたし」
「ん~売るかどうか皆で考えておきますが、かなり高い金額に成りますよ?」
「たとえ高くても、欲しい者は買うじゃないか?ま~考えておいてくれ」
城に戻り転生者会議を開いた、参加者は自分、父、兄、ぬいぐるみ、そしてぬいぐるみがバラしてしまった。祖父マジェスの4人と1匹である。
「これより、裁判を行います、被告クマのぬいぐるみ前に!」
「いや、ついバラシテしてしまって、悪気は無かったんだ」
ぬいぐるみのマサキを中心に机を並べ取り囲み、あたかも裁判の真似をしている。
「しかし、婿殿以外にも転生者が居たとわな」
「父が転生者なのは知っていたのですか?」
「結婚する時に御父様には、話をしてたしね」
「ま~お前達が転生者なのは驚いたが納得したし、だからと言って何か変わる訳でもない、今までどうりじゃよ」
「では、俺の罪は?」
「とりあえず面倒なんで、死刑!」
「小学生の裁判かよ!」
部屋の中心に天井から紐をつるし、ぬいぐるみの首に紐を縛り吊るして措いた。
部屋の中心で首を吊るされて、ぐったりとしたぬいぐるみがくるくると回る中、会議を再開する。
「で、本題は?」
「通信装置とゴーレム自動車の事なんだけど」
「ギルドが所持してると言われおる秘密のアイテムじゃな」
「転生者なら無線機や携帯電話と言った方が解りやすいけど、皆持ってない?」
「無いね~」
「作れない」
「持ってない」
「で、無いから作ろうかと思うだけけど」
『作れるの?』
「ヒントがあってね」
スケさんに相談を受けてた、カクさんとコンビで訓練してると連携も取れて上手くいくのだが、最近たまに、この場に居ないカクさんの声が聞こえてて来ると。
「恋の相談ですか?」
「違います!自分はそっちの趣味はありません!いや、無いはずなんですが・・・・・たまに声が聞こえてくる気がするんです」
同じ相談をカクさんからも聞いていた。
「BL?」
「ホモ?」
「ゲイか?」
「兵士達には良くある事じゃ」
「ま~原因は、ボーン騎士の魔石だったんですけどね」
「アーサーの魔石か?」
吊らされたぬいぐるみを見ると、空中であぐらをかいて座っていた。
「まだ死んでないね」
「“ぬいぐみ”だからね」
「最初から話にも参加してるよ!」
「で、アーサーの魔石がどうしてじゃ」
元々1つの魔石が真っ二つになり、その1つ1つをスケさんとカクさんは肌身離さず持っていた。
「で、たまに魔力が流れると」
「相手の声や意思が聞こえて来たてことじゃな」
「魔力と魔石による糸電話みたいな物ですね」
「使えるね」
「さすがは、伝説の騎士アーサー死しても尚も、国に尽くすか」
「主とは、大違いですね」
皆でぬいぐるみを見上げる。
いつの間にか、“ぬいぐるみ”は亀甲縛り変り吊るされていた。
「そんな目で見ないで!」
『・・・・・』
「で、残るはゴーレム自動車ですが」
「お~い」
「そうじゃな、商人達が欲しがってるそうじゃな」
「販売すれば同じ物を敵が手に入れることができます」
「販売しなくても、そのうち手に入れて作り出されるだろうけどね」
「早いか遅いかの違いがあるが、売りに出して資金にした方が得か」
一般へのゴーレム自動車販売が決まり、会議を終え部屋を出て行く。
灯りの消された部屋の中で、吊るされたままの“ぬいぐみ”を残して。
急な引越しにより執筆できずにすみませんでした。また書いて行きますのでよろしくお願いします。
ご意見ご感想、誤字脱字、アドバイス等ありましたら教えてください。
よろしくお願いします。




