表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鱗の恋――ある蛇の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/10

第九話「秋が来た」


秋が来た。


光が変わった。


空の色が変わった。



体が、重くなってきた。


動きが、鈍くなってきた。



その蛇も、鈍くなってきた。


よく、石の上で日を浴びていた。


春の最初の日のように、石の上で日を浴びていた。



傍に行った。


並んで、日を浴びた。



その蛇が、こちらに体を寄せてきた。


二匹で、体を寄せ合って、日を浴びた。



草が、色を変えていた。


緑が、黄になっていた。


橙になっていた。



その蛇が、草を見ていた。


自分も、草を見た。



夏に泳いだ川が、遠くに見えた。



その蛇が、こちらを向いた。


黒い目が、こちらを見た。


最初に目が合った日と、同じ目だった。



変わっていなかった。


春も、夏も、秋も、その目は変わっていなかった。



舌を出した。


その蛇の匂いを読んだ。


最初に知った匂いと、同じだった。



同じだった。


何も変わっていなかった。



(第九話 了)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ