表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鱗の恋――ある蛇の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

第十話「石の下へ」


冬が来た。


体が、動かなくなってきた。



石の下を探した。


暖かい場所を探した。



その蛇も、来た。


一緒に探した。



見つけた。


大きな石の下に、深い隙間があった。


暖かかった。



入った。


その蛇も、入った。



暗かった。


しかし、その蛇がいた。


体が触れていた。



眠くなった。


体が、眠ろうとしていた。



その蛇も、眠ろうとしていた。


呼吸が、ゆっくりになっていた。



舌を出した。


最後に、その蛇の匂いを読んだ。



同じだった。


春に初めて知った匂いと、同じだった。



その蛇の体が、温かかった。


眠りにつく前の、最後の温かさだった。



眠った。


その蛇の体に触れたまま、眠った。



春になれば、また出る。


また、石の上に出る。


また、日を浴びる。



その蛇も、出る。


並んで、出る。



そういう気がした。


眠りにつきながら、そういう気がした。



暗かった。


しかし、温かかった。


その蛇の体が、温かかった。



それだけで、十分だった。



(第十話 了)



鱗の恋――ある蛇の話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ