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鱗の恋――ある蛇の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第八話「危ないものが来た」


危ないものが来た。


大きな鳥だった。


上から来た。



その蛇のいる方へ、来た。



体が動いた。


考える前に、動いた。



その蛇の前に出た。


大きな鳥の前に、出た。



鳥が止まった。


二匹を見た。



鎌首を上げた。


舌を出した。


鳥を見た。



鳥は、しばらくそこにいた。



それから、飛んでいった。


羽音がして、飛んでいった。



静かになった。



その蛇が、傍に来た。


体をすり寄せてきた。



舌を出した。


その蛇の匂いを読んだ。



体が震えていた。


自分の体が、震えていた。


気づかなかったが、震えていた。



その蛇の体が、触れてきた。


温かかった。


震えが、少し、収まった。



草の中に入った。


二匹で、草の中に入った。


しばらく、そこにいた。



(第八話 了)

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