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鱗の恋――ある蛇の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第五話「雨の中を」


雨が来た。


草の上に、雨が落ちた。


音がした。



石の下に入った。


雨を避けた。



その蛇も、来た。


同じ石の下に来た。



狭かった。


しかし、二匹で入った。


体が触れていた。



雨の音がした。


石に当たる音がした。


草に当たる音がした。


土に当たる音がした。



その蛇の体が、温かかった。


石の下は暗かったが、その蛇の体の温かさが分かった。



外は、雨だった。


冷たかった。


しかし、石の下は、二匹の体の温かさがあった。



その蛇が、体をすり寄せてきた。


もっと、寄せてきた。



寄せ返した。



雨が続いた。


長い雨だった。



眠くなった。


体が、眠ろうとした。



眠った。


その蛇の体に触れたまま、眠った。



雨の音の中で、眠った。


その蛇の呼吸の音の中で、眠った。



(第五話 了)

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