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鱗の恋――ある蛇の話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第二話「近づいた」


翌日も、石の上に出た。


その蛇も、いた。



今日は、少し違う場所にいた。


昨日より、少しこちら側にいた。



自分も、昨日より少し近い場所に出た。


気づいたら、そうなっていた。



日を浴びた。


その蛇も、日を浴びていた。



しばらくして、その蛇が動いた。


ゆっくりと、体をくねらせた。


石の上を、こちらへ向かって来た。



止まった。


自分の、すぐ傍で止まった。



体の側面が、触れるか触れないかの距離だった。


その蛇の体の温かさが、伝わってきた。


日に温められた体の温かさが。



動かなかった。


その蛇も、動かなかった。



草の間で、虫が鳴いた。


遠くで、鳥が声を上げた。


川の音がした。



その蛇の呼吸が、分かった。


ゆっくりとした呼吸が、体の側面から伝わってきた。



自分も、呼吸した。


ゆっくりと。



二匹で、石の上で、呼吸した。



(第二話 了)


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