第4話 勉強-スタディ-
「王国の歴史なんて興味ねぇよ・・・」
約1時間、歴史学の授業を受けた直後の感想である
「歴史なんて流れで理解すれば簡単だよ」
「出来ないから苦労しているんだよ」
これだから真面目な奴は
「ではニュー様、ネオ様。休憩がてら剣術訓練でもしましょうか」
チャーティー先生が木剣を構える
「同時にかかってきて構いませんよ」
「いや、ニューに先を譲るよ」
「じゃあ、遠慮なく」
ニューも木剣を構える
「おお、正しい構えができています」
「では、いきます!」
数分後。ニューの木剣がチャーティー先生の喉元で寸止めされる形で決着がついた
「参りました。教えることは何もありません」
素人の僕から見ても、数回打ち合ううちにチャーティー先生もだんだん手加減がなくってきて、最終的には全力を出していたのに負けた。でもチャーティー先生が弱いというより、ニューが強すぎるだけな気がする
「ではネオ様、参りましょうか」
「えーっと、体力は大丈夫そうですか?」
「『ヒール』。ええ大丈夫です」
チャーティー先生が木剣を構える
「・・・?構えないのですか」
「ええ、大丈夫です」
「ならば、行きますよ」
チャーティー先生に近づかれ、木剣が近づいてくる。しかし、ニューの遊びにいつも付き合っている僕から見れば、剣速はかなり遅い。落ち着いて避けてから、思いっきり振り下ろす
チャーティー先生は気づき、急いでよけようとしたものの見事に肩に命中する
「・・・私の負けです」
「お兄ちゃん、すごい!」
これこそがニューに教えてもらった、初心者はとりあえず1撃で決めろ作戦である。剣技などの技術的な面は時間と練習量がモノを言うので、力量で負けているなと思ったら振り下ろし1本で勝負するというなかなか脳筋な戦法である
「いやー、冗談のつもりで言った戦法なんだけどね。実践して勝っちゃうとは・・・」
「冗談だったの!?」
「うん、振り下ろしが強いなんて適当に決まってるじゃん」
「振り下ろしは一番剣速が速くなるから、よけにくく威力が高いってあんなに力説してたのに!?」
「まぁ、それは本当なんだけどね。それまでに剣を振りかぶっていなければいけないから、こいつ振り下ろすなってばれるし、急いで振りかぶったら攻撃まで時間がかかるから全然実用的じゃないんだよ」
「じゃあ何で僕は成功したんだ?」
「私もびっくりしたんだけど、あまりにも自然な動作で剣を上にもっていってたんだよね。才能あるんじゃない?」
と、ニューは言っているが、ニューと戦うときに使っても絶対に当たらない。というより反撃の隙なんて与えてくれない
「・・・ネオ様は技術的な面はまだまだですが、才能の面は素晴らしいようです。ですので私に教えられるのは技術しかありませんが、磨いていきましょう」
技術がないことはバレたようだ
「では魔法について、と言いたいところですがお二人は魔法が使えるという風に聞いております。どこまで使えるか聞いてもよろしいですか」
「お兄ちゃんも私も上級魔法まで使えるよ」
魔法には初級中級上級の3種類に分けられるが、いまいち区別方法が分からない。とりあえず使える人が少ない魔法が上級魔法と呼ばれている
「では基本魔法に関しては教える必要がないようです。理想化から始めましょうか」
「あ、理想化も使えます」
「本当ですか?では使ってみてくれませんか」
「「理想化」」
僕とニューが同時に発動する。ニューの髪が長くなり、金色のオーラに包まれる。僕の背中から触手が4本生える。ちなみに触手と言ってもタコやイカのようなうにょうにょした触手ではなく、コードのような細長い無機質な触手である
「なるほど、ニュー様は強化型、ネオ様は変化型ですか」
「強化型と変化型ってなんですか」
「強化型は見た目がそこまで変わらないイデアルの変化形態です。それに対して変化型は人には本来存在しない部位が生えることが特徴で、強化型より身体能力の上昇率は控えめであることが多いです」
「そうなの?お兄ちゃん」
「さあ?僕は強化型じゃないから何とも言えないが、上がっていると思うぞ」
「んーじゃあ、お兄ちゃん攻撃してきてよ」
「分かった、行くぞ」
通用しないと分かり切っている、剣技で妹に挑む。おまけに触手も使って手数を増やすが、すべて捌かれる。僕の一撃の隙をついて剣がはじかれる
「うん、私の上昇よりは少ないけど結構上がっているような?気がする」
「良く分かるな。僕にはさっぱり分からない」
「これは経験・・・直に分かると思うよ」
経験って・・・ニューの前世もそこそこ大変そうな人生な気がしてきたな
「あのー、申し訳ないのですが魔法に関して私が教えられることは一切ないようです」
いろいろあり、入学までの授業は僕は歴史・戦術学・生活学・剣術、ニューは宗教の一つとなった。チャーティー先生は教えることが思ったより少なくて悲しそうだった
[ちょっとだけ補足]この世界の魔法は初級中級上級魔法と区別されているが、はっきりとした差異があるわけではなく適当に決められたもの。「こんな魔法がつかえるなら上級者だよね」みたいなふわっとした感覚で定められている
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