表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傍観人如月哲也  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/11

第4話 開始45分、罰より希望

模擬裁判、開始から45分。

俺のタイピング速度は、もはや新幹線。

議論のスピードに追いつくため、指が勝手に動いている。


---


「更生って、誰のためにあるんですか?」


傍聴人Aが、またやった。

この人、絶対に“黙る”という概念を知らない。


検察官・佐久間さんが、眉間にしわを寄せる。


「更生は、社会のためです。再犯を防ぐために、教育が必要なんです」


弁護士・水谷さんが、すかさず乗っかる。


「でもそれって、“社会の都合”じゃないですか?

 本人が変わりたいと思ってなかったら、意味ないですよね?」


俺は議事録に書いた。

《更生、社会の都合か本人の意思か。記録係、哲学の沼に沈む》


---


陪審員の一人、大学生のミナミちゃん(19)が手を挙げた。


「私、思うんですけど…タカシくん、誰かに“信じてもらった”ことって、あったのかなって」


会場が静まる。

俺も思わず、タイピングの手を止めた。


「私、昔ちょっとグレてたんですけど…先生が“信じてるよ”って言ってくれて、変われたんです。

 だから、罰よりも、信じてくれる人が必要なんじゃないかなって」


俺は議事録に書いた。

《陪審員、涙腺を刺激。記録係、心がちょっと温まる》


---


傍聴人Aが、珍しく静かにうなずいた。


「罰って、“過去を裁く”けど、希望って“未来を信じる”ことですよね。

 タカシくんに必要なのは、どっちなんでしょうね」


裁判長が、ふっと目を伏せた。

「…模擬裁判とはいえ、考えさせられますね」


---


俺は議事録に書いた。

《傍観人、希望を語る。記録係、コーヒーを飲むタイミングを失う》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ