スタートダッシュ3
光圓寺に言われたい放題で心に大ダメージを受けてたはずの陽介だったが、不思議と興味を持ちついて行くことにした
結局俺は光圓寺について行った。彼は高速を降りると道なりに進みとある屋敷の前に車を止めた。ん?屋敷!?。コイツってそんな奴だったのか。そんなことを考えていると屋敷の門が開いた。やすやすと車で入っていく光圓寺に、陽介は少々緊張しながら門をくぐる。光圓寺に誘導されながら車を進めていくと木製の小屋の前で止まった。光圓寺が小屋の中に入り電気をつけてからシャッターを開とそこにはたくさんの整備器具が置いてあった。ここまで集めてるのは友達の中でも誰も見たことがない。光圓寺が一頻り片付けを終えるとこちらに手招きしてくる。〝入れろ〟と言う意味だろうと陽介はその小屋にスープラを入れた。
「ついてきたということは、その気なんだね。」
出てきて早速そんなことを光圓寺が聞いてくる。
「まあ気になったしね。そんなことより
ココって一体……。」
さっきから思っていたこと陽介が聞いてみると、案外答えはサラッと返ってきた。
「ココ。実家。」
「へ?ココお前んち?」
「そうだけどそれがどうかしたの?」
「どうかしたのってお前こんな豪邸に
住んでたのかよ!」
あまりの衝撃に声が裏返る。学園での光圓寺は言わば人見知り。顔はいいのだがどんな奴でもこいつの絶対零度には勝てない。実際コミュ力最強と呼ばれた俺が負けたぐらいだ。そんなの勝てなくて同然なのだが……。そんな人間がこんなところに住んでいるとは到底思えない。
「もしかしてお父さんとかが会社の
お偉いさんとか。」
「まあ大体そう。聞いたことないかい?丘田 正蔵。」
「丘田 正蔵だとー!あのたった一言で現内閣の上位幹部まで登り詰めたあの!」
「うん。お父様はそこまで凄いとは思ってない
ようだけど。」
陽介の驚いた様子に苦笑しながら光圓寺は
語ってくれた。
「実を言えば僕、二年前から車の免許持ってたんだよね。普通は犯罪になるだろうけど僕はその頃お父様にお願いして特別に免許を取る権利をもらっていたんだ。学校トップを維持してお茶水学園に入ることを条件に……。これはその頃から集めてきた整備道具なんだ。僕はチューンをするのが大好きだったから。」
語り終えると、今度は真剣な顔をしてあることを持ち掛けてきた。
「チューンをするにあたって一つお願いがあります。このスープラにおいては現状、最悪な状態です。なのでチューン後は今日乗った感覚を忘れてください。とはいってもそれは容易ではないのでしょうから協力という形でもう一つあるFCに乗ってもらいます。ちなみにパワー重視となっているので操作性は期待しないでください。」
「FC?ああ!あれか。」
陽介の目に飛び込んだのは話してる間に目の前に佇んでいた白いRX-7FC3S……。棒人気レース漫画が頭をよぎるが、即座に打ち消す。
「そうです。雰囲気組でも流石にそれは分かるん
ですね。」
「そっ、そりゃあ流石に。でもいいのか本当に俺が乗っていいのか?」
申し訳なさで聞いたつもりが光圓寺にまたため息をつかれてしまう。
「さっきの話ちゃんと聞いていましたか。あくまでも協力してもらうために貸すだけです。あげたわけじゃありません。」
「レンタカーみたいな?」
「そういう感じです。」
さっきからやたらと協力という言葉を強調してくるので何だろうと思ったが、これ以上追及するのはやめておこう。
「それはともかく結構かかりそうって解釈で
合ってるな。」
「話が速いですね。そういう人嫌いじゃないです。」
いつもとのギャップが余計に光圓寺を引き立たせているため自分の目を疑ってしまう。目の前にいるコイツは本当にあの絶対零度なのだろうかと。
「とりあえずありがとう。ありがたく使わせて
もらうよ。」
そういうと運んできてくれたのだろう召し使いさんが車のキーを渡してくれたので、代わりに自分のスープラのキーを手渡す。
「今日はありがとう。また来るよ。」
「ええ。また好きな時にどうぞ。」
学校で全く見せない光圓寺の笑顔を見れて上機嫌となった陽介はFCのエンジンを始動させて、家へと帰っていった。
今回も読んでいただきありがとうございます。連続投稿しておりますが、毎回ちょびっとしかないのはやっぱり駄目でしょうか?制限を切ったのでできれば感想お願いします。今回も挿絵作成として利用させてもらった「グランツーリスモスポーツ」さんには感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございます。ではまた次回




