レイへの対戦権
カクヨムでも投稿しています
目を覚まして辺りを見回すと、幸い見憶えのある場所だった。ここならば、カシンの施設からそう遠くないだろう。
カシンの施設へと向かって一歩前進した。
だが、カシンの施設に行ったが、人影はこれぽっちもなく、私は、それでも探し回っただが、もちろんカシンの姿や、その仲間の姿がなかった。
これでは、ゲームにすぐに参加することができない。
自分で相手を見つけようとは思ったが、不審がられて、終わるだけだという思考に漂着した。
しばらく当てもなく、彷徨っていると、複数の足音がこちらに向けて、走っているのが聞こえた。
「もういないか? バカな奴らめ。クロノ様に反抗するなど、たかが知れている。人間ごときが、反抗ができるわけがない。人間は、滅びる定めなのだ」
顔を布で覆った集団がそれに深く同調した。
私は、構わず、飛び出した。カシンを、今までいいように利用してきた。だから、その恩返しをしたい。幸い、駆け引きは、得意だ。
「お前らの目的は?」
「おいおいまだ残ってんじゃねぇか」
指を指して、バカにしてくる。
「質問に答えろ」
「わたしどもの目的は、クロノ様の望みである人類の滅亡を叶えることだ」
「クロノの望み——、」
確かに、ゲームをやる理由については、それらしいことを仄めかしても、完全には知ることはできたことはなかった。
「呼び捨てにするな!! クロノ様を筆頭にしたあの御三方は、尊いのだ」
つまりこの集団は、クロノの望みを勝手に人類の滅亡などと歪曲させて、自分勝手な優越感に浸っているだけのイカレ野郎だということだろう。
「ここにいた人達をどこにやった?」
「ここにいたやつらは、同じ場所に転生し続けるという呪具サンタマリアによって、今も燃え続けている」
助かる可能性は、もうゼロだと判断した。彼らに対して何かやられることがあるとするならば、この集団の教義を一掃すること。そして、レイを倒して、彼らの人類滅亡という野望と思われることを防ぐこと。
「わかった、もう助からないんだな」
「お前は、一緒に火だるまだ」
腕と脚を、持ち上げられて、どこかに連れて行かれそうになる。
だが、どこからか、矢のようなものが飛んできて、集団の目に突き刺さった。
その人物に、手を引っ張られたが、無慈悲にも、何を狙ってか、頭の中に声が響いた。
——参加者数が、9999万9999人となりました。よって、見込みの高い十人を選抜して呼びます。本来とは、異なりますが、これが最後の情です。
それは、クロノの声だった。それにしても、いきなり呼び出すことができる能力は非常に万能だ。
俺の身体は、光り輝いて、どこかへと転送された。
起きた場所は、この世の終わりのような荒廃した土地と、大地の恵みを受けたような稲や花々が咲き誇るなんだか、現実離れした場所だった。
少し離れた場所に、大きい塔が建っていて、ルーズの姿も遠目に見える。
「選ばれた十名の皆様、おはようございます」
クロノが空中に浮かんでこちらを見下ろしている。
「本来は、最初に提示されたルール通りにことを進める予定でしたが、参加者数が一億人となってしまいました。想像していたよりも人間は強欲なようです。ほとんどの人間に対しては、なんでも叶えるかわりに負けたらこのゲームへの参加という提案をしましたが、誰一人として、拒否するものは現れなかった」
それは、嘆き、哀しんでいるようであり、楽しんでいるようでもあった。
「それでは、ゲームを始めさせていただきたいと思います。この中から、レイとの対戦ができるのは、果たして何人になるでしょうか。一番速く、塔を登った人が勝ちです。よーい、はじめ!!」
なんの脈絡もなく、ゲームが開始された。他の人間に負けないように、私も駆ける。一番最初に反応したやつが、塔のドアを開けた瞬間に、上から落ちてきた石に身体を潰された。
「うわっ、」
後続にいた連中はたちまち退けぞいた。
このドアを開けて入るのには、タイミングが重要だ。そのタイミングはおそらくここだ。
私は、周囲に目もくれずに、走り抜けた。
石が落ちてきた時、ドアのぶのところをよく見ると、赤くなっていた。瞬間的な判断力がいつもよりも冴えている。
後から、数人が追ってくるが、三人ほど石によって押しつぶされていた。おそらく十人のなかのひとりに、人を犠牲にして入るという方法を使ったに違いない。
石よけに人を担げば、問題なく、通れる。他の人がやれないのは、倫理が多少なりとも存在するからだ。
残りは、四人、塔に登るには、階段を登る必要がある。ただし、どこに罠があるかわかったものではない。
他の三人が登るのを待ったが、一向に登るものがいない。
「おい、いけよ!!」
おそらく人を石よけに通った人物が近くにいた人物を押した。
「あっ、お前がいけばいいだろ」
そこで喧嘩になっていたが、残った一人は、迷いなく、走り抜けていった。
彼女は、階段を飛ばし、飛ばしで走り抜けていった。ということは、この中に、踏んではいけない段数があるということ。彼女がなぜそれを見極められたかはわからないが、彼女が最初に踏んだのは、1段目、次は、4段目、その次は、9段目。
つまりnの2乗段目だけを踏むことができる。
助走をつけて、階段を登っていった。
その後を二人はついてくるが、身体がぶつかって、違う段を踏んでいたと、気配でわかったなぜならば、階段を登り終わった後、そこには大きな穴が空いていたから。
私は、一列に伸びる廊下を注意しながら走り抜けた、しばらくすると、突き当りにあたり、文字が書いてあった。
Ture or False
二つの道に分かれている。先に行った彼女も迷っているようだった。
なにか仕掛けがあるとは思ったが、結局なにも見つけることはできなく、結局右にいくことにした。
彼女は反対の左に。
「おめでとうございます。あなたは、レイとの対戦権を手に入れました」
レイが優雅に腰掛けていた。




