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HOME - 巨樹が空を覆う世界で -  作者: lovely plants
最終章 隣の席

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第25話 暗い部屋

 家に着いた。


「ツムギの家には——お前は行かない方がいい」


 レンはその一言だけ残して、ツムギを背負ったまま、ツムギの家の方へ歩いていった。振り返らなかった。振り返れなかったのだと思う。


 玄関のドアを開けた。暗い廊下。緑色の月光。


「ハンナ?こんな時間まで——」


 母さんが何か言っていた。聞こえなかった。


 自分の部屋に入り、ドアを閉め、鍵をかけた。


 ベッドまでたどり着く気力もなく、床に座り込んだ。


 スマートフォンを開いた。


 ツムギとのメール。最後のやり取り。


******************************

ハンナちゃん、元気?

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元気だよ。どうしたの?

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ううん、なんとなく

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******************************

ハンナちゃんのこと、すごいと思ってるよ。怖いことなのに、ちゃんと向き合おうとしてて。私だったら絶対逃げてる

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レンくんがハンナちゃんを守ろうとするの、分かるよ。ハンナちゃんには守りたくなる何かがあるから。それは、悪いことじゃないよ

******************************


******************************

うん!おやすみ、ハンナちゃん(´꒳`)

******************************


 画面が涙で見えなくなった。


 ツムギはあの夜、何を思ってこのメールを送ったのだろう。


 好きな人が、別の女の子のことを話しているのを聞いた夜。それでもハンナちゃんのことを「すごい」と言ってくれた夜。寝る前に絵文字付きの「おやすみ」を送ってくれた夜。


 ——全部、最初からあった。


 全部、ツムギがくれていた。


 私が受け取れなかっただけ。

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