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HOME - 巨樹が空を覆う世界で -  作者: lovely plants
最終章 隣の席

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第23話 回想と後悔

 あの瞬間のことを、考えていた。


 光に包まれていた瞬間。「ここがHOMEだ」と思った瞬間。力に満たされて、世界を作り替えてやろうと思った瞬間。


 あの瞬間——ツムギは、ここにいた。


 私が知らないところで。


 私が何も知らないまま。


 吐き気を堪(こら)えて。体が壊れていくのを感じながら。


 私を——待っていた。


 ずっと。


 そして私が「人間に戻る」ことを選んだ瞬間——その選択の代償(だいしょう)がツムギに。


 私の最も正しい選択が。


 私の最も美しい瞬間が。


 ツムギをこんなことに。


 ——いや、違う。


 もっと前だ。もっとずっと前。


 ツムギが「隣だね!」と笑ったとき、私は喜べなかった。


 ツムギが唐揚げを差し出してくれたとき、私は素直に喜べなかった。


 ツムギが「すごいと思う」と言ったとき、私は壁を作った。


 ツムギがあの夜、メールをくれたとき、私はツムギの気持ちに何も返せなかった。


 ツムギはずっとそこにいたのに。私の隣に。


 なのに私は、ツムギを見ていなかった。ツムギの笑顔の裏にある痛みも。ツムギが私に向けてくれていた本当の気持ちも。ツムギが私の居場所の一部だったことも。


 全部——全部、気づけなかった。


 気づいたときには、隣の席はもう空いていた。

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