7話 初めての戦闘はいつも通りゴミ
『周囲のマップ、地名を表示できますよ』
モールモータさんから聞いた話を実践している。画面にマップを表示することを意識して出したものを眺めながら歩いていた。
「マップ通りならここら辺……」
俺はカナリデと共に街の外に出て鬱蒼としている森の中にいる。今は3:04なので深夜、夜明け前とも言える時間だ。なのでこの辺りには街の光も届きづらいためとても暗かった。
下にあるお目当ての草を手に取りステータス情報を見る。
ステータス
名前 ハフリーフ
種類 薬草
効果 ほんの僅かにHP回復効果が見込める。
概要 生い茂る森に良く生えている楽草。味は苦い。飲み物と混ぜると苦味が紛れる。品質は低い。
「おお、あったあったこれこれ」
回復薬草。このステータス、効果も概要も見れるの便利だなー。
「普通の人はステータスとか見れないんだよね?」
「はい。私しみたいな天使でも見れません職業勇者でないと無理だと思います」
「そうだよなー」
それだと前モールモータさんが一気に話してた内容にあった、ご飯を食べる時に使うものと紙と布意外触れないって言うのを除けば職業勇者ってそれだけで結構便利なんじゃないかなーと思うんだが……余程無職が嫌いなんだな……まあいくら能力があっても無職のような何もしてないやつはどの道使えないってことか……。
そこから薬草をちょっと取ったらモンスターを探しに移動した。
◆◆◆
《ヤヤーン》Lv3
HP■■■■■ MP■■■■■
127/127 3/3
イノシシ位の大きさで目が付いた毛糸のモンスター、ヤヤーンが眼の前にいた。
『モンスターの名前、レベル、HP、MP、状態異常が表示されますね』
自分とパーティメンバーのだけでなく敵のも表示されるって聞いてたけど確かにされるな……ますますゲームっぽい。
「HPも職業勇者以外には見えないの?」
「はい私たちには見えません」
「それは結構なハンデだな」
久々のちょっとした高揚感が俺の中に湧く。
珍しいこともあるんだな……。
「君、先ずは俺一人でやってみたい」
「ん……? はい」
こいつは明らかにMPが少ない。魔法とかそういうのは使ってこないだろう。
「おりゃあああ!」
俺はヤヤーンに殴りかかる。バシッと見事にそれは当たった。
《ヤヤーン》Lv3
HP■■■■■ MP■■■■■
124/127 3/3
「え!?」
変な声が出た。
HP3しか減ってない!?
ヤヤーンが思い切り体当りしてきた。
「うわあ!! うわあ!! ゔっ!!」
何度も強く殴られるように体当りされる。勢いが強く反撃したくてもできない。
視界にちらりとカナリデが心配そうにしている姿が見えた。
腹も肩も腕も痛い、痛い、痛い。殴られ続ける。俺は小声でカナリデを呼んだ。
「倒してくれ」
その瞬間ザパンッ!! とカナリデが剣を使って一太刀で敵を真っ二つに斬り倒した。
『追加で三人までパーティ登録ができ経験値を分けられる』
前にも確認したことだが、経験値8と倒していない俺にも経験値が入ってきた。
『倒した敵からドロップ品を得られることがあります。確率ですがね』
ドロップ
ヤヤーンの毛肉
ドロップ品が出ていた。
……獲得したのか……この感じだと結構ドロップするのか……? それともビギナーズラック? まぁどっちでもいいや……。
俺の気分は地に落ちていた。
『アイテムや倒した敵などはアイテムボックスに仕舞えるそうです良いですよね〜憧れます』
薬草も既に仕舞ってあるが、重い体を動かしヤヤーンに触れて回収した。ビュンッと。
それを見てカナリデが神秘を見たような話し方をする。
「偶にこの世界でリアルとはかけ離れた現象を目にすることがあるんですが、職業勇者の方といるとその割合がずっと増しますね」
「そうなんだ……」
俺の肘や胸などからは少し血が滲み出していた。
この世界でも血は出るんだな。
腕を捲ったりして怪我を見る。
最初のモンスターで怪我か……。
昔中学で言われたことが頭に過る。
『お前ほんと何もできないよな』
『いやいやそんなことないって、落ち込ませるなよ从ニは何もできないんじゃなくて余計なことしかできないんだよ』
男たちは笑いながら話していた。
「俺はやっぱり無職だな」
それを聞いたカナリデが近づいてきた。
「無職でも勇者は凄いです。来てくれただけで感謝です!」
『お前守られてばっかだよな! 気づいてないと思うから教えてあげるよ、お前親がいなかったらとっくに死んでるよ』
《職業勇者の試練》
00:30:00、00:29:59、00:29:58……。
変なのが視界に表示された。
「親がいなかったら死ぬのは当たり前だろ」
俺はボソリと呟いた。カナリデは首を横に傾けていた。
「で、これかあの国王が言ってたのは」




