5話 天使になった人間の奴隷
「ボアス国は昔前国王の時、仕事はできない人の分まで皆で助け合うものと言う考えでいました。がその結界、仕事をしない者の方が増え国が傾きだしました。貧しくなる国の中その期間が何100年と続き国民の反乱から国王が変わったのです。その調子で良くなる方向に変わろうとして、職業勇者も呼び停滞している国力を武力からいっきに変えよう。そんな時に無職の職業勇者……あなたが召喚されました」
モールモータさんは店に行くまでの道のりでこっちの世間に疎い未熟な俺のために説明してくれていた。
「ふぁーんなるほど、だからこんな無職に当たりがキツイのか」
そうして話している内に大きなテントの建物が張ってある場所につきそこの中へと入って行った。
中は暗かった。ろうそくの明かりであちこちが照らされている。
日本だったらちょっと怖めの場所になる。今の俺にはもはやビビる意味も分からないと思っていたが、中の檻に入る熊型モンスター、イノシシ型モンスターなどの猛獣等を見て少しビビっている。
……俺とお前等どっちの方が不運なんだろうな……捕まってないだけ俺の方が運が良いのかな。比べて考えるのは失礼だけど楽になるよ。ごめん。
中にはやはりと言うか人間種と区別して良さそうな首輪や腕輪をした人たちもいるのだが、見ると結構小綺麗で居る場所もスペースがある。
「奴隷ってもっと扱いが酷いのかと想像していましたが、違うんですかね?」
「商品だから品質は保たないと精神を病んでいたら売れないのですよ」
「なるほど」
生き物以外にもアクセサリーなども置いてある。
「ここにある物には盗品なども売り込まれ混ざっております。ご興味があれば後ほどにでも観ていってください」
「あぁ、ありがとうございます」
歩いていると1つのイスに座る綺麗なショートの金髪に細かな装飾が入った豪華で大きな首輪を付けている若そうな女性がいた。胸には何やら黄色い光る輪っかを縛り付けていた。
「こちらがお客様に是非とも見せたかった品です」
モールモータさんはお辞儀をするようにその金髪の女性を手で指した。その女性が俺を見て目が合う。
「えっと……この人は何か?」
「この女性は実はただの人間ではないのです! 種族、天使。現在17歳、元は人間でしたが訳あって天使になった者です。天使の輪が胸に付いてますでしょ?」
「あ、それ天使の輪なんだ」
「分かりづらかったですね。カナリデ外してみなさい」
不思議そうなそれでいて驚いた表情をして……はいと答え、カナリデと呼ばれた天使の金髪の女性は胸に縛る縄を解いた。その瞬間、胸の位置にあった天使の輪は頭の丁度上へ勝手に戻っていった。
「天使だ……」
「そうですよーちょっと変わった事情もあり首輪も豪華な物になっています」
イメージ通りの天使像になったな。と言うか天使の輪って動かせるんだ。
「……なんで天使の輪、胸に縛ってるんですか?」
「天使を嫌うものもいなくはないので……」
「ふーんそういう扱いかー……」
「いやぁー……天使とバレづらくするため布などで被せると戻る引力が強くなり紐をちぎってしまいますから見える位置に縛っているのです……はい……」
俺は天使の女性を見る。奴隷なのに何処か元気そうで。
俺とは違うみたいで良かった。
「自己紹介しませんか? ほら、自己紹介しなさい」
はいと答え、天使の輪を胸に縛り戻していた女性はそれを終えてから立ち上がった。
「私の名前はカナリデ・ホンナーアです。聞いての通り天使になった人間の奴隷です」
「从ニニニ、俺は……無職の職業勇者だ」
「えっ……」
カナリデは凄いと少し目を見開き無職に興味を持つ様な表情を見せた。




