新大陸と オタク女子
再び海を渡り始めるサクラ達、
大陸に到着するが…
「海は続くよ何処までも〜」
凄い速さで飛んでいるサクラが口ずさむと、
海底から一緒に連れて来た忍者太郎が、
「マスター、変な歌を歌って無いで、
休憩をしてくれ」
サクラが変な歌を口ずさむ1時間前、
海面に戻った時はすっかり暗くなっていた、
ポータルも無事に海の上に開ける事ができ、
海岸まで戻されていなかった事に安堵したサクラは、
忍者太郎達を連れていきなり飛び始める、
いきなり飛び始めたサクラに向かって太郎が、
「マスター、もう夜だ拠点に帰って休め」
「暗いってまだ夕方くらいでしょ、
なるべく早く次の大陸に行きたい、
ポセイドンが余計な事言ったから、
早く海を渡らないと」
「それは気にし過ぎだと思うが」
サクラは正面を向いたまま、
「アタシは何でも手伝うけど、
アタシの立ち位置は…影の番長とか、
裏番とか縁の下の力持ちとか、
影の支配者みたいのがいい」
「また中二病みたいな事を言っているが…
それに微妙に意味も違う気がする、
支配者ってそんなのになりたいのか?」
「そんな者になりたいわけ無い」
太郎は「フッ」と鼻で笑って、
「自分で言っていたくせに…
じゃあ拠点に戻らなくて良いから、
一回止まって休憩しよう」
サクラは止まり、
「じゃあアタシが作ったイカダで休もう」
サクラは、
イカダの上にリヤカーの荷台が乗った物を出して海に浮かべる、
太郎達はイカダもどきを見て、
「これは何だ?」
「イカダだよ、
ポセイドンはガラクタと呼んだが…アイツめ」
「まっまぁ〜海に浮かぶなら良しとしよう」
太郎はイカダの上に乗って軽くジャンプする、
「見た目と違ってしっかりとした作りだ、
これなら乗っても大丈夫」
「そりゃ〜そうでしょ、
アタシが作ったんだから」
サクラはイカダの上に乗って、
偉そうに両手を腰に当てた、
忍者太郎達はサクラの事をスルーして、
せっせと食事の用意をしてから、
サクラを抱えて椅子に座らせる、
「食事をして早く寝ろ」
サクラは黙々と食事をしながら、
(マジ子供扱いだな…)
そんな事を考えながらふとっある事に気付く、
「忍者太郎君達さ、
初めて会った時に比べて、
口が達者になってるよね?何で?」
「それは…どうしてだろう?
多分色々な話をして覚えたんだろう」
「やっぱ自動学習みたいなものか…
でも凄く無い?日々成長してるって」
2人の忍者太郎はサクラの前に立って、
悲しそうな顔でサクラを見つめていた、
それに気付いたサクラは、
「えっ?アタシ何か悪い事言った?」
太郎達は首を左右に振ってから、
「マスターは変わらない、
成長はいつするんだ?」
「へっ?」
「私達が成長するのはどうでも良い、
マスターの為なんだから、
マスターに成長して欲しいが…
マスター段々とこの世界に慣れて来て、
本性が出て来てる様な気がする…」
「本性って何さ?」
「海底でポータルに入った時、
おなしゃすって言ってた、
最近のマスターはネット用語増えて来ている」
サクラは立ち上がって、
「ええ〜それってダメなの?
この世界に慣れて良かったねじゃ無いの?」
「オヤジとママさんが言ってた、
マスターが何言っているか分からない時があると、
変な言葉ばかり使って将来が心配だと」
サクラは両親の話を聞かされて、
「ファ?ファッファッファ〜?」
何を言って良いのか分からず変な声が出た、
忍者太郎達は益々悲しい顔になって、
「それは何て意味?
マスター、拠点でもエバン達が、
草とか大草原とか言って大笑いする様になった、
何でそんな言葉を使う?って尋ねたら
マスターから教えてもらったと言っていた」
「それは…聞かれたから、
別に良いじゃん、悪い事言っている訳じゃいないし」
「悪いとは言って無いが、
大人はもっと違う話し方をした方がいい、
オヤジが言っていた、
昔の人達は話し方が丁寧だったと、
将軍様に対して侍の話し方がカッコイイと呟いていた」
サクラ目を見開いて忍者太郎達を見つめてから、
怒りの表情になって、
「あのクソオヤジめ〜
オヤジに感化されてサムライの着物が着たいとか言ってたのか…
太郎君が何を基準に大人って言っているのか知らないけど、
オヤジの趣味は忘れて欲しい、
あんな時代劇の様な話し方はアタシは出来ない、
もしアタシが、
太郎君今日は天気が良いでござるなぁ〜、
って言ったら嫌でしょ?」
太郎達はニコニコ顔になって、
「マスターそれカッコイイ」
サクラは脱力して、
「ダメだこりゃ、
侍が将軍に向かってゴザルって使うか?」
と古いツッコミをしてから、
サクラは遠い目で空を見上げて、
「さぁ〜太郎君食事が終わったから、
このまま飛んで進むよ、
イカダごと飛ばすからアタシも休めるからね」
サクラは強引に話題を逸らしてから、
イカダを飛ばして横になり、
(太郎君達の変な趣味を、
押し付けられない様に何とかしなきゃ…)
そんな事をブツブツ言いながら飛んで行く、
夜明けにはドラゴン達が住む大陸に到着した。
海岸に降り立って耳を澄ましてみるが、
聞こえて来たのは、
波の音と森の中から聞こえる鳥の声だけだった、
サクラはイカダを片付けてから、
「あ〜やっと着いたよ、
最初から飛べば良かった、
船より飛行機の方が早いの当たり前じゃん、
何で泳いで海を渡ろう何て思ちゃったんだ?」
「それはポセイドンとネプチューンの為に、
海を泳いでいたのでは?」
「あっそうだよ、そうだった、
アイツらが海を泳ぎたいって言ったから、
まぁ願いが叶ったんだから良しとするか、
そんな事より、
ここの空気なんか臭くない?」
忍者太郎達は嗅ぐ仕草ををしながら、
「確かに変な匂いがする」
その時森の方からガサガサと音がして来た、
森からノソノソと現れたのは、
黄緑色の斧を持ったドラゴンだった、
サクラは目を細めてドラゴンを見つめて、
「アレってどうなの?
どっかのゲームで見たまんまのドラゴンなんだけど、
斧持っているのも変だよね?
あれモンスター?」
「マスター、あれはドラゴンだと思う、
斧はミノタウロスも持っている」
「ま〜そうだけど…
ちょっと近付いて確認してくる」
サクラはドラゴンに向かって歩き出し、
ドラゴンはサクラ達に気が付いていないようで、
鼻を上に向けてスンスンと嗅いで、
何かの匂いを確かめているようだった、
サクラは速度を上げてドラゴンの前まで走って行ったが、
サクラに気が付いたドラゴンは、
いきなりサクラの首に向かって斧を振り下ろす、
斧は確実にサクラの首にヒットしたはずだったが、
手応えは無く、
何故かドラゴンの視界がグラッと傾いて、
頭が地面にズドンッと大きな音を立てて落ちた、
サクラはドラゴンの首を見下ろして、
「コラ!!いきなり何するんじゃ、ワレ〜」
いきなり怒鳴られたドラゴンはサクラの顔を見て、
「えっ?何で首が繋がっている?
切ったはずなのに」
「はぁ〜?いきなり攻撃して反省無いの?
それともただのアホとか?
アホでも無かったらモンスターか?」
ドラゴンは怒った表情になって、
「誰がモンスターだ、
俺は気高いドラゴン族だ」
「気高いドラゴン族なら、
相手をちゃんと確かめてから攻撃しろや〜」
怒鳴りまくっているサクラに向かって太郎が、
「マスター…汚い言葉を使ってはいけない、
一応女の子なんだから」
サクラは太郎に向き直り、
「一応とは何だ?
アタシは正真正銘女子だ」
太郎は両手を広げて、
「やれやれだマスター、
女子はいきなりドラゴンの首をはねない」
サクラ達の会話に驚いたドラゴンは、
「何だって?
俺首をはねられたのか?」
忍者太郎達もドラゴンの頭を見下ろして、
「ああ、見事にはねられた」
ドラゴンは動かない顔をで、
一生懸命目を動かし辺りを見ると、
斧を振り下ろしたポーズのまま立っている、
自分の体を見つける、
「アアアアア〜俺の体があそこにある、
えっ?血も出て無い?
俺は何で生きている?」
ドラゴンの体の方があたふたとし出して、
奇妙な生き物誕生の瞬間だった。
「俺の体に何をした?教えてくれ」
サクラはドラゴンの顔の前にしゃがんで、
「いきなり斧を振り下ろされたから、
お前の斧を払って、
次にお前の頭と体を空間魔法で切り離してやった…ゴザルよ」
サクラは説明しながら太郎達の顔を伺ってみると、
一言「ゴザル」を付けただけで、
太郎達は嬉しそうにウンウンと頷いていた、
サクラは
(何だちょろいな、
でもオヤジのせいで、
太郎君達に変な常識が備わってしまった…
まっ太郎君達の機嫌とりには使えるな、フッフッ)
ドラゴンは「空間魔法だと?」
そう呟きながらサクラの顔をガン見して、
「おっお前達は何者で…
ここに何をしに来た?」
サクラは軽く、
「星神の命令でドラゴン族と魔族の様子を見に来た」
「何だって?星神様が?」
「そうだアタシは星神の下僕だからな」
ドラゴンはサクラの顔をマジマジと見て、
「下僕が星神呼ばわり?」
「そうだ、深く考えるな、
もう攻撃しないと約束するなら頭を戻してやってもいいが…」
「もうしない、
頭を戻してくれ〜」
サクラは立ち上がってから、
両手をドラゴンの頭に向けると、
頭が浮かびゆっくりと体に戻って行く、
頭が体に戻るとドラゴンは両手で首を確かめ、
「あ〜良かった元に戻った」
喜んでいるドラゴンにサクラはいきなり、
「ブラックドラゴンに会いたいんだが、
何処に行けば会える?」
サクラの問いに凍り付いたようになったドラゴンは、
冷たい目でサクラを睨み、
「ブラックドラゴン様に何用だ?」
サクラはニヤリと笑いながら、
「その反応はビンゴかな?
ブラックドラゴンの身に何か起こっているなら、
それを回復させたいと思って、
と、星神が言っている」
太郎がサクラの耳元で、
「マスター、何故星神の名前を出す?
星神を出すと面倒な事にならないか?」
「アタシは海底で学んだよ、
誰かに全能神の名前を出される前に、
全て星神の名前で通した方がいいってね」
太郎は
「なるほど…でもいずれはバレそうだが」
ドラゴンはサクラ達の不審なコソコソ話など気にならない位悩んでいた。
「星神様…ブラックドラゴン様…ぬ〜ん、
俺はどうすれば良い?
俺だけでは判断が出来ない…」
突然ドラゴンが何か閃いたように、
「あっそうだった、
困った時は魔王に聞けば良いとブラックドラゴン様が言っていた」
ドラゴンの顔が閃きから不安な表情に変わり、
「アアア…今はまずいか?
魔族は忙しいだろうな?」
ドラゴンが表情をコロコロ変えて悩んでいたが、
サクラの顔に向き直って、
「お前は強いか?
俺の頭を一瞬で切り落としたんだ強いんだろ?」
サクラはわざとらしく考えるように、
「ん〜どうだろう?
アタシが強かったらどうするの?」
ドラゴンはちょっと俯き加減で、
「もう100年近くなるか?
ドラゴン族の中に突然凶暴になる者が出てな、
凶暴になると何故か魔族を襲いに行くんだよ、
それに何故か凶暴なドラゴンを正気に戻せるのは魔族だけで、
そんなやり取りを100年近くやっている、
その凶暴化のドラゴンの数が年々増えていって、
今日は凶暴化したドラゴンが1000匹以上に膨れ上がり、
今魔族領に向かっているんだ、
そんな数を魔族も止められるか不安だ、
もし魔族が全滅したら…この大陸はお終いだよ、
だからお前が強いのなら魔族に協力してくれ」
「凶暴化って?
意識は飛んじゃっているって事?」
ドラゴンは頷き、
「俺も凶暴化になった事があるが、
何をしていたか覚えていないんだ」
「へぇ〜突然の凶暴化は不安だね」
ドラゴンは首を振ってから、
「それが突然じゃ無いんだ、
だんだんと頭にモヤがかかるようになって、
意識が薄れて来る…
さっきまで俺もそのモヤにかかっていた、
だから何も考えずに斧を振ったのかも?」
サクラは腕を組んで、
「ちょっと良く分からないけど、
頭にモヤがかかり始めた時に、
魔族にお願いしてモヤを取り除いてもらうって出来ないの?」
「モヤがかかり始めると、
そんな考えにはならない、
気が付いた時は瀕死状態にされていて、
魔族が傷を治してくれる」
「じゃあモヤがかかった途端意識は無いって事じゃん」
ドラゴンは気まずそうに、
「そうだな…」
「何を段々と凶暴化する様な言い方して、
誤魔化そうとしてた?」
「誤魔化す何てして無い、
気高いドラゴン族がこんな事になって…
ブラックドラゴン様にに顔向け出来ない」
サクラはポンッと手を叩いて、
「アタシが会いたいのは、
そのブラックドラゴンだよ何処にいる?」
「ブラックドラゴン様は城に閉じこもっている、
誰も近付くなって命令だ、
詳しい事知りたいなら、
魔王に聞けば分かるかもしれない、
だからこそ魔族に協力してやってくれ」
「まぁ〜星神の命令で命を守れって言われているから、
協力は惜しまないけど、
そこに行けば魔王にも会えるって事か…
良し行くか、そこまで案内出来る?」
ドラゴンは嬉しそうに飛び上がり、
「案内出来る、俺に着いて来てくれ」
ドラゴンはそう告げるとドスドスと走り出し、
森の中に入って行った。
サクラと太郎達もその後に続いて走って行くが、
「瀕死状態にしてから回復って言ってたよね?」
忍者太郎達も走りながら、
「そう言っていた」
「何で瀕死状態にする必要がある?
それが必須ならめっちゃ大変だね」
太郎は笑いながら、
「マスターなら簡単、
太郎をたくさん召喚すれば良い」
サクラは走りながらポンと手を叩いて、
「おお〜1000人太郎!かっこいい、
忍者太郎君を召喚するか」
そんな事を楽しそうに話しながら走るサクラと太郎達だった。
読んで頂きありがとうございました( ̄▽ ̄)/




