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異世界に呼ばれたオタク女子 スキルが多すぎて使いこなせない件  作者: Melody


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43/49

オオカミ族と オタク女子

念願の獣人に会えたサクラだったが、

相変わらず話がそれていく。


鬼人族の元王と別れた後、

サクラは崖の上から森を眺めて、


「こんな国境近くに住んでいる獣人はいないか…」


サクラは高く飛び上がり森に向かって飛んで行く、


獣人の国は他の国と違って森が多い、

たまに開けた場所も見かけるが集落は無かった、


「もう2時間位飛んでるか?

誰にも会え無いんだが?」


そこにひと回り小さくなったユニペガが、

三つ編みの隙間から顔を出して、


「誰にも会え無いの?

獣人族って人数が少ない種なのかな?」


「そんな事は無いと思うけど、

あれ?なんか匂いがする…どっかで焚き火やってる?」


サクラはゆっくりっと回って辺りを見渡すと、

ほんの微かな煙が見えた。


「おお、あっちだ行ってみよう」


サクラは速度を上げて煙に向かって飛んで行くと、

小さな集落を見つけた、

上空から集落の様子を見ていると、

オオカミらしき獣人が忙しそうに働いていた、


サクラは興奮して、

「マジ獣人だよ、体はオオカミそのものだけど、

二足歩行で作業している、

手はどうなってるんだ?

指みたいになっているのかな?

あそこで何か作っているみたい、

近くで見たい〜」


ユニペガがサクラの顔を見て、

「早く降りて聞いてみれば?」


サクラはモジモジしながら、

「そんな図々しい事でき無いよ…

動物には嫌われたく無いし…」


「いつものマスターと違う、

動物には嫌われたくないの?

人間は?」


「ん〜人に嫌われる…考えた事ないな、

動物は正直で純粋だから仲良くしたい、

それだけだよ、

あっユニペガちゃん見て、子供がいるよ可愛い」


そんな話をしながら、

集落の様子を眺めニヤニヤしているサクラ、


獣人族は人族と違って嗅覚、聴覚、視覚が優秀で、

嗅いだ事のないサクラの匂いに気付いた若い獣人が、

空を見上げ何かが浮かんでいる事に気付くと、

長老の元へ走って行った。


「長老、変な物が空に浮いている」


顔の周りの毛が所々白くなっている獣人が、

慌てて小屋に入って来た若い獣人に振り返り、

「空に?鳥では無いのか?」


若い獣人はブンブンと顔を左右に振って、

「鳥じゃ無い、どう見ても人」


長老はゆっくりと立ち上がり、

立て掛けてあった杖を握り、

外に向かって歩き出す、


若い獣人が先に広い場所まで走って行き、

空に向かって指をさし、

「長老、アレ、アレ」


長老は歩きながら空を見上げて見ると、

確かに小さな人が浮かんでいた。


「あれは…ヒューマンの子供か?」


長老が小屋から出て来て空を見上げている事に、

周りの獣人達も気が付いて空を見上げる、


「あれはなんだ?」


「子供が浮いている…」


騒ぎ出した獣人達を嗜める様に、

「皆、騒ぐのはやめなさい、

あれは子供だ怖がらせては可哀想だろ」


長老はサクラの真下まで行くと、

「そこの子供、そんな所に居ては危ない、

降りられ無いのかい?」


声を掛けられた事に気付いたサクラは、

「はぅっ、声を掛けられた〜」


サクラは嬉しそうに、

「えっと〜降りられます、

下に降りても良いですか?」


長老は手招きしながら、

「ゆっくり降りておいで」


サクラは「キャッ」と小さく叫んで、

ゆっくりと長老の前に降りて行く、

獣人は人族よりちょっと体が大きかった、

サクラは思わず抱きついてしまいそうな自分に、

(ダメ、ダメ、サクラ我慢するのよ)

と心の中で呟いている、


そんな事を考えているサクラの周りには、

獣人達が集まって来てサクラを囲んだ、


獣人達に囲まれてサクラの口がニヤケ出して、

「キャ〜もう我慢出来ない」と叫ぶと、

長老のお腹に飛び付いてしまった。


周りの獣人達は、

サクラがいきなり長老に抱き付いた姿を見て、

「長老…この子迷子だよ、怖かったんだ、

それで思わず抱きついちゃったんだな、

可哀想に…」


サクラは周りの獣人達が勘違いをしている事に気付き、

長老から離れてから頭を下げ、

「突然抱き付いちゃってごめんなさい、

アタシは迷子じゃ無いです、

大切なお話があってここまで来ました」


長老は地面に膝を付いてサクラに目線を合わせ、

「お嬢ちゃんの様な子供がこんな所まで来たのかい?

お父さんとお母さんは何処にいるのかな?」


サクラは相手によって子供扱いされるのが、

こんなに心地良いものなのかと感じながら、

「えっと、両親はこの世界には居ないです、

ちょっと理由があって、

アタシ1人だけこの世界に召喚されました」


獣人達が騒めき出して、

長老が怒りの表情で、


「何だと…こんな子供1人を召喚するなどと、

そんな酷い事をした奴は誰だ?」


サクラは目を細めてニヤリと笑いながら、

「星神と精霊王全員です」


騒めいていたその場が急に静まり返り、

困った顔でサクラを見つめて、


獣人達が、

「お嬢ちゃん…星神様って言ったかい?」


「星神様ってこの星とって偉大な存在で、

みんなに崇拝されているお方だから、

違う人では無いか?」


黙って聞いていた長老が、

「お嬢ちゃん、

星神様に召喚された証拠みたいのはあるかな?」


サクラは首を傾げながら、

「証拠?そんな物は無いけど、

本人に聞いた方が早く無いかな?」


「星神様ご本人に聞けるのかい?」


「うん、ちょっと待ってて」


サクラは手をかざして、

拠点へのポータルを開けると、


獣人達は初めて見るポータルから少し離れ、

様子を伺っていると、

ポータルの中の様子が少し見えて、

とんでも無い広さの草原に見た事ない動物達が走り回り、

遠くには精霊王らしき人物も見える、


獣人達は天界でも見ている様な表情になっていた、

そこにサクラが、

「太郎君、星神連れて来て」


ポータルから顔を覗かせた太郎が、

「御意、マスター、

星神はキッチンでクッキー作っているけど、

そのまま連れて来て良い?」


「クッキーね…

良いよ、手が粉だらけでも良いから連れて来て」


太郎はキッチンに向かって走って行き、

手が粉で汚れている星神を背負って来た。


ポータルから現れた星神に釘付けになる獣人達は、

呆気に取られて硬直していたが、


呑気な星神は、

「サクラさん、いつも突然ですね、

手を洗いたいのですが」


「自分で手を浄化すれば良いじゃん」


星神は自分の手を見つめながら、

「浄化魔法ですか?

どうすれば良いでしょうね?」


「手が綺麗になるイメージすれば良いのでは…」


星神は目を閉じてイメージをする、

星神の手が光り手が綺麗になっていった。


星神は手を見つめて、

「サクラさん、爪の中が綺麗になって無い」


サクラは星神を呆れた顔で見て、

「そんなの知るか!

後で手を洗えば良いでしょ、

それよりもいつもの質問されてる」


星神は爪を眺めながら「いつものやつ?」と呟いてから、

周りを囲まれている事に気付き、


「ああ、獣人族の皆さん初めまして、

私、獣人族の方と会えるなんて嬉しいです」


星神は獣人族の顔を1人、1人、見つめて握手をしていく、


サクラは星神の反応に違和感を感じて、

「星神って獣人族の人と会うの初めてなの?」


星神は笑顔のままサクラに振り返り、

「はい、

サクラさんに出会うまで、

この星に住む方とは会った事ありません、

サクラさんのお陰でエルフや鬼人にも会えました。

地上に降りる事が出来ない私は、

ホーリー山から地上の人達の生活を感じるだけ、

接触出来るのは山に住む動物と精霊王達だけでしたから、

今はたくさんの人達と会話が出来て幸せです」


サクラは一歩下がって、

「えええ〜何で今まで言わなかったの?

エルフ達とも自然に会話してたから、

会った事はあると思ってた」


星神は手を口にあて「クスッ」と笑うと、

「サクラさんがこんなに驚いてくれるなんて、

いつも私が驚かされていたからなんか嬉しいです、

それで、獣人族の方に何を説明すれば良いですか?」


サクラと星神のやり取りに呆気に取られていた長老が、

「あの…星神様ですよね?

お姿は壁画に描いてあった通りなので分かりましたが、

まさかこんな親しみやすい感じとは思っていませんでした」


星神は笑顔で、

「それではどの様なイメージだったのでしょう?」


「いや…もっと威厳のある立ち振る舞いをするとか」


サクラがニヤリと笑って、

「もっと偉そうだと思ってた?」


長老は慌てて、

「そんな悪いイメージでは無く、

人族の王とか貴族の事を知っていたので、

もっと近寄り難いイメージをしていました」


「それは残念です、

出来る事なら皆さんと接触をしたかったのですが、

地上に降りる事が出来なかったので、

これからは色々なお話を聞かせて下さい」


獣人達は慌てて跪いて、

「私達の様な者達にそんな言葉をかけて下さるなんて、

とても恐れ多い事です」


星神はちょっと寂しそうに、

「そんな事を言わないで下さい、

私がこうしていられるのは、

この星に住む皆さんのお陰ですし、

同じ星に住まう家族みたいなものでしょ?」


星神の言葉に涙を浮かべる獣人達、

サクラは(何で星神を呼んだんだっけ?)と考えていた。


そして星神達の話の腰を折るようにサクラが叫ぶ、

「ああ〜そうだ、

そんな話をする為に星神を呼んだんじゃ無い、

アタシをここに召喚したのが星神だって言ったら、

信じてくれなかったから呼んだんだよ」


「そうだったのですね、

サクラさんをこの星に召喚したのは私ですよ」


長老は驚いて、

「星神様ともあろうお方が、

こんな子供を両親から離して、

この星に召喚してしまったのですか?」


星神は慌てて両手を左右に振って、

「いえ違います、

召喚したのは私ですが、

サクラさんを選んだのは全能神様で、

サクラさんは子供では無く、

元の世界でお亡くなりになって」星神は大混乱、


聞いている獣人達も大混乱で、


「子供じゃ無い?」


「全能神様って言ったか?」


「亡くなってって幽霊って事?」


みんな大混乱の中サクラが手をパンッパンッ叩いて、

ゆっくりと今までの経緯を説明をしてから、

「それと全能神云々は忘れて、

アタシは会った事も無いんだから、

これで信じてもらえたかな?」


長老はゆっくりと歩いてサクラの前に行き、

「お嬢ちゃんの話は信じよう、

それでこんな所まで何しに来たんだい?」


「それはね、

マレディク-ダンジョンって知ってる?」


「ああ、

何か変な匂いを撒き散らしているダンジョンだろ?」


「さすが、鼻が効くんだね、

そのダンジョンの調査に行ったら、

白骨化した御遺体を見つけて、

その中の3体が獣人族のものだったから、

ご遺族の方を探しに来たの」


長老は難しい顔になって、

「あのダンジョンに入った者がいたのか…

お嬢ちゃんその御遺体を見せてくれるかい?」


サクラは頷いて、

アイテムボックスから御遺体を出して見せると、

長老は「やはり」と呟いてから、


「この御遺体はこの村の者では無い、

身につけている物を見ると、

ここから5キロ程離れた村の若者だと思う、

今から使いを出してその村の者を呼んで来よう」


「えっいいよ、

森に入るのも危ないからアタシが行くから」


長老は優しくサクラに微笑みかけて、

「お嬢ちゃんは優しいな、

大丈夫、我らはモンスターになど負けない、

他の国ではギガントモンスターなどと言う、

巨大化したモンスターが出るそうだが、

獣人族の国では見た事が無いんだ、

もし現れても他の種族と力を合わせれば勝てるだろう」


「へ〜他の国と違うね…

やっぱり心が綺麗な種族の所にはギガントは発生しない?

人族がドロドロしすぎなのか…」


星神が興味深そうに近付いて来て、

「それってどうゆう事ですか?」


「星神だって知ってるでしょ?

モンスターが何故出没するか、

土地の悪いエネルギーが集まってモンスターになるって事は、

この土地はそんなに悪いエネルギーが集まらないって事でしょ、

人族は地位や権力に振り回されているからね、

おじいちゃん、気持ちは嬉しいけど、

念の為、アタシの戦士を同行させて」


サクラがそう言ってから忍者太郎を2体召喚すると、

獣人族は興味津々に太郎達を眺めて、


「何だこのゴーレムはかっこいいな」


「双剣だ、見た事のない剣で、

佇まいも強そうだな」


サクラは「うん、うん」と頷いて、

「さすが、動物の感は人とは違うね、

誰も木の人形って言わない」


長老も太郎を見て感心してから、

「人族はこれをただの木の人形と思っているのか?」


「初めて見た時はね、

今は頼れる太郎君ってみんな分かっているけど」


「この者は太郎と言う名か、

凛々しい姿にピッタリだな」


サクラはふとっ割烹着太郎を思い出し、

「アハハ」と乾いた笑いが漏れていた。


長老は若い獣人2人に指示を出し、

隣の村まで使いを出した。

その後を忍者太郎達がジャンプしてついて行ったが、

太郎達の凄いジャンプの高さを見て、

獣人達が手を叩いて喜んでいた。


待っている間、暇だろうと、

長老がお茶を出してくれたので、

星神と一緒に座って待つ事にした。


長老は星神を見て、

「星神様はここにいても大丈夫なのですか?」


星神はお茶をすすりながら、

「はい、サクラさんがかけてくれた、

結界魔法のお陰で地上にも降りる事が出来ます」


「ほう、結界魔法ですか?

人族には獣人とは違う魔法があるようですな」


星神は首を左右に振って、

「いえいえ、

多分サクラさんだけの魔法だと思います、

私が出て来たポータルと言う魔法も聞いた事無いですから、

それに魔力が全然違うのです、

さっき私が使った浄化魔法も、

サクラの浄化魔法なら爪の中まで綺麗になる筈、

治癒魔法で無くなった足とかも、

元に戻しちゃうんです、凄いです」


お茶をすすりながら何でも無いように話す星神、

聞かされた長老達は目を見開いてサクラを見て、

「無くなった足を元に戻す?

それが治癒魔法と言うのですか?」


サクラは片手を軽く振って、

「いや〜それが分からないんだ、

スキルがあり過ぎて何のこっちゃって感じ、

星神が魔法はイメージすれば良いって言うから、

足よ戻れってイメージすると足が戻る、

だからどの魔法を使ったか分からん」


話を聞いていた周りの獣人達は、

言葉も発する事も出来ずにそこに佇んでいた。


そこに隣の村から帰って来た獣人達は、

美しい毛並みの獣人を連れて帰って来た。

見た目は女性のオオカミタイプの獣人だ、


美しい獣人はゆっくりと遺体に近付くと、

両膝を地面について頭蓋骨をゆっくりと撫ぜる、

「バカな子達…こんな姿で戻って来るなんて」


美しい獣人は遺体から目を離さずに長老に向かって、

「ジャス爺さん、

この遺体はダンジョンから見つかったって聞いたけど、

そこにいる星神様が見つけてくれたの?」


長老も遺体の近くに行って、

「お前は相変わらず礼儀がなって無いな、

遺体を確認する前に星神様に挨拶ぐらいしろ、

遺体を連れて来てくれたのはそこのお嬢ちゃんだ」


美しい獣人はサクラを観察する様に見つめ、

サクラに近付き顔の辺りをスンスンと嗅ぐと、

サクラは目を丸くして「ホッホ〜イ」と変な声を出す。


美しい獣人はサクラの頬をペロリと舐めて、

「美味しい、こんな美味しいエネルギーは初めて、

お嬢ちゃん私の弟達を連れて来てくれてありがと、

このバカな弟達は母親を助けたくて、

鬼人の商人の嘘を信じてダンジョンに入っちゃったのさ、

あのダンジョンが危ない事は分かっていたから、

私達も探しにも行けなくてね…」


頬を舐められて放心状態だったサクラは、

「はっ?弟達?

3体とも弟って事?それは…キツイね」


美しい獣人は「フッ」と鼻を鳴らしてから、

「そうなんだ、3体共弟で、

母親になんて伝えようか…

1年近く帰って来ないから、

母親も諦めた様な事は言っていたんだけど、

今は病気のせいで話をするのも難しい程弱ってしまって、

弟達の話をしても聞こえているかどうか分からない状態だ」


「ん?母親が病気で、

弟達は母親の病気を治したくてダンジョンに入った?

鬼人の商人はダンジョンに、

母親の病に効く薬が有るとでも言ったの?」


「商人の話は弟達から聞いただけだから、

本当の事は分からない、

騙されたんだよ、

ただ何で商人は弟達をダンジョンに行かせたかったのか?

それが分からないから気持ち悪い」


サクラは腕を組んで何かを考える、

「母親の病気って…紫の発疹がある?」


「紫の発疹だと?

私達は全身に毛が生えているからな、

それは分からない」


「そうだよね…

じゃあ母親はダンジョンに入った事があるか?

もしくはその鬼人の商人から甘い匂いのする何かをもらった?」


美しい獣人は空を見上げて考える、

「う〜ん、どうだろう…

ダンジョンに入った事は無いが、

商人とは会った事がある」


「なるほどね、

その母親に会わせてもらえるかな?

人族の間で流行っていた病気と一緒なら治せる」


美しい獣人はサクラの両肩を掴んで揺する、

「何だと、それは本当か?治せるんだな?」


激しく揺すられたサクラは白目をむきながら、

「はっはい〜なっ治せると思いますぅ〜」


美しい獣人はサクラを胸に抱きしめて、

「それが本当ならどんなに嬉しい事か…」


「あっあのぉ〜くっ苦しい〜息が…」


美しい獣人は慌ててサクラを放して、

「すまない、興奮のあまり」


サクラは照れくさそうに、

頭を掻きながら、

「いや〜いいって」


サクラがニヤニヤしている姿を見ていたユニペガが、

三つ編みから飛び出し、

美しい獣人の目の前まで飛んで行くと、


「おい、メスのオオカミ、

マスターに失礼な事ばかりするな、

マスターがこれ以上アホになったらお前の責任だ」


ユニペガのエネルギーの強さを感じ取った者達が、

その場は凍り付きユニペガを凝視していた。


サクラはヘラヘラ笑いながら、

「ユニペガちゃんアホって酷いな、

こんな事くらいでアホにならないよ」


ユニペガはサクラの顔まで飛んで行き、

「マスター顔がアホになっている、

もっとちゃんとして」


「ユニペガちゃん…太郎君達みたい」


そこに長老がやって来て、

「お嬢ちゃん、そのお方は?」


「ああ、アタシが召喚したユニペガちゃん、

イメージは神獣って感じ?」


「はぁ?神獣を召喚って…

そのお方は何故そんなに小さいのですか?」


「大きくすると動物の精霊王が、

鼻血出して倒れるから、

後はアタシの側にいたいと言う事で、

小さくして三つ編みに隠れてもらってた、

大きくしてみようか?」


長老は一歩下がって、

「いえいえ、大丈夫です、

精霊王様が倒れる程、

強いエネルギーを放たれているって事ですよね?」


「さぁ〜どうだろう?

そんな事より早く母親に会わせて欲しいんだが」


美しい獣人はユニペガの前に跪き、

「ユニペガ様、

貴方様の物に勝手に手を出してしまい、

失礼致しました、

私の名はシャルモン、

以後お見知りおきを」


ユニペガは頷きながら、

「分かればいいんだ、

僕のマスターを大切に扱って」


「はい、勿論です、

では私の村までご案内させてもらいます」


急に態度を変えたシャルモンに、

「え〜なに?急に態度を変えちゃって、

硬いよ〜もっとフレンドリーでお願い」


「いや、そう申されても、

この様な存在に指示されては反抗出来ないです」


「ユニペガちゃんってそんなに凄いんだ?」


それまでお茶をすすって黙っていた星神が、

「クレアが言ってましたが、

ユニペガちゃんの神獣エネルギーは凄いらしいです、

ホーリーウルフ以上だと言ってました、

あれ?でも、皆さんはオオカミ種ですよね?

ホーリーウルフとユニペガちゃんを比べたら、

どっちが神々しいのですか?」


オオカミ獣人はホーリーウルフの名に冷や汗を流し、

「星神様、ホーリーウルフ様って実在するのですか?

ただの神話だと伝わっていますが」


「ちゃんと存在しますよ、

ほらあそこで寛いでいるのは、

リーダーのルーアですよ」

そう言ってポータルを指差す、


長老達はポータルを覗き込んで、


「あっあれがホーリーウルフ様、

なんて神々しいんだ」


シャルモンはポータルにしがみついて、

ルーアを見つめて、

「本当に存在した…」


そう言ってポータルの中に入って、

ルーアの下に走って行ってしまった。


サクラは呆れて、

「ファ?弟の遺体や母親の病気は?

何だあのオオカミ、ルーア足にしがみついちゃったよ」


ルーアが迷惑そうな顔でポータルを睨み、

しがみついたシャルモンを引きずりながらやって来て、

「おいマスター、コイツは何だ?

いきなりやって来て俺の子供を産ませろと言って来たぞ」


サクラは腹を抱えて笑い出し、

「ア〜ハハハハ、チョ〜肉食系じゃん、

さっきまで普通だったのに」


そこに長老が、

「それは仕方ない事、

我らオオカミ族からしたら、

ホーリーウルフ様は神と一緒、

その神の子を宿したい本能は、

オオカミ族のメスは全員持っているでしょう、

私もメスならば同じ事をしてしまったかもしれない…」


サクラは笑いながら、

「動物は嘘がつけない、だから大好き、

人間は本性を隠すからね〜

やっぱサイコ〜」


そんな事を言っているサクラをルーアは睨んで、

「マスターオオカミ種は犬と同様で完璧な縦社会、

俺の主人がそんなにヘラヘラしていると、

こっちの威厳が損なわれるから真面目にやれ」


オオカミ族の視線がサクラに集中する、


「ルーアが主人なんて言うから獣人達が驚いているでしょ、

アタシはホーリーウルフを保護したけど、

主人になった覚えは無い、

ちゃんと否定して」


ルーアは「クックック」と笑うと、

「否定なんかするか、

それよりもこれを早く外してくれ、

俺は子供はもう作らん、

マスターとなら作っても良いが」


ルーアの言葉に周りは大混乱、


サクラは口をパクパクさせながら、

「ルッルッルーア〜

わざと勘違いされる様な事を言うな」


黙って見ていた忍者太郎が、

「マスター、遊ばれてる、

ルーアの話に乗るな、

ルーア、マスターをからかうな、

マスターは単純だから、

からかいたくなるのはわかるが、

私達のマスターを大切に扱え、

お前達がそこまで力が戻ったのはマスターのお陰、

敬意を払え」


そう言ってルーアを叱ってから、

ルーアにしがみついていたシャルモンを剥がして、

サクラの下までズルズル引きずってから、


「マスター、コイツの村まで行く」


サクラは太郎君の呆気に取られていたが、

「あっ、そうだよね村に行かなきゃ、

星神をポータルに投げ込んで、

それとルーアの力が戻ったって…なに?」


もう1人の太郎が星神を抱えながら、

「マスター、忙し過ぎて気が付いて無い、

ルーアの大きさが前より大きくなった」


そう説明しながら星神をポータルの中にポンッと置く、

サクラはルーアをマジマジ見て、


「あっ!本当だぁ〜

ルーア大きくなってる、

縦に横に大きく…デブになった?」


ルーアは「キッ」とサクラを見ると、

「デブになどなっていない、

我らはもっと大きな体だったが、

ギガントモンスターのせいで小さくなっていた、

今は食事や生活環境良過ぎて元に戻るのも早かった、

マスターのお陰だ、ありがとう」


太郎が軽くため息を吐いてから、

「はぁ〜話はもう終わりだ、

マスター早くポータルを閉めて村に移動だ、

マスターは目的を直ぐに忘れる」


「そうだったね…すんません」

サクラはペコリと頭を下げてから、

ポータルを閉めて、


「長老、お騒がせしました、

お詫びのにアタシの拠点の食料を置いて行くね、

ではまた〜」


サクラはアイテムボックスから、

これでもかと言う量の食料を出してから、

御遺体とシャルモンを担いだ太郎達と、

ユニペガを肩に乗せて飛び上がり、

手を振りながら飛んで行った。


長老達は口を開けて眺めていたが、


「長老…凄い量の食料が置いてある」


「ああ…そうだな…

何とも騒がしい奴らだったが…

星神様とホーリーウルフ様って本当に存在していたんだな、

オーラの強さで本物だとは分かったが、

なんか…想像とは違っていた…」


長老の言葉にみんな同意するのであった。











読んで頂きありがとうございました( ◠‿◠ )/

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